新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

11月の中間選挙まではバイデンは武器供与はやめられない

2022年05月04日 12時04分26秒 | 戦争と歴史

最近ネット上で繰り広げられている「ロシア・プーチンの戦争」に対する「どっちもどっち」という議論。
 
例えば
「プーチンの暴挙であると同時に、西側の外交的失敗でもある。NATO(北大西洋条約機構)の東方拡大問題、プーチンの世界観と心理状態と誤算、それらを把握しているはずなのに採られなかった戦争回避策。これらと向かい合うことなく、プーチンを悪魔化して責任逃れをする「世界のリーダーたち」は、どうも薄っぺらに見える。」
という、先月末に東京新聞に転載された、「師岡カリーマさん ウクライナ侵攻に思う」という記事。
 
当然ながら、こんな批判に遭ってしまう。
 
「虐めがあったときに、虐めは良くないが虐めっ子と戦うか屈するかは虐められっ子が決めることだと言って傍観する姿勢、それが冷静で格好良いとする態度、結局どんなに理不尽であっても既成事実さえ作ってしまえばそれを容認するということです。要はやったもん勝ちということですね。徹底的に弱者の目線であるべきリベラル・左派とは異質の考え方であり、憲法前文の精神とも相容れないと思います。」
 
「私は、いまは、プーチンを非難し、ウクライナの人びとを擁護し、自分に出来る支援をすることが重要だと思います。はっきり言って焼け石に水なので、周囲に知られれば、「自己満足」で「自分に酔ってる」と受け取られるだろうと推測します。 これが今の日本の現状だと思う」
 
さて、昨日の3日からのGW後半が始まったらしいのだが、なにしろ過去2年間の「県をまたぐ行動は差し控えてください」などという「行動制限」がなくなったおかげで、いままで自粛生活をしていた若者たちが一斉に「雨後の竹の子」のように各地で「超過密」状態を作っていた。
 
日本に住んでこのような光景をテレビで見ると遠く離れたウクライナの戦場のことなんかみんなすっかり忘れたかのようになってしまう。
 
しかし改憲推進派の日本の政治家は、この侵略戦争を奇禍として、「緊急事態条項」を憲法に書き込めと喚いていた。
 
緊急条項議論訴え 国民民主代表『備えるのが憲法』

こんな「与党転向政治屋」には、こんな児童向け図書が最適であろう。
 

 
 
さて、「プーチン氏が甲状腺の病気治療か、がん専門家ら別荘に4年で166日間滞在」という記事を見て、プーチンが直ちに「特殊軍事作戦」を終わらせるということはあり得ない。 
        
むしろ、日本国際戦略問題研究所長の津田慶治の「プーチンが死ぬまで続く。ロシアの核使用で始まる“戦争の時代"」という記事のほうが不気味でありながら、現実味を帯びてくる。
 
