2つ前に<期待以上だったポン・ジュノ監督「スノーピアサー」を観て考えたこと。(ネタバレなし)>というちょっとだけネタバレありの記事をアップしました。思うに私ヌルボ、ポン・ジュノ監督作品についてはフツーの映画ファンより明らかに評価が高いですね。
1月14日の記事で紹介した「キネマ旬報」の作品賞ベスト・テン[外国映画]を再掲します。詳細は→コチラで見ることができます。。
①愛、アムール ②ゼロ・グラビティ ③ハンナ・アーレント ④セデック・バレ ⑤三姉妹~雲南の子 ⑥ホーリー・モーターズ ⑦ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日 ⑧ザ・マスター ⑨熱波 ⑩もうひとりの息子 <次点>嘆きのピエタ
「キネマ旬報 2月下旬決算特別号」にその採点表が載っていて、自分のベスト10(→コチラ)と比較してみるのも個人的には興味深いところです。
で、今回うれしかったのは、佐藤忠男先生と①セデック・バレ ②少女は自転車にのって が一致していたこと。一致していたことだけでなく、それが佐藤忠男先生であることがとくにうれしいところ。「④ハンナ・アーレント」と「⑥もうひとりの息子」もベスト10に入れているので、4/10が重なっています。それより多い5/10重なっているのが森卓也さんで、これまた結構。彼は①少女は自転車にのって ②ハンナ・アーレント ③もうひとりの息子 ⑥嘆きのピエタ ⑧セデック・バレ でした。
なお、60人以上いる審査員(外国映画部門)の約3分の1はヌルボのベスト10と全然重なる作品ナシでした。本当に、映画の評価というのは専門家の間でも大きく分かれるものです。
韓国映画を得点&順位の上位から拾っていくと、「嘆きのピエタ」(67点・11位)・「3人のアンヌ」(33点・31位)・「悪いやつら」(20点・49位)・「10人の泥棒たち」(6点・111位)・「王になった男」(4点・126位)・「建築学概論」(4点・126位)・で、2012より明らかに低調。私ヌルボの感触も同じでした。
この「キネ旬特別号」掲載の今年の外国映画の上映予定作のリストから、韓国映画をみてみると、けっこうたくさんあって、これはとても紹介しきれない・・・と思ったら、<アジア映画巡礼>の2月6日の記事「『キネ旬』情報<その2>2014年アジア映画公開予定作」(→コチラ)で韓国映画の上映予定21作品だけでなく、他のアジア映画についてもバッチリ掲載してくださっています。ホントにありがとうございます!
その韓国映画中、注目は「チスル」(3月下旬)、「観相」(6月)、ホン・サンス監督の「誰の娘でもないヘウォン」と「私たちのソニ」(ともに夏)、第26回東京国際映画祭でコンペティション観客賞を受賞した「レッド ・ファミリー」(秋)、それから「ソウォン/願い」といったところか。
済州島四・三事件を描いた「チスル」については、すでに公式サイト(→コチラ)ができています。
今年の<大阪アジアン映画祭>は3月7~16日。公式サイトは→コチラ。
韓国映画は、人気俳優ハ・ジョンウ初監督作の必笑スクリューボール・コメディ「ローラーコースター」と、チョ・ウンソン監督の恋愛コメディ「サンシャイン・ラブ」の2作品だけで、韓国映画ファンにはちょっとさみしい。今回は台湾映画が充実。「日本統治下の台湾で撮られた貴重な短編記録映画も上映」とのことで、その他のアジア映画も含めてここでしか視られないような作品も多く、私ヌルボ、行けるものなら行きたいところ。
先週も書きましたが、ユーロスペースで2月15~21日の<死刑映画週間>。詳細は→コチラ。私ヌルボ、韓国映画の「執行者」(2009)も含めいくつか観るつもりです。
★★★ Daumの人気順位(2月11日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
①もうひとつの約束(韓国) 9.7(1209)
②弁護人(韓国) 9.5(29943)
③イングリッシュ、ヴィングリッシュ 9.1(54)
④あまり者たちのヒッチハイキング(韓国) 9.1(93)
⑤怪しい彼女(韓国) 9.1(2225)
⑥アデル、ブルーは熱い色 8.9(89)
⑦あらしのよるに(日本) 8.8(132)
⑧ジャスティン 8.8(45)
⑨ブラック・ゴスペル(韓・米) 8.7(99)
⑩私はロランス 8.6(25)
大きく入れ替わって、新登場は①③⑦の3作品。
①「もうひとつの約束」が「弁護人」の上にきました。サムスン電子で働いていて白血病で亡くなったファン・ユミさんの実話を映画化した作品です。労災の認定を得るため被害者の家族が人々の支援を受け裁判を通じて告発するという内容は、今も韓国では<運動圏>の系譜をひく映画が力を持っているということでしょう。この映画の上映に際しては、上映館の確保をめぐっていろいろせめぎあいがあったようで、その件については<レイバーネット>の記事→1・2・3を参照のこと。この映画の原題は「또 하나의 약속」です。・・・しかし、日本でもたとえばブラック企業を糾弾する映画とか作れないものかな?
