「森友学園・加計学園」そして「安倍・麻生道路」と3回も「忖度」が問題になるのは、決して偶然ではない。
ゴキブリは1匹見つけたら100匹はいるというが、安倍政権では、日常的に「忖度」が行われ、安倍晋三首相のために利益誘導がされているということを、バカ正直者の塚田一郎元国交副大臣がが無邪気に「忖度」を口にしたお蔭で明るみになった。
「モリカケに続く3度目の正直 国民は『忖度』で騙されない」(日刊ゲンダイ)
「通称『安倍・麻生道路』には、地元でも必要性が疑問視され、採算が合わないのではないかと懸念する声が上がっていました。すでに関門橋と関門トンネルがあるうえ、総事業費は2000億~2700億円と巨額ですからね。人口が減少し、関門橋と関門トンネルの利用台数も減少傾向です。なのに、なぜ国の予算がつくのか不思議に思われていた。その答えが忖度だったのなら納得です。10年前に凍結された公共事業がゾンビのように復活したのは、なにか裏があるのだろうと思っていました。昨年10月に国交副大臣に就任した塚田氏は、2019年度予算の編成に関与している。予算をつけることも可能だったはずです」(ジャーナリストの横田一)
「森友事件や加計疑惑、さらに今回の“下関北九州道路”への予算づけは、氷山の一角だと思う。恐らく、国民が気づかないだけで、安倍首相の利益を図るために、日本全国で“忖度”が行われているはずです。忖度の最大の問題は、ムリなことを押し通すために行政を歪めることになることです。もし、誰もが正しいと考える政策なら、安倍首相も堂々と閣僚や役人に指示を出せるから、周囲は忖度する必要がない。忖度が必要になるのは、さすがに安倍首相も表立って指示することははばかられる怪しいことを実行しなければならないからでしょう。森友事件しかり、加計疑惑しかりです。3度も忖度が問題になるのは、いかに安倍政権が国民には言えない政治をしているかの裏返しですよ」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
「どうして安倍政権の6年間で、これほど“忖度政治”が進んでしまったのか。理由は、安倍首相の利益を図るために忖度すれば、たとえ不正なことに手を染めても優遇され、出世できるからです。典型が財務省の理財局長だった佐川宣寿氏です。国会で嘘をつき、公文書を改ざんまでしたのに、国税庁長官まで上り詰めた。国家権力が働いたのか、逮捕もされず、起訴もされなかった。恐らく、多くの官僚と政治家が、最高権力者に忖度すれば、出世もでき、身も安泰だと考えているはずです。逆に、忖度しなかった文科事務次官だった前川喜平さんは弾圧されてしまった。政治家も役人も、国民ではなくトップの顔色しか見ていない。この国の政治行政は、根腐れしはじめていると思います」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)
「加計疑惑で福島瑞穂議員に追及された安倍首相は、こう答弁していた。
「私や家内がバックにいれば役所が何でも言うこと聞くんだったら、長門市と私の地元、予算全部通っていますよ」。(2017年3月13日、参院予算委員会)
息を吐くようにウソをつく安倍首相らしい答弁だった。実際、予算はついたのだから。」
「『安倍‐麻生道路の早期実現を図ること』首相が国交相に要望 極めて異例」
必要のない事業でも最高権力者のためであれば、霞が関は動く。この間、国家を揺さぶってきた森友、加計、統計偽装と同じ構図である・・・
— 田中龍作 (@tanakaryusaku) 2019年4月9日
新記事『「安倍‐麻生道路の早期実現を図ること」首相が国交相に要望 極めて異例』https://t.co/o6vL6Gzqyo
こんな安倍政権への鉄槌は善良な有権者によって参院選に明確に下されるであろう。
さて、この問題の責任は一体誰が取るのであろう。
週刊ダイヤモンド編集部・岡田悟記者が豊洲市場に関して、移転4か月前と移転後について精力的にレポートしてきた。
「豊洲市場、移転まで100日を切っても残る『5つの大問題』」
■問題1:仲卸業者の店舗スペースが使い物にならない
■問題2:車両での移動が危険すぎる
■問題3:「コールドチェーン」構想は崩壊
■問題4:地下水位が下がらない
■問題5:移転反対派の仲卸業者が、築地での営業権を主張
もちろん、この5大問題は一切解決されずに、昨年の11月には豊洲市場は開場した。
その後も岡田記者は精力的に豊洲市場内をくまなく調べていた結果がこれであった。
「豊洲市場オープン後の隠れた惨状、小池都知事は見たくなかった!?」
◆1.歩道や通路が発泡スチロールの箱で埋まる
◆2.ターレの荷台でマグロを解体?