■世界戦争を覚悟する ウクライナ戦争の推移
ウクライナ戦争が、プーチンの覚悟で世界戦争になる方向である。ロシアの核攻撃になると世界戦争になる。その戦争と結果を検討する。
ウクライナ東部での戦争は、膠着状態である。徐々に重火器がウ軍に配備されて、ロシア軍は押されている。ロシア領内の石油貯蔵施設や鉄道、兵器庫へのドローン爆撃やミサイル攻撃は頻繁になっていた。
そして、いよいよウクライナ戦車隊が、ハルキウから追撃でクルスク方面のロシア本土へ攻撃を強化している。このことで、ロシア軍は防衛ラインを国内に構築する必要になってきた。反撃開始である。
当初ロシア領内攻撃の多くは、バイラクタルTB2ドローンでの攻撃であり、このため、3機がロシア領内で撃墜されている。ドローンとして自爆スイッチブレードやフェニックス・ゴーストなどがウ軍には供与されるので、ウクライナ領内のロシア軍攻撃はそちらに任せて、TB2は足が長く、レーダー捕捉されにくいので、ロシア領内の攻撃に使うようである。
前回英情報筋は、ウクライナ側の弱点を「大型兵器の不足」と指摘したが、米国の榴弾砲の半分が実戦配備されたようである。重火器も徐々にウ軍に供給されてきた。
このため、ロシア軍の被害が増えているようである。ロシア軍としては、西側諸国からの重火器援助を止める必要になっている。このため、モルドバ国内のロシア人の多いトランスニストリア地域からウクライナ西部に入り、ウクライナ東部への支援物資輸送を止めたいようである。
このためには、その地域にロシア軍が行く必要があり、ドニエストル川を上流に上るルートを侵略する必要があり、オデッサを迂回する可能性がある。またはルーマニアのブルト川河口付近での上陸作戦になるが、ルーマニアはNATO加盟国であり、これをすると、NATO軍との激突になる。
このため、ドニエストル川河口はウ軍の弱い地域でもあるので、上陸作戦も可能と見ている可能性もある。そして、モルドバ国内のトランスニストル共和国では、兵役年齢のすべての男性が同国領を離れることを禁止した。ということは本気だ。
それに対して、ゼレンスキー大統領は、「私たちは向こうの能力を理解しているし、ウクライナ軍はこれへの準備ができており、恐れていない」と述べた。上陸作戦に対応する準備があるということだ。もしかすると、準備できていないルーマニアでの上陸作戦もありえる。
そして、モルドバは、欧州で一番貧しい国であり、今までは対ロシア制裁にも加わらないで、ロシアを刺激しないようにしていたが、ロシアのモルドバ侵攻計画が出て、ウクライナへの軍事支援やロシア制裁に舵を切った。ロシアは、また1つ敵を増やしたようである。
もう1つが、プーチンは核戦争リスクに言及して、NATO諸国の援助をけん制している。しかし、NATO諸国は支援を止めるはずもなく、ロシアは、本気で核ミサイルを打つ可能性が出てきている。弾薬が少なくなり、稼働する戦闘機の枯渇もあり、このままでは、戦争に負ける可能性が出てきたことが大きい。
ロシア軍は5月9日の対独戦勝記念日に向けて猛烈な攻撃したが、ウ軍の重火器による反撃で、進めない状況である。目標としたドンバス地域の支配地拡大は、全然できないでいる。南部ヘルソンとマリウポリの制圧しかできていない。
そして、東部地域のウ軍レーダー網として、MQ-9リーパーがウクライナに供与されたことで、それに大型の監視レーダーを載せて、東部の防空システムに組み込むようである。
これにより、東部地域でも低空飛行のロシア軍機でも捕捉されることになる。徐々にウ軍の反撃体制が整い始めている。装甲車も多数ウ軍に供与されている。それに比べて、ロシア軍の歩兵装甲車はなくなり、普通のワゴン車が使われている。装甲車不足になっているようである。
このまま、長期戦になると、ロシアは物資不足と兵員不足になる。すでに、予備役は徴集を開始しているが、それでも不足して、特殊軍事作戦から大祖国戦争にして、ロシア国内で本格的な徴兵を開始するようであるが、戦車兵の訓練には1年程度かかる。
このため、ロシアは周辺同盟国に参戦を依頼しているが、北朝鮮は参戦する可能性がある。軍活動への支援金と装備と交換で戦争に参加することになるし、アルバニアなども参戦する可能性がある。
というように、ロシア軍だけではなく、ロシア同盟軍が参戦することになるが、中央アジアとベラルーシは参戦しないようだ。特にカザフスタンは、5月9日「ソ連、対独戦勝記念」の式典を中止する。明確な脱ロシアである。
手の震えがあるパーキンソン病に冒されているプーチンは時間がない。プーチンは自分が死ぬまでにウクライナを屈服させたいようである。時間との勝負なのであろう。
このため、世界世論でロシアが悪者になっている問題点を把握して、味方を増やすべく、G20に出席の予定という。直接世界の指導層にウクライナ侵攻の背景を説明したいようである。
歴史的に見ても、日中戦争が長期化して、補給路のベトナム国境地域を封鎖するために、戦争を拡大した事例があり、それと同じような志向がロシアの今の指導層に出てきてもおかしくない。戦争の拡大で、日本は米国を敵にするが、ロシアもNATOを敵にする可能性が高い。
ということで、ロシアが負けを大きく意識した時点で、ポーランドなどに核ミサイルを打ち込む可能性があり、心配である。いつになるのかだが、まだ1年程度先かもしれない。このため、米国防総省高官は、現時点でロシア核兵器使用の脅威はないと認識しているようだ。
しかし、この事態が起きると、世界戦争になる。核ミサイルの打ち合いとなり、ロシアは徹底的な破壊になる。日本も北方4島への出兵になるし、米軍は第2戦線構築でシベリア侵攻になる。その援護を日本が行う。
この事態になると、北方4島には少数のロシア軍守備隊しかいないので、簡単に征服できる。このため、ロシアは言葉で日本を脅すしかない。ロシアは自分の弱点である第2戦線構築を恐れている。
このため、シュルツ独首相が、この時期に急遽日本を訪問して、日独連携を確認したのだ。ドイツが中国とロシアとの関係を見直して、日本との関係を重視することにしたようだ。続いて、EUのミシェル大統領とフォンデアライエン欧州委員長が5月にも訪日予定である。
というように、ロシアの東西で挟み撃ちにする第2戦線構築に、日本が大きな力になるので、今から日本を重視してきやのだ。徐々に日本の重要性がEUでも認識されてきた。
世界は、ロシアのウクライナ侵攻で大きく変わったことを、日本も肝に銘じる必要がある。
「戦争の時代」はプーチンがパーキンソン病で死ぬまで続くことになる。次のロシア大統領になる予定のメドベージェフも戦争を続けると、10年以上も続くことになる。
■世界大戦後の世界は
とうとう、専制主義国対民主主義国の世界大戦への覚悟をする必要になった。ロシアの苦戦を見て、中国はロシアとともに参戦するとは思えない。
ということは、ロシアが世界大戦に負けた後の世界を見ることになる。戦後は、ロシアも民主主義国になり、中国は民主主義国群に包囲されることになる。
迂闊に台湾への侵攻ができなくなるし、ロシア兵器模倣で近代化が遅れている陸海軍の装備も新しくしないと、民主主義国との戦いに勝てない。このため、侵略自体が当分できなくなる。
もう1つ、NATOまたは、NATO的な集団安保体制ができて、その組織に民主主義国全体が加盟するので、このNATOに戦いを挑むことは難しい。このNATOに台湾は加盟するはずで、その意味でも中国は、台湾侵略が難しくなる。
民主主義国群内部では、グローバルで活躍する人とローカルな人が分離するが、グローバルな人たちは人口の10%であり、その国では少数派である。そして、国の中で党派対立が起きることになる。
その兆候として、フランスではルペン氏とマクロン大統領であり、米国でもトランプ氏と民主党や共和党主流派などの国際派の対立である。
しかし、1つの国では、ローカルな人の方が多数を占めるので、グローバル派は、数の上で多いローカルな人たちをなだめるために、社会福祉を充実させることになる。
グローバルな人たちは、国際的に活躍する人であり、会社も世界企業になり、国の経済とは切り離されている。このため、国の経済を拡大させるインセンティブがない。しかし、グローバルな人たちが国の舵取りをするので、その意味で、国とかかわることになる。
このため、グローバルな人たちは、経済的合理性から国同士の戦いはしなくなり、グローバルな人が経営する世界企業同士の戦いになる。国はいくつの世界企業を持つかで経済規模が決まる。
しかし、経済合理性のない専制主義国は、ローカルな人たちで国の指導をするので、国の経済規模を大きくすることが重要であり、領土拡張という手段も使うことになる。領土拡張という行為は、戦争を意味するから問題である。
このため、戦争になるので、専制主義国を警戒する必要が民主主義国群にはあるのだ。
根本にはグローバルな人たちとローカルな人たちの戦いともいえることである。そして、グローバルな人たちが世界を指導することになるとみる。専制主義国も、早く民主主義国家群に参加しないと貧乏な状態のままになる。


