破格の投資を提示してトランプを怒らせず意気揚々と帰国した石破茂だったが、その翌日にはこんな記事がでていた。
「トランプ氏「例外なく25%」 鉄鋼・アルミに関税…日本へ影響は?」
すべての国に対して25%。トランプ大統領が発表した次なる関税は鉄鋼とアルミニウムでした。日本には、どんな影響があるのでしょうか。 ■鉄鋼・アルミに関税 日本へ影響は?(略) 素朴なネット民の声 |
まあ、トランプから見れば日本も決して特別視なんかしていないといったところか。
最も、トランプから見ればアジアの最大の脅威は中国なのだが、中国はそれほど意識はしていないようである。
「もはやアメリカを脅威とみなさず。中国が「トランプ2.0」の動きを静観している理由」
■トランプの狙いは何なのか。火蓋切られた米中貿易戦争 貿易戦争に勝者はない──。 ドナルド・トランプ米大統領が2月1日、メキシコとカナダ、中国からの輸入品に新たに関税を課す大統領令に署名した。これを受けて、世界に大きな衝撃が走った。 冒頭のセリフは、関税の対象となった国々や、これから課されることが予告された国・地域、または関税の影響を避けられない国々の政治家らが口々に唱えたものだ。 バイデン前政権下で激しさを増した米中対立のなかでは、まるで中国の専売特許だった警句を、いまでは多くの国の政治家が繰り返すようになった。これもトランプ効果と呼ぶべきだろう。 同時にこの言葉が合言葉のように世界に広がったのは、米中対立の様相が変化したことも象徴している。 実は、アメリカの対中攻勢は、前政権との違いだけでなく、前回のトランプ政権(トランプ0.1)時と比べても大きく変わってきているのだ。 まず、バイデン政権時との比較だ。本メルマガの読者には既知のことだが、バイデンは特定のハイテク分野で徹底した中国排除を、同盟・友好国と連携して実行するという手法を用いた。それがいま、同盟・友好国、敵対国の区別なく関税を駆使してアメリカは自国利益の追求にまい進している。 米紙『ニューヨーク・タイムズ』が2月2日付の記事で、トランプ政権の選択を「史上最も愚かな貿易戦争」と表現したのは、アメリカ国内にも関税の混乱が及ぶことや、同盟・友好国との信頼関係さえ傷つけてしまいかねないことを懸念したからだ。 トランプが、自ら「タリフマン」と公言する「関税」によって何を成し遂げようとしているのか。 トランプ自身、1月31日の記者会見で、〈「一時的、短期的な混乱はあるかもしれない」と認めている。だがその一方で、「関税によってわが国はとても豊かに、とても強くなる」と強調〉(CNN)している。 関税が目的なのか、一般的に言われる「ディール」の一種なのか。 少なくとも2月4日に予定されていたカナダとメキシコの輸入品に対する一律25%の関税措置は、両国の反応に満足し、で1カ月間延期された。 中国からの輸入品に対する一律10%の追加関税は、2月4日から予告通り実施されたが、越境EC業者をターゲットにした小包向けの「デミニミス」免税措置(800ドル未満の小包を対象とした関税免除=少額小包免税)の廃止は、わずか1日で撤回された。 カナダとメキシコのケースは、両政府が国境警備を強化し、アメリカに流入する移民やフェンタニルを防ぐことに予算を付けたことが評価されたと伝えられる。 中国のTemuやSHEINを狙ったとされる少額小包免税は、もともと「小包大量流入は監視が難しく、違法品や危険物が含まれている可能性がある」(Bloomberg)ためだとも説明されてきたので、フェンタニルとの関係が取り沙汰されている。 ホワイトハウスのカロリン・リーヴィット報道官も、「トランプ大統領は、中国がアメリカ国内にフェンタニルを流通させることを許すつもりはない」と語り、「過去4年間、中国が前例のない形でフェンタニルをわが国国境に流通させたことに対する報復関税だ」と断じている。 ■即座に打ち出した対抗措置。際立っていた中国の反応 つまり、素直に考えれば関税発動の裏にはフェンタニルがあると理解されるのだ。 だが、国境対策の強化にいち早く動いたカナダとメキシコに比べ、中国の反応は際立っていた。 