新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

トランプのコントラスト効果に負けた日本

2019年08月27日 12時04分52秒 | 安倍外交


2015年、自身の公式ブログにて、LGBTの人々について「生産性のあるものと無いものを同列に扱うには無理があります。これも差別ではなく区別」と主張していた当時の次世代の党から立候補して落選した杉田水脈。
 
2年後には、第48回衆議院議員総選挙にあたって自民党の比例代表の公認候補として、比例中国ブロック17位で出馬し当選し細田派に入会し安倍晋三の覚えめでたい若手議員としてトンデモ発言に磨きがかかった。
 
その後2018年7月、「新潮45」2018年8月号に「LGBTのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子どもを作らない、つまり生産性がないのです」などと寄稿し物議をかもした杉田水脈。
 
そしてついにはフェイクツイートを飛ばすまでに「成長」していた。
 
杉田水脈議員の「住所さらし」ツイートは間違いだった 『扇動』責任の行方は
 
こうなると国会議員としての資質までもが問われる問題で、それならばと、ネット上には相変わらず「悪意に満ちたデマ」や出処不明情報」が乱れ飛んでいる。
 
当ブログでは8月に入り再三再四、来年の酷暑五輪に対してつぶやいてきた。
 
それに答えたわけではないが、こんな2つの記事が目についた。
 

「暴れる猛暑、護摩で調伏」 五輪期間中、祈祷師3千人配置へ
 20年に開催される東京五輪・パラリンピックの期間中、猛暑対策として全国から祈祷師3千人を招集し、都内各所に派遣する計画があることが19日までにわかった。かつて、国じゅうの祈祷師を総動員して敵国調伏の祈りをささげた例にならい、大会期間中の猛暑撃退をねらう。
 大会関係者が明らかにした。大会本番を来年に控え、今年は都内各所でテスト大会が行われているが、多くの競技で水質や体調など暑さに起因する問題についての指摘が相次いでいる。
 大会委員会では、傘と一体化した前衛的な帽子を製作したり、会場でかち割り氷を配布したりするなど、隙のない万全の暑さ対策を講じているが、追加策として全国から祈祷師を3千人程度招集し、気温を抑え込むための祈祷を都内各地で行うことを決めた。大会関係者は「念には念を入れる。言葉通りだ」と説明する。
 計画では、競技会場周辺を中心に都内2千カ所に護摩壇を設置。期間中は24時間不眠不休で護摩焚きを行う。燃え盛る護摩木の影響で、都内の最高気温は42度に達すると予想されているが、「気温調伏を強めに祈願すれば、護摩による上昇分は相殺できる」とみている。
 猛暑という「敵」を調伏できるかどうか本番まで分からない神頼みの状況だが、大会関係者らは概ね楽観的だ。「ピンチに陥っても最後に必ず神風が吹くのが日本の強み。猛暑も懸念も神風が吹き飛ばしてくれる」と口をそろえるが、「神風」の具体的な正体について言及する人は誰もいなかった。
 
 
涼しげな音色で酷暑乗り切れ 新国立競技場に巨大風鈴設置
 2020年の東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場横で建設が進められていた巨大風鈴の設置作業が13日に完了し、試験運用が始まった。来年夏に迫った大会を前に、早くも道行く人々に涼を振りまいている。
 巨大風鈴は高さ100メートルの強化ガラス製。昨年の酷暑をきっかけに起きた暑さ対策への懸念を払しょくするため、昨秋急きょ建設が決定した。設置工事は今年4月、新国立競技場横で開始。4カ月という短期間で完成させ、今夏の試験運用に間に合わせた。工事担当者によると「半径5キロ圏内に涼しげな音を響かせる能力がある」という。
 風鈴の建設費用は200億円。新国立競技場整備計画について検討した2015年に安倍晋三首相がカットを指示した冷暖房設備案なら100億円の追加投資で済んだが、今年12月の完成を優先させた結果、より高額な風鈴案を採用することになった。「当初1500億円を予定していた国の負担は8千億円を超えた。今さら100億円程度の増額は誤差の範囲内だ」と政府関係者は説明する。
 昼夜を問わず、都内に涼しげな音色を響かせ巨大風鈴は今月末までの試験運用。一度取り外した後、会場周辺の気温が何度下がったかを検証し、五輪開会直前に再びお目見えする予定だ。また大会後、ガラス製の外身と舌(ぜつ)はレガシーとして東京湾に沈め、漁礁として再利用する。
 風鈴近くに勤める会社員の男性(24)は「建設費を聞くだけで涼しい気分になれますね」と完成間近の競技場を眺めながら話した。
  
