昨日の沖縄県の県民投票。
出口調査では早くも賛成が多数という結果が出たのだが、問題は投票率と反対票の占める割合であった。
一時は、投票に不参加を表明していた市長らは、「沖縄県民を分断する」から投票事務を行わないなどと抵抗していた。
確かに辺野古新基地建設に対して「反対」と「賛成」が拮抗していれば「分断」という言葉も真実味を帯びるが、現実は明らかに沖縄県民の大いなる民意を表していたということであろう。
【沖縄取材】県民投票を受け、玉城デニー知事が会見。冒頭発言。 #ss954 #沖縄県民投票 pic.twitter.com/X1e32OkHae
— 荻上チキ・Session-22 (@Session_22) 2019年2月24日
賛成 114,933 (得票率19.1%)
反対 434,273 (得票率72.2%)
どちらでもない 52,682 (得票率8.8%)
朝刊の在京各紙の社説を見ると、安倍政権広報紙と政権擁護紙の2紙はまったく音沙汰無といった按配であった。
■朝日新聞「沖縄県民投票 結果に真摯に向きあえ」
■毎日新聞「『辺野古』反対が多数 もはや埋め立てはやめよ」
■東京新聞「辺野古反対 沖縄の思い受け止めよ」
沖縄地元紙では具体的な社説の見出しであった。
◆沖縄タイムス「辺野古『反対』7割超]計画断念し代替策探れ」
◆琉球新報「県民投票で反対多数 埋め立て直ちに中止せよ」
少なくとも安倍晋三が、「沖縄の思い受け止め」て、「結果に真摯に向きあ」うことはありえない。
「(時時刻刻)辺野古移設、明確な『NO』 43万票超、知事『極めて重要な意義』 県民投票」
◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇
■共感広げる工夫必要
東北大大学院の河村和徳准教授(政治学)の話 沖縄には、民意を示す機会もなく基地が造られた歴史がある。今回の県民投票は、日米両政府の基地政策に「多くの住民が反対している」ことを示し、問題を提起するアピール型の住民投票で、民意が可視化されたといえる。ただ、基地政策は議会制民主主義で選ばれた政権が、国全体の安全保障を考えて方針を決めている。今回の県民投票の結果を実際の基地政策に反映させるには、与党の国会議員や国民全体に、沖縄の民意への共感を広げる工夫が必要と考える。
■無視すれば反発拡大
沖縄国際大の野添文彬准教授(日本外交史)の話 沖縄県民は1996年の県民投票で米軍基地の整理・縮小を求める民意を示した。だが日米両政府は、それを顧みず、普天間飛行場の辺野古移設という「新基地建設」を進めようとしていると、多くの県民は受け止め、今回の県民投票につながった。県民の多数は日米安保に理解を示しており、今回の県民投票で示された辺野古移設反対の民意は、沖縄全体の基地負担から見ればささやかな要望だ。それを無視することは、安保や米軍基地全体への反発につながりかねない。
■抵抗支える法的根拠
明治大の大津浩教授(憲法)の話 国民主権を地域的に実現する制度が地方自治だ。国の意思に反するとしても、地方の切実な声を国は十分考慮しなければならない。有権者の意思に基づく国会や地方議会などが対話を重ねた結果のみが「全国民の意思」となる。今回の県民投票には「国に逆らっても無理」「いい加減にあきらめたら」という批判も漏れる。だが、投票結果次第では、知事の今後の抵抗を支える法的根拠にもなりうる。沖縄の抵抗は単なる「わがまま」ではなく、憲法はそういう地方自治のあり方を認めている。
◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇
【朝日新聞DIGITALより】
残念ながら、安倍政権ベッタリの人間からすれば、負け惜しみからなのか、こんな足し算を平気でやってのける非常識衆議院議員がいた。
私が申し上げてきた「投票率64%、反対票39万票以上」という基準は超えられず、勝利者の軍配をどちらに上げることもできない状況が生まれてしまう事となりました。
— 下地ミキオ (@mikioshimoji) 2019年2月24日
最終決着をつけるのは、やはり政治の力だと、改めて感じております
「どちらでもない」票を、「反対以外」の票に加えるという度し難い詭弁というのか、アホなたし算を平気でやってのけてしまう程の低能さ。県民投票が終わり、開票も終了しました。
— 下地ミキオ (@mikioshimoji) 2019年2月24日
「反対」43万4273票、「賛成」11万4933票、「どちらでもない」5万2682票、これに、投票に行かなかった55万余の県民を加えれば、「反対」は43万人超、「反対以外」が計71万人との結果になりました。 pic.twitter.com/e4WksijveY
この下地幹郎は沖縄一区、わずか 22.5% の得票率で比例復活しているのだが、その輩に投票しなかった77.5%の人数 + 投票に行かなかった人数を考えれば、どれだけの有権者が下地という人物を全力で議員にしたくなかったかが良く分かるというものである。
以下は、【県民投票結果まとめ】から一部を引用した。
市民投票権を奪おうとした5人組市長らと、そのおひざ元の結果。
これからは、全てのメディアが、辺野古新基地建設に関して報道する場合は、必ず、「沖縄の民意に反した」辺野古新基地建設という表現を使わなくてはならない、とオジサンは思う。
【付録】
いまから47年前、まだ新聞メディアがテレビメディアより強かった当時の権力者の醜態?
「佐藤栄作 退任記者会見 1972」
たしか岸井成格さんが佐藤栄作の退任記者会見の「テレビだけ」発言に逆に怒って退室をリードしたんだよね。こんな気骨を菅官房長官に対峙している記者クラブの皆さんにも望みたいものです。https://t.co/JWEiJ8lPQe
— akenanko (@akenanko) 2019年2月23日
昨今の内閣記者クラブの連中に、今は亡き岸井成格の爪の垢でも飲ませたい気持ちになる。