2月も終わり明日から3月になろうとしているのに、ますます怪しげな方向に進みそうなニッポン。
これは単なる「持論」ではなく「暴論」であろうという岩屋毅防衛相の発言。
「『沖縄には沖縄の、国には国の民主主義がある』 岩屋防衛相が持論」
「沖縄の民意というのは私どもしっかり受け止めないといけない」が、「一方、国も民主的に選挙された国会によって内閣が構成され、時の政権は日本の国の安全保障という大きな責任を負っているわけで、私どもはその責任もしっかり果たしていかないといけない」とは一体どんな神経を持ち合わせているのか。
極論すれば全国の自治体が民主主義に則って決めたことも、国はすべて否定、または無視することができると言っているようなもの。
確かに、安倍晋三首相の「真摯に対応」という言葉は、近々、「無視する」という意味でも使われるという閣議決定がなされる(?)かもしれない内閣の一員である防衛相の発言なので、閣内不一致ではないということだろう。
それにしても、身内の人間が責任者の「第三者委員会」が実は「忖度委員会」と呼ばれることになった厚生労働省の特別監察委員会はきのう、毎月勤労統計の不正調査問題に関する再調査結果を発表したが非難轟々であった。
大手マスメディアの反応は、揃って厳しい口調であった。
「(時時刻刻)統計不正、晴れぬ霧 隠蔽の意図、また認めず」
【朝日新聞DIGITALより】
「『記憶がない』政権の面々 統計問題、進まぬ真相究明」
【朝日新聞DIGITALより】
「クローズアップ2019 統計不正『厚労省の虚偽申述』 『重い悪質性』認定 監察委『隠蔽』には踏み込めず」
【毎日新聞より】
職員が事実に反すると認識していたなら故意犯だろう。許容範囲内と思っていたから組織的隠蔽でないなどお笑い草だ。https://t.co/OCVckHsUqL
— 福山和人 (@kaz_fukuyama) 2019年2月27日
【常習犯か2】調査もせず初めから結論ありきの「統計不正は組織的でない」の嘘が、厚生省のメールでばれた別監査委員会が、同じメンバーのまま、また「嘘はあったが、組織的という証拠はない」という、「組織的な」お笑い隠蔽文書をだした。エビデンスも自浄能力もゼロだ。https://t.co/TmBHSd30kI
— 金子勝 (@masaru_kaneko) 2019年2月27日
あらためて、特別監査委員会メンバーを晒しておく。
◆特別監察委メンバー
▽委員長=樋口美雄(労働政策研究・研修機構理事長)
▽委員長代理=荒井史男(弁護士)
▽委員=井出健二郎(和光大学長・会計学)
玄田有史(東京大社会科学研究所教授)
篠原栄一(公認会計士)
萩尾保繁(弁護士)
広松毅(東京大名誉教授)
柳志郎(弁護士)
▽事務局長=名取俊也(弁護士)
▽事務局員・参与=五十嵐康之(弁護士)沖田美恵子(弁護士)
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— 東京新聞政治部 (@tokyoseijibu) 2019年2月27日
「厚労省職員は統計方法などについてウソをついていた、でも不正を隠すつもりはなかったから『組織的隠ぺい』はない」-。再調査報告書はそう説明していますが、これって矛盾していませんか #統計不正 https://t.co/WuZf5ErfiJ
東京新聞は、「『隠蔽ない』根拠薄弱 定義厳格化で認定回避 統計不正 再調査報告」と分かりやすく解説していた。
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▼手心
「厚労省に手心を加える気持ちは一切ない」
監察委の樋口美雄(よしお)委員長は27日の記者会見で、こう強調した。
今回の報告書は、従業員500人以上の事業所をすべて調査するルールに反し、東京都でひそかに抽出調査を行ってきたにもかかわらず、厚労省職員が2015~16年、全国で全数調査をしていると有識者や総務省に伝えた行為を新たに「虚偽」と認定した。
しかし、前回の報告書で「不適切」と認定した行為を含めて、隠蔽とは認めずじまい。むしろ、隠蔽ではないという見立てを補強するような、当事者たちの証言を多く書き込んだ。
17年11月ごろ~18年1月ごろの間、担当室長から不正を明かされた政策統括官が、修正を指示したまま放置したことについて、「公表すべきである旨」を指示したつもりだったという本人の言葉を引用し、隠蔽の意図を否定。
18年1月、全数調査の結果に近づける補正処理をひそかに始めたことについても「正確な統計を公表するため」だったという証言を挙げ、隠蔽とまで認定できないとした。補正処理そのものを「適切」と評価さえしている。
▼うのみ
もう一つ大きな特色は、前回の報告書で触れていなかった「組織的隠蔽」の定義を詳しく、かつ厳格に説明している点だ。
「組織的」については「厚労相あるいはこれに準ずる地位にある者」が「違法行為等を認識」した上で「実行の意思決定」をした場合などと規定。今回の場合、次官や審議官へのヒアリングから判断して「上層部から指示されたと認めることはできない」とした。
現場の担当者間で引き継がれているような不正でも、幹部さえ知らなければ組織的でないという理屈は分かりにくい。幹部の証言をうのみにしている印象もぬぐえない。
「隠蔽」についても、報告書は「法律違反又(また)は極めて不適切な行為」を認識しながら「意図的に隠そうとする行為」と定義した。
15年6~9月の有識者検討会で同省の担当者が、東京都の抽出調査について把握しながら全数調査と説明したことについても、職員らが綿密な打ち合わせを行っていないことから、この定義に照らして「意図的に隠したとまでは言えない」と結論づけている。
▼信頼
樋口氏が理事長を務める厚労省所管の独立行政法人「労働政策研究・研修機構」は、運営に国費が充てられ、同省職員への研修を実施するなど関係が深い。樋口氏は国会に参考人招致された際も、機構理事長として出席したとして、検証に関する答弁を拒んだ。
特別監察委は前回の報告書をまとめる際、当事者へのヒアリングに厚労省幹部を同席させていたことが判明し、中立性を疑われた。弁護士3人でつくる事務局を新設し、厳正な検証を目指したが、信頼を取り戻せたとは言えない。
◆特別監察委員会の「組織的隠蔽」の定義
【隠蔽】法律違反又は極めて不適切な行為と認識しながら、その事実を意図的に隠そうとする行為
【組織的】団体の長(厚生労働相)、これに準ずる地位にある者が違法行為等を認識した上でその実行の意思決定をし、その意思に従って組織的に違反行為が行われた場合
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「幹部さえ知らなければ組織的でない」という理屈を作り出した背景には、おそらくこういうことを念頭に置いたのではないだろうか。
「たとえ総理秘書官や補佐官が行った不正行為でも、首相が知らなかったと強弁すれば、組織的ではない」ということになり、さらに実行担当者が「記憶を失えば」すべてが闇に葬ることができると。
もはやこんな茶番に対しては、思いっきり笑い飛ばすしかないかもしれない、とオジサンは思う。
「アクセス 統計標語募集で『大喜利』状態 総務省職員は……」
【毎日新聞より】
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