ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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[韓国] 修学能力試験の「日本語」をやってみました

2011-11-14 23:05:53 | 韓国語あれこれ
 先週11月10日韓国で修学能力試験(修能)が実施されました。
 日本のセンター入試に相当しますが、韓国ではもっと大々的な国家的行事といっていいでしょう。
 そのようすは、一昨年(2009年)11月15日の記事で書きました。そこでも記しましたが、修能が一大国家イベント化しているのは、過去の長い科挙の伝統があるのではないか、というのが私ヌルボの見解です。
 あ、昨年2010年11月18日の記事でも同じこと書いてたなー。進歩がない上に年ごとにパワーは落ちるばかりです・・・。

 さて、今年もその修能でどんな問題が出題されているか、数科目について見てみました。
 各科目の問題&正解は、→コチラのサイトで見ることができます。ハングルが現われなければ「表示」→「エンコード」→「韓国語」でOK。老婆心ながら。

 しかし、この科目数がハンパではありません。

[1時間目]言語
[2時間目]数理
[3時間目]英語


 ・・・まではいいとして、

[4時間目]社会探究=11科目(倫理・国史・韓国地理・世界地理・経済地理・韓国近現代史・世界史・法と社会・政治・経済・社会文化)
       科学探究=8科目(物理Ⅰ・化学Ⅰ・生物Ⅰ・地球科学・物理Ⅱ・化学Ⅱ・生物Ⅱ・地球科学Ⅱ)
       職業探究=17科目(農業情報管理・情報技術基礎・コンピュータ一般・水産海運情報処理・農業理解・農業基礎技術・工業入門・基礎製図・産業経済・会計原理・水産一般・海事一般・海洋一般・人間発達・食品と栄養・デザイン一般・プログラミング)
[5時間目]第二外国語・漢文=8科目(ドイツ語Ⅰ・フランス語Ⅰ・スペイン語Ⅰ・中国語Ⅰ・日本語Ⅰ・ロシア語Ⅰ・アラビア語Ⅰ・漢文)


 ・・・と、以上合計44科目! まあ全部受験するわけじゃないですけどね。

 私ヌルボ、一昨年・昨年に続いてまず満点が期待できる(?)「日本語」に挑戦してみました。昨年の問題は、今年1月17日の記事に書いたように<正解がわからないぞ~むずかしいぞ~>ということで、そらもう難儀しましたがな。(←瞬間大阪人)

 で、今回はなんとか満点。ヤター!

 「日本語」の問題は →コチラ
 正解は →コチラ で直接見ることができます。

 感想です。
 1月の記事で「問題文自体が日本文化を理解させようという内容になっている」と指摘しましたが、とくに今回はそうでしたね。たとえば次。「内容が一致するものはどれか?」という問題です。

     

 タクシーのドア問題は、逆に日本人にとっても韓国に行った時にとまどう代表的事例ですね。

 対話については下の問題。

     

 そうですそうです。日本人の方が世界標準からちょっとずれてるのかな? あいづち打ちすぎ。あ、正解は⑤ですよ。

 自国の表現につられると間違えてしまう例もいっぱいあります。

     

 私ヌルボも、お医者さんに「어떻게 오셨어요?」と訊かれたら「バイクで来ました」とかトンチンカンな受け答えをしちゃいそうだな、と最初に教わった時思いました。直訳すると「なんで(どうして、どのように)いらっしゃいましたか?」ですからねー。

 1つだけ少し引っかかったのが次の問題。

     

 正しい文を選ぶ問題で、正解の④はすぐにわかるとしても、③でもいいんじゃないの?と思う人もいるかも・・・。少しヘンですけどね。「買いたいのです」とすると正しいでしょう。微妙なとこです。

 そして、たぶん韓国の人にはむずかしいのでは、と思ったのが次の問題。

     

 韓国語では、たとえば「子どもにくれた本」と「子どもにあげた本」という日本語を直訳できない、と以前本(「箸とチョッカラク」だったかな?)で読みました。前者は「よその人が自分の子どもにくれた本」、後者は「私が自分の(他人でも可)子どもにあげた本」という意味です。
 だから、この問題文を韓国語に訳そうとすると、こら難儀やで~。(←瞬間大阪人その2)

関連問題:次の文を訳せ。
이름을 가르처 주라고 했습니다.
答(範囲指定するとあらわれます)→ 名前を教えてあげなさいと言いました。(「名前を教えてくださいと言いました」ではありません。)

 このように、自国と対照しつつ、日本文化の特徴を多く盛りこんだり、日本語自体についてもあいまいな表現等の特色を問題に取り入れたりしている点は、日本の外国語教育の場でもおおいに参考にすべきではないでしょうか?
コメント (6)
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