この記事とは全く反対の「ロシア寄りの論者」の記事も参考のために一部を紹介しておく。
 
ウソだらけのウクライナ戦争

★露軍は大失敗していないし、残虐行為も過激な破壊も戦争犯罪も犯していない。ウクライナ軍は露軍に包囲されており、ほとんど反撃できていない。露軍は4月初めにキエフから撤退したが、それはキエフ周辺のウクライナ軍の施設を大体破壊したからだ。
 
★ウクライナ戦争の大ウソを維持するため、米政府は言論統制をどんどん強化せざるを得ない。米政府は4月に入り、新たな試みとして、米マスコミの中でCNNとブルームバーグ通信の編集者を大統領府(ホワイトハウス)の安全保障会議に出入りさせ、大統領府直結で記事を書けるようにしてやる代わりに、書いた記事を大統領府の担当者が確認し、不都合な言い回しやニュアンスを替えさせてから報道させる新しい検閲体制を組んだ。この新たな検閲体制により、米国のマスコミは政府との一体化を増大させられている。日本の戦争中の「大本営発表」をもっと巧妙にしたものだ。
 
★ウクライナ戦争がウソだらけなのは、米英が作っているウソをプーチンのロシアが根強く訂正せず、ウソを放置しているからでもある。何度も書いているが、ウクライナ戦争が長期化するほど、この戦争で作られている米国側と、露中など非米側との決定的な対立構造が長く続き、資源や食料を握る非米側が優勢になり、米国側はインフレが金融崩壊に発展して破綻・敗北していく。米英が作ったウソの構図をロシアが放置した方が、この戦争は長期化する。それを知っているプーチンは、露政府にウソをあまり訂正させず放置している。露軍はウクライナでの戦闘をゆっくり展開している。これも長期化のためだ。米国側のマスコミ権威筋は、戦争は急いで終わらせないと失敗なので露軍は負けているとしたり顔で言っているが、全く間抜けである。
  
 ネット民や素人コメンテーターたちの「どっちもどっち」という議論は最近の情報では「DD論」と言うそうなのだが、まさにその名の通りの傍からみれば、「自分に関係ないからどっちでもいい」という」という内容であろう。
 
さらに、「お気楽な心理学講座」を書いている心理学者・富田隆の、 「一線を越えてしまった日本。露からの『ミサイル飛来』の覚悟が必要なワケ」という記事まで登場してきている、。 
 
しかし「ロシア寄りだろうが、欧米中心の「NATOより」だろうが、この軍事作戦ならぬ「侵略戦争」はウクライナを舞台にした「米露代理戦争」なので長期化することだけは見立てが一致しているようである、とオジサンは思う。 
  

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