③「イングリッシュ、ヴィングリッシュ」(仮題)は、昨年9月の<あいち国際女性映画祭2013>で上映された監督も主人公も女性のインド映画です。ごくふつうのインドの主婦シャシの悩みは英語ができないこと。ある日ニューヨークに住む姉から姪の結婚式の手伝いを頼まれ、1人でニューヨークへ。しかしコーヒーも頼めず、意地悪な店員の態度にも悲しい思いをさせられてしまう。そんな彼女の目に飛び込んできたのは「4週間で英語が話せる」という英会話学校の広告。彼女は姉たちにも内緒で学校に通うことに・・・。教室には、英語が話せないいろんな生徒たちがいて、仲間とともに順調に英語を学んでいき、そして最終課題はスピーチ。彼女は何を話すのだろうか・・・。この映画、香港でも人気でロングランだったようですよ。またムンバイ在住の方(日本人)が→コチラのブログでとても深いコメントを書いていらっしゃいます。「インドの都市部で「英語を話せない人間」というのはイコール「高等教育を受けていない人間」と見なされる」とか。そんな「社会的に評価される機会のない家庭の主婦が自分の価値を見いだすために苦心している点が非常に共感できる」とのことです。うーむ、これは観てみたい!と思ったら、幸い今夏の日本公開が決定(タイトル未定)したとのことです。韓国題は「굿모닝 맨하탄(グッドモーニング、マンハッタン」です。
⑦「あらしのよるに」は日本では2005年公開。そんな前だったか。韓国題は「가부와 메이 이야기(カブとメイの物語)」です。
なお、⑨「ブラック・ゴスペル」は11月19日の記事で紹介しました。ソウルミュージックを学び、そして現地の人たちとにコンサートを開くというミッションの下に本場ニューヨークのハーレムへと向かった男2人と女1人の仲間のドタバタ音楽旅行を描いた韓・米合作のドキュメンタリーです。
【専門家による順位】
①インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 8.8(7)
②ゼロ・グラビティ 8.2(5)
③アデル、ブルーは熱い色 7.8(5)
④風景(韓国) 7.7(4)
⑤そして父になる(日本) 7.6(6)
⑤ある過去の行方 7.6(6)
⑦あまり者たちのヒッチハイキング(韓国) 7.3(3)
⑧弁護人(韓国) 7.2(10)
⑨マイ・プレイス(韓国) 7.1(6)
⑩ウルフ・オブ・ウォールストリート 7.0(6)
こちらも3作品が入れ替わりましたが、新登場は⑨「マイ・プレイス」だけです。
昨年の全州国際映画祭でも上映されたドキュメンタリーです。カナダへ移民した韓国人の一家=パク・ムンチル監督自身の家族が韓国に帰国してからの姿を描いた物語。とくに監督の妹は韓国になじめない上、シングルマザーになったことから父親との対立が深まるのだが、赤ちゃんの誕生と成長にともない克服されていく。また監督は、それまでの仕事を辞め、映画の道を選ぶ。そんな無数の選択の中で、家族たちは葛藤しつつも「私の席(マイ・プレイス)」を見つけるために生きてきた、その記録です。原題は「마이 플레이스」。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[2月7日(金)~9日(日)] ★★★
「アナと雪の女王」が再逆転して1位に
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(2)・・アナと雪の女王・・・・・・・・・・・・・・1/16 ・・・・・・・・・・1,170,483 ・・・・・・・7,793,158・・・・・・・62,307・・・・・・・・939
2(1)・・怪しい彼女(韓国) ・・・・・・・・・・・・1/22 ・・・・・・・・・・1,042,398 ・・・・・・・5,749,800・・・・・・・41,773・・・・・・・・768
3(3)・・男が愛する時(韓国)・・・・・・・・・・1/22 ・・・・・・・・・・・・212,021 ・・・・・・・1,755,152・・・・・・・12,904・・・・・・・・404
4(新)・・アイ、フランケンシュタイン ・・・・2/06 ・・・・・・・・・・・・186,870 ・・・・・・・・・230,885・・・・・・・・1,693・・・・・・・・376
5(33)・・もうひとつの約束(韓国)・・・・・・2/06・・・・・・・・・・・・・139,120 ・・・・・・・・・175,589・・・・・・・・1,274・・・・・・・・192