フェンタニル問題で何の動きも見せなかったどころか、即座に対抗措置を打ち出したからだ。 そもそも中国はフェンタニル問題で外国にできることは限られているとの立場だ。 顕著なのは中国公安部の反論だ。 (中国は)米国側の要請に応じて、2019年に世界に先駆けて正式にフェンタニル類物質を規制対象に加えた。しかし米国はいまだに規制対象としていない。中国が規制対象にした後、米国側から中国由来のフェンタニルを押収したという通報を受けていない。 フェンタニル危機の根源はアメリカ自身にあり、国内の麻薬需要を減らし、法執行協力を強化することこそ根本的な解決策だ。他国に責任を押しつけても真の解決にはならない。それどころか麻薬取締分野における中米の協力と信頼を損なうことになる。 (2月2日) つまり中国はアメリカが本気でフェンタニルに取り組んでいるとは考えておらず、これも対中プレッシャーの単なる道具の一つとみているのだ。 実際、カナダとメキシコが勝ち取ったのは1カ月間の延期に過ぎず、その場しのぎだ。 ましてや対中国の少額小包免税廃止の撤廃は、流通の混乱が思った以上に広がったことで調整を余儀なくされただけの話だ。 結局のところトランプが望む「中国に対する圧倒的な優位な立場なのだろう」を手に入れるまで中国への攻撃は収まらないのだ。 そして先に書いたように、今回の対中攻勢はトランプ「0.1」とは比べようもないほど練られているのだ。 少額小包免税廃止では不発に終わったが、中国の痛いところを突く戦略だったことは間違いない。 トランプ政権の顔ぶれも「0.1」ではベテランで高官レベルの人材が多く登用されていたが、今回は若手中心で、政策提案よりもトランプの政策を忠実に実行するためのメンバーをそろえたと中国は受け止めている。 1月7日の記者会見でグリーンランドの買取に意欲を示したのはレアアースなど資源が目当てとされる。その野心はロシア・ウクライナ戦争の解決に絡み、ウクライナの持つ鉱物資源に言及したことで裏付けされた。 それらはいずれも中国との対立が深刻化した後のデカップリングを視野に、備えていると見ることもできるのだ。 だが、不思議なことに中国は、こうしたトランプ「2.0」の動きに一喜一憂はしていない。むしろ静観している。 それはなぜなのか。清華大学国際関係研究所のヤン・シュエトン名誉所長は米誌『フォーリン・アフェアーズ』に「トランプを恐怖とみなしていない」と書いているが、その理由として「1期目から多くを学んだ」からだと解説している。 重要な指摘だが、加えてもう一つ見逃せないのは、長期的な対立は避けられないと中国が覚悟したと思われる点だ。中国は国際社会のなかで自らが取るべきポジションを定め、その点でも自信をもち始めている。 |
残念ながら中国ほどの自信はないような日本をこの御仁が鼓舞していた。
「本澤二郎の「日本の風景」(5433)」
<CIA+USAID=米世界戦略衰退・米軍基地縮小撤退> アメリカは変わる・世界も変わる・日本も変わる・アジアの世紀の好機到来であるのだが!永田町は、まだ気付いていない。 宇都宮徳馬の「アジアに立つ」(講談社)を思い出す。中国外交部長老の肖向前が繰り返し「日本はアジアに戻るべきだ」と筆者に叫んでいたことも。「アジアのリーダーは大平正芳だ。大平さんはアジアを代表する国際政治家」とも。 カルト神道・安倍の清和会崩壊を約束している。極右の時代は終わった。主権者である国民が目を覚ます時だ。 予想もしなかったトランプ改革が、ワシントンで本格的に動き出している。まさに命がけの大改革である。世界の警察官を任じてきた戦後のアメリカ帝国は、いまでは存在しないことが鮮明になった。CIA任せの日本操作は消える。自立する日本外交・米軍基地さよなら、本格的なヤンキーゴーホームの時代の到来であろう。 米国の国際開発庁の存在を全く知らなかった凡人ジャーナリストは、同時に愚民ジャーナリストだった!米国の世界戦略・日本操作のためのCIA要員が政府・言論界・政党・財閥・官界に巣食っているらしいことは、薄々感じてはいたが、カネで日本の為政者群を篭絡していたとは! 