またもや、おなじみの決して好ましくはない、見たくはない光景が衆議院法務委員会で繰り広げられ、予定通り「入管法改正案」が衆院を通過し、参院でも「Non Stop」で可決されることになる。
一応、大手マスメディアはそれなりの批判をしている。
「(時時刻刻)空疎な答弁、強引通過 「白紙委任法だ」野党は批判 入管法改正案」
【朝日新聞より】
ここには大きな2つの問題があり、一つは杜撰な法案であり、もう一つは委員会における審議過程、とりわけ政府側の極めて不誠実な答弁ともいえない応対振りであった。
こんな無茶苦なことを平気で行うような安倍政権にしたのは、残念ながら国民の一部であろう。その国民の一部(約30%)が現政権を支えている。野党8会派が束にかかっても議席の3分の1以下では全く抑止力にならない。少なくとも来年の参院選で「捩じれ」を起こすことを考えるべきであろう。 https://t.co/QoTdsam1dD
— 無職労オジサン (@649rouojisan) 2018年11月28日
「働き方改革関連法案」と同様、今回の「入管法改正案」も国民のための法律ではなく、経済界の要請を受けての、安倍晋三首相の延命策ともいえる代物である。
既に言い古されていることだが、瀕死状態の「アベノミクス」の3本目の「成長戦略」実現を財界から求められての悪法といえよう。
安倍政権が「70年ぶりの抜本的な見直し」と位置づける漁業法改正案が27日の衆院農林水産委員会でも、成立を急ぐあまりの拙速ぶりを批判されている。
「漁業法改正、野党「拙速だ」 規制緩和の内容懸念 70年ぶり見直し」
漁業法第1条にあった「漁業の民主化」といった文言がなくなり、新たに「国民に対して供給する使命」などが盛り込まれたことにより、野党幹部は「産業政策だけの法律になってしまう」と指摘していた。
TPPの時と同様、衰退する第一次産業は選挙の票にはならないので、外資に売り渡そうという意図が透けて見える。
公営事業を外資に売り渡す法案は、実は、余りメディアも騒がないうちに衆院を通過している。
今月の10日には、こんなショッキングなタイトルの記事が出ていた。
「民営化で料金5倍に? 『水道水』がコーラよりも高くなる日」
記事の中で、「自分の実績づくりのために、市民の命に関わる重要な水道事業を十分な説明もないまま勝手に民営化させる。安倍独裁体制の最たるものです」と政治評論家の山口朝雄は批判していた。
#報ステ
— 但馬問屋 (@wanpakutenshi) 2018年11月26日
“水道法改正案”
福島みずほ議員
「諸外国でさんざん問題になっているのに、なぜ日本で水の民営化なのか?」
安倍首相
「公の関与を強化した仕組みで、民営化ではないとはっきり申し上げておきたい」
コンセッション方式とはいえ、民間に運営権を持たせるのだから、民営化だろうが?? pic.twitter.com/dy61Cz7zQC
https://t.co/chbU83XKul
— Dr.サキ (@XKyuji) 2018年11月27日
水道法改正案の議論が参議院で始まった。民間に運営を委ねようとしている。海外で失敗している民営化。パリでは水道料金が265%上昇し市民の暮らしを圧迫し、再び公営に戻している。日本は海外の失敗例をなぜ学ばないのか。水は命の砦。水道事業の金融ギャンブルを許せない。
水道管の劣化に対応できず、事業そのものが原価割れで赤字の水道事業の課題に、国が自治体に丸投げし、更にハイエナ外資に丸投げされ、生活者全員の負担にされる水道民営化法案は、傾いた日産がゴーンに改革→リストラの丸投げや消費税の構図と実は同じ。国は責任取らず()https://t.co/DnQmvdVtXu
— ??日銀筆頭株主ロスチャイルド?? (@RothschildBoJ) 2018年11月27日
「名言ハンター」と呼ばれるライターの大山くまおが、「オウム死刑執行とW杯に埋もれた『水道民営化』問題の“重要発言”まとめ」と題して、今までの問題発言をまとめていた。
W杯での日本代表の活躍に湧き、オウム真理教の松本智津夫被告ら7名の死刑執行に驚かされた7月第1週だったが、7月5日、水道事業の運営権を民間に売却できる仕組みを導入することなどが盛り込まれた水道法の改正案の採決が衆院本会議で行われ、自民・公明両党と日本維新の会と希望の党などの賛成多数で可決された。 |
その翌日の7月6日には、「この水道は全て国営もしくは市営・町営でできていて、こういったものを全て民営化します」と「水道民営化」の口火を切ったのは、フランス大手水道会社ヴェオリアジェネッツの幹部を娘婿に持つ麻生太郎副首相兼財務相。
麻生はすでに5年前の2013年4月にアメリカのシンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)で行われた講演で、「この水道は全て国営もしくは市営・町営でできていて、こういったものを全て民営化します」という発言をしていたのである。
その当時、竹中平蔵パソナグループ取締役会長も同年6月3日には、「国や地方などの公的部門がインフラの運営権を売却しその対価を得れば、それは間違いなく財政に貢献する」と日本経済研究センター研究顧問としてレポートしていた。
今年になってからは、2018年1月13日には、御用学者の高橋洋一嘉悦大教授が、「水道の民営化は欧州で歴史がある。現在も5~6割以上で民営化されている。さすがにそこまで民間比率が高くなると、変な民営化の事例もなくはないということだ」と言いながらも、「(水道民営化への)批判の根拠とする海外事例も極端なものばかりだ」と反論し「外資乗っ取り懸念は杞憂だ」と明言していた。
「入管法改正案」や「漁業法改正法案」はすべての国民に直ちにその影響が及ばすことはないが、「水道法改正案」は全ての国民の生活や命にまで及ぼす危険性がある。
自由党の山本太郎は、「人間が生きる上で二番目に大切なもの」として「「ライフラインは、水道は国民の命の源ですよ。これを税金でしっかりとやっていく、この最低限の憲法二十五条とつながった部分は国が責任を取るというのは当然のことです」と2017年3月15日の参院予算委員会で麻生太郎に向かって諭すように言っていた。
一部の政治家や財界人の私利私欲のために国民の生命線を脅かすような法案は決して許してはならない、とオジサンは思う。