6(新)・・レゴ・ムービー ・・・・・・・・・・・・・・2/06 ・・・・・・・・・・・・106,126 ・・・・・・・・・113,423・・・・・・・・・・783・・・・・・・・317
7(7)・・ナット・ジョブ ・・・・・・・・・・・・・・・・・1/29 ・・・・・・・・・・・・・94,362 ・・・・・・・・・433,280・・・・・・・・3,016・・・・・・・・329
:ピーナツ泥棒たち(韓・カナダ・米)
8(5)・・弁護人(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・12/18・・・・・・・・・・・・・・75,094 ・・・・・・11,311,753・・・・・・・82,446・・・・・・・・302
9(4)・・血沸く青春(韓国) ・・・・・・・・・・・・1/22・・・・・・・・・・・・・・61,314 ・・・・・・・1,646,415・・・・・・・11,482・・・・・・・・289
10(6)・・朝鮮美女三銃士(韓国) ・・・・・・1/29 ・・・・・・・・・・・・・17,766 ・・・・・・・・・473,332・・・・・・・・3,422・・・・・・・・196
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
1・2位が今回もハイレベルの争いの結果、「アナと雪の女王」が「怪しい彼女」を再逆転。累積でも800万人の大台は確実に超えますね。「怪しい彼女」も600万人に迫っています。
今回の新登場は4・5・6位の3作品です。
4位「アイ、フランケンシュタイン」は、200年前にフランケンシュタイン博士によって生み出され、その名を引き継いだ人造人間アダム・フランケンシュタイン(アーロン・エッカート)が、不死者の一族同士の長年の戦争に終止符を打つため、たった1人で戦うというという物語。人造人間といってもブキミ系ではなく、鍛えあげられた筋肉が魅力的!みたいです。日本公開は未定のようです。韓国題は「프랑켄슈타인:불멸의 영웅(フランケンシュタイン:不滅の英雄)」。
5位「もうひとつの約束」は上述しました。こうした映画がこの順位までくるとは、組合等の組織の力だけでもなさそうです。
6位「レゴ・ムービー」は、アメリカ・オーストラリア合作の3DCGアニメ。レゴとは、あのプラスチック製の組み立てブロック。平凡な男のエメットはレゴの世界を救う特別な存在であると誤解され、平和なレゴの世界を壊そうとするおしごと大王と闘うことになる・・・。予告編(→コチラ)
を見たら、たしかにレゴの世界だ・・・。韓国題は「레고 무비」。日本公開は3月21日です。
【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・インサイド・ルーウィン・デイヴィス・・・・1/29 ・・・・・・・・・・・・16,235 ・・・・・・・・・・・・・69,408 ・・・・・・・・・542・・・・・・・・・60
名もなき男の歌
2(3)・・アデル、ブルーは熱い色・・・・・・・・・・・1/16 ・・・・・・・・・・・・・3,077・・・・・・・・・・・・・・42,445・・・・・・・・・・325・・・・・・・・・29
3(新)・・ドリーマーズ・・・・・・・・・・・・・・・2005/3/25 ・・・・・・・・・・・・・2,281・・・・・・・・・・・・・・31,000・・・・・・・・・・207・・・・・・・・・14
4(2)・・そして父になる(日本)・・・・・・・・・・・・・12/19 ・・・・・・・・・・・・・1,968 ・・・・・・・・・・・・113,997・・・・・・・・・・864・・・・・・・・・15
5(新)・・熱いトタン屋根の猫・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・680・・・・・・・・・・・・・・・4,729 ・・・・・・・・・・・・9・・・・・・・・・・1
3・5位が新登場です。
3位「ドリーマーズ」は2003年のベルトルッチ監督作品の再上映です。韓国題は「몽상가들(夢想家たち)」。
5位「熱いトタン屋根の猫」は、エリザベス・テイラー、ポール・ニューマン等が出演した1858年のアメリカ映画の再上映。韓国題は「뜨거운 양철 지붕 위의 고양이」です。(トタンは「양철(洋鉄)」というのか。)
1月14日の記事で紹介した「キネマ旬報」の作品賞ベスト・テン[外国映画]を再掲します。詳細は→コチラで見ることができます。。