暗殺されたジョンFケネディが、宇都宮との会談で「米国の海外基地はよくない」と明かしていたが、その弟の長男がトランプ政権に閣僚入りし、すでに政治と官界と財閥の悪の巣にメスを入れているではないか。 <米国の終わりの始まり> 時は梅が咲く春である。北京も変わるだろう。ソウルでも生みの苦しみの最中ではないか。プーチン・ゼレンスキーの戦争屋も末期的であろう。 中東での殺し合いは、21世紀のホロコーストを象徴している。国際世論が封じ込めるだろう。敗戦後の世界を操ってきたワシントンの、鉄の蓋で覆われて人々の目を狂わせてきた世界戦略は、ご破算の時を迎えている。その反動も大きいだろうが、各国ともにもだえ苦しみながら乗り越えなければならない。 麻薬と暴力と路上生活から這い上がる道は、政財官の利権構造を無くすほかない。庶民大衆が主人公として生きられる、本当の民主主義を確立する時代の到来である。 <日本の言論統制操作=読売産経日経+NHKまでも> 「日米同盟が日本外交の基軸」と吹聴してきた自公体制の存続は危うい。まともな野党が大同団結すれば、日本も春を迎えることが出来る。言論統制下の日米同盟の闇は、ついに息の根を止めるしかないだろう。 ワシントンの闇の指示で動かされてきたような日本の言論界も、いま国民の批判を浴びている。ワシントン特派員が、日本の言論界を牛耳ってきた惡の華も幕を引くしかない。 |
さらには、最近の日本の悪しき風潮に対しては、こんな叱咤激励が飛んでいた。
「保守」を偽装するエセ保守界隈と日本人は決別せよ!【適菜収】」
■前近代に保守主義は存在しない 「人間の本性には不思議な力があるものだ」「われわれがほとんど希望を失ってしまったときにかぎって、われわれにとっては良いことが準備されるのだよ」とゲーテは言った。国は衰退、政治は腐敗、多くの人が絶望する中、いくつか明るいニュースがあった。 戦後最悪の総理大臣安倍晋三の妻の昭恵と深いつながりがあった森友学園に、国有地が格安で売却され、決裁文書が改竄された問題で、大阪高裁は、関連文書の存否を明らかにしないまま不開示とした、財務省の決定を取り消す判決を言い渡した。遅きに失するが、それでも第一歩である。まだ油断はできないが、少しずつでも世の中が正常化していくのはいいことだ。もっともこれ以上、落ちようがないだけかもしれないが。一昔前に情弱のネトウヨが「いつまで森友問題をやっているのか」などと言っていたが、これからやるのである。 1月30日、旧安倍派の会計責任者の参考人招致が、異例の野党による賛成多数で議決された。元会計責任者は「出席は差し控える。これ以上申し上げることはない」とする文書を出したが、これも第一歩である。いつまでも逃げ回るのは許されない。 * 産経新聞社が発行するタブロイド紙『夕刊フジ』が、2月1日付をもって休刊した。 * この30年でわが国が凋落した原因の一つに、知的混乱がある。自民党はそれを悪用し、プロパガンダにより、情報弱者を洗脳・動員することで、権力基盤を固めていった。その過程で自民党は変質。かつては少数ながらも党内に存在した「保守派」はほぼ壊滅。財界の手下やカルト勢力が政界に潜り込み、国に大きなダメージを与えるようになった。 * 安倍晋三という究極の売国奴・国賊を礼賛してきたのが周辺のエセ保守「文化人」だった。連中は安倍のおでこに「保守」「愛国」というシールを張り付けていたが、今では、新自由主義勢力、右翼、単なる反左翼、権力に阿(おもね)る乞食言論人、情弱のネトウヨ、卑劣なヘイトスピーカー、デマゴーグ、反日カルト、陰謀論者といった保守の対極にある連中が、白昼堂々と「保守」を自称するようになった。 近代の正確な理解がないところに保守主義は成り立たない。なぜなら、保守主義とは、近代理念の暴走を警戒する知的で誠実な態度のことであるのだから。よって、前近代に保守主義は存在しない。それがわからないと近代社会において発生する「大衆」の本質も、近代特有の病である「全体主義」も、近代国民国家(nation state)を成立させる原理であるナショナリズムもなにもわからないことになる。