◆3.屋外で盛大に荷物を積み下ろし
◆4.建物の4階は“震度3”
◆5.トイレの汚水が路上で噴出した可能性
そして構造的な問題から遂に死者がでてしまった。
第一報は共同通信の「警視庁によると、8日午前0時すぎ、東京都江東区の豊洲市場で、運搬車「ターレ」を運転していた50代の男性がエレベーターの扉に挟まれた。男性は病院に運ばれたが死亡が確認された。」という簡単な内容であった。
続いて、過去の事故に触れて、
「運搬車『ターレ』を運転中の男性(50)が荷物搬送用エレベーターの扉に挟まれ、死亡する事故が起きた豊洲市場(東京都江東区)で、昨年10月の開場以降、ターレの事故が相次いでいたことが8日、都への取材で分かった。
都などによると、昨年11月、ターレの荷台部に乗っていた女性が走行中に転落し、その後死亡した。水産仲卸業者の男性従業員が運転しており、女性は敷地内のカーブを曲がる際に荷台から落ちたという。
今年2月にはターレがエレベーターの扉にぶつかり、運転手が負傷する事故が発生。都は市場を利用する業者らに注意を呼び掛けている。」と、エレベーターの「壁」に単に挟まれたので、都が利用者に注意するというレベルであった。
これらを受けて大手マディアも調べ始め、エレベーターの扉が上下に閉まる構造であることが分かり、批判が起きた。
「豊洲市場でターレの男性死亡 エレベーターの扉に挟まれ」
上下に閉まるエレベーター?なんでそんなギロチンみたいなの作るのか?普通に左右に閉まる扉なら、助かってた筈。 ー豊洲市場でターレの男性死亡 エレベーターの扉に挟まれ:朝日新聞デジタル https://t.co/QAZ8FFyIY5
— 英語ノ窓 (@EnglishNomad) 2019年4月8日
以前から、豊洲市場の構造的な欠陥については至る所で警鐘を鳴らしてきた建築エコノミスト森山高至はこう指摘していた。
人を即死させるほどの危険な作動力も疑問だが、安全装置や反転センサーが付いていないのも疑問?→ターレ運転手、エレベーターに挟まれ死亡 豊洲市場 https://t.co/6VVy9rlooJ @zakdeskさんから エレベーターの扉に挟まれた。頸椎や下顎が折れており、病院に運ばれたが死亡が確認された。
— 建築エコノミスト森山 (@mori_arch_econo) 2019年4月8日
東京都は「締まりかけたエレベーターへの乗り込み方のせい」と責任回避しようとしていますが、日本中どこにでもあるオフィスやマンションのエレベーターでは締まりかけてから、扉の木口の反転装置を押さえ込んで乗り込む人だらけでしょう。いきなり即死するような豊洲市場の装備が異常なんです。 https://t.co/LBiSsq8DWq
— 建築エコノミスト森山 (@mori_arch_econo) 2019年4月8日
乗り込む車両の高さや、荷物の高さがある倉庫の場合の貨物用エレベーターなら、横開き扉を採用するでしょうね。なぜ、そうしなかったのか?疑問。 pic.twitter.com/khDIzqWhWc
— 建築エコノミスト森山 (@mori_arch_econo) 2019年4月8日
そしてまるで他人事のようなコメントが東京都と豊洲市場協会から出されていた。
あたかも「場内の交通ルール」を守らなかったことによる死亡事故が起きたという「事故責任」を「自己責任」転嫁するつもりなのか。東京都と豊洲市場協会からの、死亡事故についての声明が届きました。 pic.twitter.com/U4S3U1SbGG
— 豊洲市場担当記者@日刊食料新聞 (@nikkan_toyosu) 2019年4月8日
それにしても、半年で2人の死亡事故とは異常である。
諸悪の根源は、豊洲に移転する前から指摘されてきた「5つの問題」の解決策を見いだせないまま移転を強行し、その後の運用状況で発生していた不具合に対してもなんら対策を怠っていたということであり、東京都と豊洲市場協会の責任であるということは明らかではないだろうか、とオジサンは思う。