①愛、アムール ②ゼロ・グラビティ ③ハンナ・アーレント ④セデック・バレ ⑤三姉妹~雲南の子 ⑥ホーリー・モーターズ ⑦ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日 ⑧ザ・マスター ⑨熱波 ⑩もうひとりの息子 <次点>嘆きのピエタ
「キネマ旬報 2月下旬決算特別号」にその採点表が載っていて、自分のベスト10(→コチラ)と比較してみるのも個人的には興味深いところです。
で、今回うれしかったのは、佐藤忠男先生と①セデック・バレ ②少女は自転車にのって が一致していたこと。一致していたことだけでなく、それが佐藤忠男先生であることがとくにうれしいところ。「④ハンナ・アーレント」と「⑥もうひとりの息子」もベスト10に入れているので、4/10が重なっています。それより多い5/10重なっているのが森卓也さんで、これまた結構。彼は①少女は自転車にのって ②ハンナ・アーレント ③もうひとりの息子 ⑥嘆きのピエタ ⑧セデック・バレ でした。
なお、60人以上いる審査員(外国映画部門)の約3分の1はヌルボのベスト10と全然重なる作品ナシでした。本当に、映画の評価というのは専門家の間でも大きく分かれるものです。
韓国映画を得点&順位の上位から拾っていくと、「嘆きのピエタ」(67点・11位)・「3人のアンヌ」(33点・31位)・「悪いやつら」(20点・49位)・「10人の泥棒たち」(6点・111位)・「王になった男」(4点・126位)・「建築学概論」(4点・126位)・で、2012より明らかに低調。私ヌルボの感触も同じでした。
この「キネ旬特別号」掲載の今年の外国映画の上映予定作のリストから、韓国映画をみてみると、けっこうたくさんあって、これはとても紹介しきれない・・・と思ったら、<アジア映画巡礼>の2月6日の記事「『キネ旬』情報<その2>2014年アジア映画公開予定作」(→コチラ)で韓国映画の上映予定21作品だけでなく、他のアジア映画についてもバッチリ掲載してくださっています。ホントにありがとうございます!
その韓国映画中、注目は「チスル」(3月下旬)、「観相」(6月)、ホン・サンス監督の「誰の娘でもないヘウォン」と「私たちのソニ」(ともに夏)、第26回東京国際映画祭でコンペティション観客賞を受賞した「レッド ・ファミリー」(秋)、それから「ソウォン/願い」といったところか。
済州島四・三事件を描いた「チスル」については、すでに公式サイト(→コチラ)ができています。
今年の<大阪アジアン映画祭>は3月7~16日。公式サイトは→コチラ。
韓国映画は、人気俳優ハ・ジョンウ初監督作の必笑スクリューボール・コメディ「ローラーコースター」と、チョ・ウンソン監督の恋愛コメディ「サンシャイン・ラブ」の2作品だけで、韓国映画ファンにはちょっとさみしい。今回は台湾映画が充実。「日本統治下の台湾で撮られた貴重な短編記録映画も上映」とのことで、その他のアジア映画も含めてここでしか視られないような作品も多く、私ヌルボ、行けるものなら行きたいところ。
先週も書きましたが、ユーロスペースで2月15~21日の<死刑映画週間>。詳細は→コチラ。私ヌルボ、韓国映画の「執行者」(2009)も含めいくつか観るつもりです。
★★★ Daumの人気順位(2月11日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
①もうひとつの約束(韓国) 9.7(1209)
②弁護人(韓国) 9.5(29943)
③イングリッシュ、ヴィングリッシュ 9.1(54)
④あまり者たちのヒッチハイキング(韓国) 9.1(93)
⑤怪しい彼女(韓国) 9.1(2225)
⑥アデル、ブルーは熱い色 8.9(89)
⑦あらしのよるに(日本) 8.8(132)
⑧ジャスティン 8.8(45)
⑨ブラック・ゴスペル(韓・米) 8.7(99)
⑩私はロランス 8.6(25)
大きく入れ替わって、新登場は①③⑦の3作品。
①「もうひとつの約束」が「弁護人」の上にきました。サムスン電子で働いていて白血病で亡くなったファン・ユミさんの実話を映画化した作品です。労災の認定を得るため被害者の家族が人々の支援を受け裁判を通じて告発するという内容は、今も韓国では<運動圏>の系譜をひく映画が力を持っているということでしょう。この映画の上映に際しては、上映館の確保をめぐっていろいろせめぎあいがあったようで、その件については<レイバーネット>の記事→1・2・3を参照のこと。この映画の原題は「또 하나의 약속」です。・・・しかし、日本でもたとえばブラック企業を糾弾する映画とか作れないものかな?