国家主義と国粋主義の区別がついていない人も多い。右翼と保守、新自由主義と保守の区別もついていない人もいる。これでは議論にならない。 * そもそも保守主義は「主義」とついているものの「主義」ではなく、逆に「主義」を否定する態度のことである。ここを最初に理解しないとすべて間違う。保守はイデオロギーではないので、「正しい考え方はこれだ」と掲げるような存在ではない。逆に、自分の正義に安住して思考停止することを戒める。自分の理性すら信用しない。人間は間違える存在だということを前提とする。 ■エセ保守・バカウヨを封じ込めよ! 先日私は、「哲学系ゆーちゅーばーじゅんちゃん」というYouTubeの番組に出演した。その動画のタイトルは《「保守」はなぜ単なるバ〇を意味するようになったのか》だった。 たしかに今の日本では、バカが「保守」を自称し、デタラメなことを言っている。さすがに危なすぎる状況なので、今回私は『「保守思想」大全――名著に学ぶ本質』(祥伝社)を上梓し、「近代の病」と戦った40人の思想家の言葉を引用し、保守の本質をまとめた。基本的に私の判断や意見はあまり入れずに、保守主義について考えるための必読書から文章を引用し、簡単な解説をつけた。 第一章「保守主義とは何か」、第二章「近代に対する警戒」、第三章「熱狂する大衆」、第四章「全体主義との戦い」、第五章「誤解されたナショナリズム」、第六章「歴史と古典」に分類したが、すべてが保守主義の本質の説明と密接に絡み合っている。 マイケル・オークショットが「リーダー待望論」を警戒したのはなぜか? エドマンド・バークがアメリカ革命を支持し、フランス革命を否定したのはなぜか? カール・マンハイムが近代以前の「保守的性格」と保守主義を混同するなと言ったのはなぜか? 福田恆存が保守主義を奉じるべきではないと言ったのはなぜか? マイケル・ポランニーが《通俗的科学主義》を批判したのはなぜか? 過去の賢者の議論をひとつひとつ丁寧に振り返れば、そこに共通するもの、つまり保守思想の本質が見えてくる。 * 情弱向けのエセ保守論壇誌などを読んでいると秒速でバカになる。たとえば、近代の構造の背後を暴露したフリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェが、保守思想の核心に接近したことも見えなくなる。近代の内部に排除と差別のプログラムが内包されていることを暴露したフランクフルト学派、知識人の中に《大衆性》を見出したホセ・オルテガ・イ・ガセット、教養のある人間でも集団になると《野蛮人》となることを指摘したギュスターヴ・ル・ボン、「世論」が制御できなくなる仕組みについて説明したガブリエル・タルド、大衆が《虚構》を求める構図について説明したウォルター・リップマン、《数値化・抽象》による人間性の否定を指摘したセーレン・キルケゴール、民主主義と平等化が「新しい形の専制」、すなわち全体主義を生み出すことを予言したアレクシ・ド・トクヴィル、市民社会の中からナチズムが発生した構図を説明したエーリッヒ・フロム、マクドナルドとナチスの類似性を指摘したジョージ・リッツァ、国家権力の危険性を指摘したフリードリヒ・アウグスト・フォン・ハイエク、資本が労働力の流動化を要請したから、前近代的な身分社会が破壊され、平等な人間による同質的な社会が生み出されたと指摘したアーネスト・ゲルナー、民族主義や復古主義の欺瞞を指摘した三島由紀夫、「真理の代弁者」を警戒したカール・ヤスパース……。 * その他にも、アイザイア・バーリン、山本七平、エリック・ホッファー、ハンナ・アレント、アントニー・D・スミス、ヨハン・ホイジンガ、折口信夫ら、保守思想を学ぶ上で欠かせない人物を紹介した。 保守思想をきちんと理解すれば、現在、わが国で跋扈する自称保守、エセ保守の類は、ほとんどが保守の対極にある社会のダニにすぎないことがわかるだろう。 |
我が国の最大の課題は、こんな「社会のダニ」をどのように駆除すればいいか、その処方箋がみつからないことであろう、とオジサンは思う。