5月にしては肌寒い連休の3日目。
例年ならば半そでシャツ姿でもおかしくはないのだが、今年は少々異常である。
「異常」というのなら21世紀になって20年以上も経過したのだが、時代錯誤的な自国の領土を拡大するかのように、他国に侵略し町中をミサイルで破壊するという光景を世界中に見せつけたのがプーチンが仕掛けた「ウクライナ侵略戦争」であろう。
メディア紙面にも「ウクライナ」という言葉が氾濫しているが、日本では、国名を漢字一文字で表記する習慣があり例えば、アメリカは「米」、イギリスは「英」、フランスは「仏」のように、もともと国名を漢字表記にしていたものの頭文字をとったものであることは今更いうまでもない。
しかしある雑誌に、「露烏戦争」という表記を見て、ウクライナの漢字表記が「烏克蘭」であることを知った。
そして、ウクライナといえば、かつてはソビエト連邦内の構成国だったのだが1991年のソ連崩壊に伴って独立国になったことは、今回の「露烏戦争」で改めて知った若い人も少なくはなかったようである。
学生の頃の1970年代にマルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンが、戦争によって引き裂かれたイタリア人夫婦のその後を描いて大ヒットした映画『ひまわり』を見たことを思い出す。。
映画のなかで妻が夫を探してソビエト連邦を訪ねた際、列車の中から見た一面に広がるひまわり畑(戦死した多数のイタリア人兵士が眠っているとされる)は、現在のウクライナにあたるところだったことは当時は知らなかった。
時間のある方はじっくり鑑賞してほしい。
ソフィア・ローレン、Sophia Loren 「ひまわり Sunflower I girasoli~Love Theme~」ヘンリー マンシーニ Henry Mancini
ところで国名の漢字表記というのを調べてみると、意外なことが分かった。
ランキングサイトであるgooランキングが「漢字一文字で書くとわからない国」についてアンケート調査を実施しそのなかからランキングTOP10で第10位ががウクライナ「烏克蘭」を意味する漢字の「烏」であった。
それではその他のランキングの国名でベスト5を紹介しておく。
第5位「塔」
「塔」が第5位に選ばれました。これは中央アジアの「タジキスタン」をさす漢字です。漢字では「塔吉克斯坦」または「汰爾奇斯坦」と記載されることがあります。 タジキスタンの東部は、アフガニスタンや中国の一部とともに「世界の屋根」といわれるパミール高原の一部を成しています。 |
第4位「香」
4位にランクインしたのは「香」という漢字。これは「香佐富斯坦」と書く、「カザフスタン」を意味します。「香」を「か」と読むのは訓読みですから、多少違和感を覚えなくもありませんね。 国土の西部に、ユーラシア大陸をアジア州とヨーロッパ州に分かれるウラル山脈の一部が連なっており、正確にはアジアとヨーロッパにまたがる国です。 世界初の人工衛星スプートニク1号や、人類で初めて宇宙にでたガガーリンを載せたロケットの打ち上げなど、ソビエトのかつての栄光の舞台となったバイコヌール宇宙基地は、実はカザフスタンにあります。 |
第3位「錫」
3位には「錫」が選ばれました。こちらは「スリランカ」を意味する漢字です。ただし、スリランカの漢字表記の一部ではなく、古くからの呼び方「セイロン」の漢字表記「錫蘭」の一部。 そんなスリランカといえば有名な仏教国ですが、インドからガンダーラや中央アジアなどを経て日本などの東アジアに広まった大乗仏教ではなく、上座部仏教を信奉しています。 タイやカンボジアなどの東南アジアの仏教国の仏教は、スリランカから伝わったとされています(中国から大乗仏教が直接伝わったベトナムを除く)。スリランカから登録された世界文化遺産「アヌラーダプラ」も仏教の聖地です。 |
第2位「叙」
2位は「叙」がランクインしました。これは「シリア」を意味する「叙利亜」の一文字漢字です。正確には、シリア・アラブ共和国といいます。 |
現在でも、内戦がおこっていたり、イスラエルほかの中東の国々との争いが絶えない同国。しかし、一方で古代より栄えていたため、多くの歴史的に価値のある遺跡も数多く存在します。
なかでも、古都ダマスクス、パルミラの遺跡、古代都市ボスラ、古都アレッポ、クラック・デ・シュヴァリエとカラット・サラーフ・アッディーンシリア北部の古代村落群という6つの世界遺産が有名です。
第1位「尼」
第1位には「尼」が選ばれました。実は「インドネシア」のことなんです。これは、漢字表記の「印度尼西亜」の頭文字の「印」がすでにインドのことを表すために使われているため、中間部分の頭文字「尼」が採用されています。 インドネシアは、実は世界一イスラム教徒の多い国。そして、トバ火山、タンボラ火山・クラカタウ火山など人類史上に影響を与える巨大噴火をした火山が存在すことでも有名です。 |
以上はあくまでも「漢字一文字で書くとわからない国」であったのだが、1年前には10位であった「烏克蘭」が今年再度アンケート調査をすれば第1位になるかもしれないが、ひまわり畑が広がる「ウクライナ」の春は当分は望めそうもない、とオジサンは思う。