記事内容を読めば賢明な人はパロディ記事であると直ぐに気づくはずである。
 
このサイトはかなり名が知れている「虚構新聞」で上記の2つの記事もそこに含まれている。
 
過去には「現実化した記事」もいくつもあり、「虚構のような出来事」もあったという。
 
さて、「多くの成果は7月の選挙後まで待つ」「8月に素晴らしいことが発表される」と5月に来日した時のトランプのツイートと発言であったが、実際にはこの通りの展開で日米貿易交渉の結果が一部発表されたのだが、結果敵にはトランプペースであった。
 
協定の詳細は正式合意後に発表するというが、東大教授の鈴木宣弘氏(農政)は、「日本側が失うだけの協定」とこう話す。
 
「早期決着を求める米国の要請に応えて先行実施するものを決め、コメや乳製品は先送りされたが、再協議されるのは間違いない。米中貿易戦争で行き場を失ったトウモロコシの追加輸入の約束がセットされ、これも『TPP超え』です。一方で、米国は離脱前のTPPで約束していた普通車は25年後、大型車は30年後という気の遠くなるような自動車関税の撤廃合意さえ破棄するとしている。まさに差し出すだけです」
 
トウモロコシ追加購入に補助金 日米貿易首脳会談 理由の「害虫被害」わずか 年間輸入3カ月分275万トン
 
      
                 【東京新聞より】

米国産のトウモロコシは全てが「遺伝子組み換え」である。
 
当然、日本国内では処理することができず海外援助として輸出するという話もあるという。
 
そもそも、安倍晋三が「日本では害虫被害に悩まされており、民間に追加購入需要がある」と言っていたが、被害はそれほど広がっていない。
 
飼料用トウモロコシは年間約1100万トンを米国などから輸入しているが、国内では約450万トンを生産しているので、食害はごく一部で発生が確認されているだけであるという。
 
農水省はによれば「現時点では通常の営農活動に支障はない」(植物防疫課)としており、米国に約束した275万トンは日本のためではないことが明白になっている。
 
その他の交渉では、牛肉や豚肉の関税はTPPの水準内でおさまり、日本車に対する関税撤廃は見送りになった」というものの、端からTPPに反対していた農家はは納得できず、しかも一時は25%に引き上げるとトランプがハッタリかけていた自動車関税が2.5%でおさまったんだから上出来というのも、おかしな話である。  
 
このあたりのトリックを今朝の東京新聞「筆洗」はうまく言い表していた。
料理メニューを見るとコースは二つ。(1)お値打ちコース四千円と(2)満足コース五千円。どちらを選ぶか決め手がない▼二つのコースに(3)豪華プラン一万円を加え、三つのコースから選ぶとしたらどうか。こう設定すると(2)の満足コースを選ぶ人が増えるそうである。値の高いプランを加えることで(2)を安く感じる効果があるらしい。営業マンの「指南書」にあったが、コントラスト(対比)効果というそうだ▼日米首脳が新たな貿易協定の大枠で合意した。対日貿易赤字削減を叫ぶトランプさんの怖い顔を想像し、日本に厳しく迫るのではと思ったが、今、出ている内容を読む限り、穏当な決着になったように見える▼米国産牛肉、豚肉の関税を日本側はTPPの水準に引き下げる。米国がTPPに入っていれば当然そうなっていただろうと考えれば、日本の痛みをさほど感じない▼日本側が求めていた乗用車(2.5%)の関税撤廃は見送りとなった。それでも一時期、トランプ大統領が安全保障を理由に日本車を含む輸入自動車に25%の追加関税を加えると主張していたことを思えば、そんなことはなかった分、今回の合意がありがたく見えてくる▼あっ。これがコントラスト効果なのか。日本の要求はうっちゃられたのに上出来の交渉のように考えてしまう。しかも合意の全貌はまだ見えていない。ホッとするのは人が良すぎる。

 
まさに商売上手のトランプに、交渉ベタの安倍晋三が「トランプのコントラスト効果に負けた」ということであろう、とオジサンは思う。
 

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