昨日、「『もはや埋め立てはやめ』、『計画断念し代替策探れ』が沖縄県民の民意」の中で、在京主要紙の社説を紹介する際に、「朝刊の在京各紙の社説を見ると、安倍政権広報紙と政権擁護紙の2紙はまったく音沙汰無といった按配であった。」とつぶやいた。
一般紙も同様の比較チェックを行っていたが、どうやら「政権擁護紙」はそれなりの社説を出していたようである。
「県民投票、沖縄2紙は『民意示された』 全国紙は評価大きく分かれる」
【毎日新聞より】
とりわけ、販売部数での影響力の大きさから、特に讀賣新聞の県民投票結果の報道の仕方には批判が多かった。
「できるだけ報じたくない。読売の本音が透けて見えた沖縄県民投票」
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・・・前略・・・
またまた《読売》には恐れ入った。1面トップには《読売》得意の医療ものコラムの第1回を持ってきている(「安心の設計」)。
続いて違和感をもったのは、《朝日》が72.15%としている「反対」の投票率を、《読売》が71・73%としていること。これは、《読売》が母数に「無効・その他」の3,506票を含めているから。《朝日》は含めずに、3つの選択肢に投票した人の総計を100%として計算している。《朝日》にせよ《読売》にせよ、このようなケースでの無効票の扱いは一貫しているのか否か、分からない。少なくとも、両社の数字は違っていて、《朝日》が72%、《読売》が1ポイント低い71%としている事実を確認しておく。
今朝の《読売》はこの問題での関連記事も薄く、「できるだけ報じたくない」という本音が透けて見えるようだ。しかも、報じた中身は県民投票の意義を少しでも小さく見せようという努力の“結晶”とでもいうべきもので、そのエッセンスが昨日までに行われた全国世論調査の結果として2面記事に書き込まれている。もし、沖縄県民投票が先に行われていれば、おそらく全国世論調査に影響を与えただろう。投票結果が出る前に調査を終えることを、《読売》が意図したのではないかと想像するが、勿論、証拠はない。
「証拠」ではないが、見出しに現れた世論調査の「結果」なるものには、例えば「沖縄米基地『役立つ』59%」にせよ、「辺野古 賛成36%・反対47%」、そして内閣支持横ばい49%にせよ、沖縄県民を日本全体の世論とかけ離れた、「特殊」に追いやるような内容になっている。こうした調査を見て、自分たちは愚弄されたと感じる県民もいることだろう。沖縄への「米軍基地押しつけ」と「沖縄差別」を世論調査で表現したらこうなる、という見本のようなものだからだ。
3面の解説記事「スキャナー」は、投票率が全県選挙としては最低だった2014年衆院選並みであったこと、総数に占める反対票の割合が37.65%だったことを指摘。盛り上がりに欠け、説得力のない結果と腐している。そもそも、「人を選ぶ」公職選挙法上の選挙と、今回のように「意見を表明する」投票を、投票率で比較するのは間違っている。県民の有資格者は、一人一人、政府の政策に対する賛否を問われたわけで、これは、立候補した人の中から誰かを選ぶよりもしんどい作業。しかも、狭いエリアの住民投票ではなく、都市化された部分を含む人口140万人の島での県民投票。高い投票率を実現するのは大変なことだ。半数を超えたのは努力の賜だろう。
さらに、県民投票を前に土砂投入を強行し、あるいは《読売》自身も指摘しているように、運動を行わず、盛り上がらせない方向に努力した自公両党の努力の結果、投票率が下がったとも言えるわけで、それにも関わらず、総数の3人に1人が投票所に足を運んだ事実の重さというものも噛みしめる必要があるだろう。いずれにせよ、この先は、軟弱地盤を巡る闘争が繰り広げられることになる。《読売》の記者は設計変更を巡る裁判なども想定して、「日米両政府が早ければ2022年度の実現を目指している辺野古への移設と普天間飛行場の返還は、数年単位で遅れる可能性が高い」と、まるで沖縄県のせいで普天間返還が遅れると言いたいかのようだ。
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讀賣新聞の「反対」の投票率を少しでも低くしようとする悪あがきは、もちろん安倍政権の辺野古新基地建設を全面的に支援する姿勢を露わにしてしまったのだが、支持する安倍政権そのものも、選挙における国民の支持率は25%に過ぎないことは、讀賣新聞の読者以外には広く知られていることである。
「25%基盤安倍内閣に38%民意が突き付けられた」
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安倍内閣御用メディアや安倍内閣追従者は、すかさず、
「平成8年の県民投票では、アメリカ軍基地の整理縮小に有権者の過半数が賛成したが、今回の県民投票で『反対』に投票した人は38%程度となっている」
や
「投票率52% 広がり欠く」
などと唱えるが、全有権者の38%が反対票を投じた意味は限りなく重い。
自公の政権与党の2014年と2017年衆院総選挙での得票率は次のものだ(比例代表、全有権者に占める得票率)
2014年選挙
自民 17.4%
公明 7.2%
計 24.6%
2017年選挙
自民 17.9%
公明 6.7%
計 24.6%
となっている。
つまり、現在の自公政権は、主権者全体の4分の1を欠く者の投票によって成立した政権なのだ。
主権者全体の25%の得票を得ていない。
自民党に限っていえば、主権者全体の17~18%、6人に1人の投票しか得ていない。
それなのに、自公の政権与党は国会議席の3分の2を占有している。
安倍首相はこの国会議席にあぐらをかいて、傍若無人の暴走政治を続けている。
国政のこの現状を踏まえたとき、沖縄県民の38%の人々が辺野古埋め立て反対の意思を明示した意味は限りなく大きい。
この38%民意を無視するなら、主権者の25%の支持さえ得ていない安倍内閣存立の根拠は完全になくなると言うべきだ。
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さて、国会では勤労統計偽装の後遺症が次から次へと発症しているようである。
明らかに、官邸と厚労省がタッグを組んで、安倍晋三首相の関与をなんとか隠蔽しようと必死になっていることがうかがわれる。
昨日も、姑息な答弁修正が現れた。
なんでも検討会座長に送られたメールに書かれていた「委員以外の関係者」というのが当時の中江元哉首相秘書官ではなく、当時の厚労省統計情報部長だっと、まるで暴力団の組長の身代わりにチンピラを警察に自首させるような場面を見せつけられてしまった。
「勤労統計 官邸関与否定に躍起 厚労省『中江氏でなく姉崎氏』」
【東京新聞より】
過去に2年2か月間、国民年金保険料が未納であったことが発覚していた根本匠厚労相はハッキリと「中江氏のことだと思われる」と答弁してたことから、その発言後おそらく安倍晋三首相からかなりのプレッシャーがかかったのであろう。
さらには、総務省からは、驚くべき捏造怪文書が飛び出していた。
「『統計委員長 国会に協力しない』 総務省、無断で文書作成」
【故永田寿康議員()】原口一博衆院議員「統計問題等集中審議を求め総務委員会でも合意していましたが総務省大臣官房秘書課から高井筆頭理事に2月22日16時38分に以下のメール」#kokkai 渡辺周衆院議員の質問で西村清彦統計委員長を名乗る「怪文書」「偽メール」と判明してしまう
— ??陸幕戦隊 別班マン?? (@beppanman) 2019年2月25日
これ、ヤバくね?…() pic.twitter.com/VDAtWqyrHb
「西村氏の名を騙って文書をねつ造」とでもタイトルをつけるべき.
— ごはん (@gohan2402) 2019年2月25日
「独断」で文書、野党に提示=後に修正、陳謝-総務省(時事通信) - Yahoo!ニュース https://t.co/KyLjgQfO6U
「モリカケ疑惑」・自衛隊日報隠蔽・裁量労働制データ捏造などと同様、例え今回の不正統計アベノミクス偽装に政府が関わっておらす、勝手に官僚が忖度しまくり個人でやってるとしても、「官僚の暴走」を止められないという1点だけでも安倍内閣は機能不全になっているといえよう。
「政府は関係ない」と言いながらこうして真実の解明をしようとしない行為を繰り返せば、「政府の関係を疑う」疑惑が大きくなり続けていくのは当然である、とオジサンは思う。