③「イングリッシュ、ヴィングリッシュ」(仮題)は、昨年9月の<あいち国際女性映画祭2013>で上映された監督も主人公も女性のインド映画です。ごくふつうのインドの主婦シャシの悩みは英語ができないこと。ある日ニューヨークに住む姉から姪の結婚式の手伝いを頼まれ、1人でニューヨークへ。しかしコーヒーも頼めず、意地悪な店員の態度にも悲しい思いをさせられてしまう。そんな彼女の目に飛び込んできたのは「4週間で英語が話せる」という英会話学校の広告。彼女は姉たちにも内緒で学校に通うことに・・・。教室には、英語が話せないいろんな生徒たちがいて、仲間とともに順調に英語を学んでいき、そして最終課題はスピーチ。彼女は何を話すのだろうか・・・。この映画、香港でも人気でロングランだったようですよ。またムンバイ在住の方(日本人)が→コチラのブログでとても深いコメントを書いていらっしゃいます。「インドの都市部で「英語を話せない人間」というのはイコール「高等教育を受けていない人間」と見なされる」とか。そんな「社会的に評価される機会のない家庭の主婦が自分の価値を見いだすために苦心している点が非常に共感できる」とのことです。うーむ、これは観てみたい!と思ったら、幸い今夏の日本公開が決定(タイトル未定)したとのことです。韓国題は「굿모닝 맨하탄(グッドモーニング、マンハッタン」です。
⑦「あらしのよるに」は日本では2005年公開。そんな前だったか。韓国題は「가부와 메이 이야기(カブとメイの物語)」です。
なお、⑨「ブラック・ゴスペル」は11月19日の記事で紹介しました。ソウルミュージックを学び、そして現地の人たちとにコンサートを開くというミッションの下に本場ニューヨークのハーレムへと向かった男2人と女1人の仲間のドタバタ音楽旅行を描いた韓・米合作のドキュメンタリーです。
【専門家による順位】
①インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 8.8(7)
②ゼロ・グラビティ 8.2(5)
③アデル、ブルーは熱い色 7.8(5)
④風景(韓国) 7.7(4)
⑤そして父になる(日本) 7.6(6)
⑤ある過去の行方 7.6(6)
⑦あまり者たちのヒッチハイキング(韓国) 7.3(3)
⑧弁護人(韓国) 7.2(10)
⑨マイ・プレイス(韓国) 7.1(6)
⑩ウルフ・オブ・ウォールストリート 7.0(6)
こちらも3作品が入れ替わりましたが、新登場は⑨「マイ・プレイス」だけです。
昨年の全州国際映画祭でも上映されたドキュメンタリーです。カナダへ移民した韓国人の一家=パク・ムンチル監督自身の家族が韓国に帰国してからの姿を描いた物語。とくに監督の妹は韓国になじめない上、シングルマザーになったことから父親との対立が深まるのだが、赤ちゃんの誕生と成長にともない克服されていく。また監督は、それまでの仕事を辞め、映画の道を選ぶ。そんな無数の選択の中で、家族たちは葛藤しつつも「私の席(マイ・プレイス)」を見つけるために生きてきた、その記録です。原題は「마이 플레이스」。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[2月7日(金)~9日(日)] ★★★
「アナと雪の女王」が再逆転して1位に
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(2)・・アナと雪の女王・・・・・・・・・・・・・・1/16 ・・・・・・・・・・1,170,483 ・・・・・・・7,793,158・・・・・・・62,307・・・・・・・・939
2(1)・・怪しい彼女(韓国) ・・・・・・・・・・・・1/22 ・・・・・・・・・・1,042,398 ・・・・・・・5,749,800・・・・・・・41,773・・・・・・・・768
3(3)・・男が愛する時(韓国)・・・・・・・・・・1/22 ・・・・・・・・・・・・212,021 ・・・・・・・1,755,152・・・・・・・12,904・・・・・・・・404
4(新)・・アイ、フランケンシュタイン ・・・・2/06 ・・・・・・・・・・・・186,870 ・・・・・・・・・230,885・・・・・・・・1,693・・・・・・・・376
5(33)・・もうひとつの約束(韓国)・・・・・・2/06・・・・・・・・・・・・・139,120 ・・・・・・・・・175,589・・・・・・・・1,274・・・・・・・・192
6(新)・・レゴ・ムービー ・・・・・・・・・・・・・・2/06 ・・・・・・・・・・・・106,126 ・・・・・・・・・113,423・・・・・・・・・・783・・・・・・・・317
7(7)・・ナット・ジョブ ・・・・・・・・・・・・・・・・・1/29 ・・・・・・・・・・・・・94,362 ・・・・・・・・・433,280・・・・・・・・3,016・・・・・・・・329
:ピーナツ泥棒たち(韓・カナダ・米)
8(5)・・弁護人(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・12/18・・・・・・・・・・・・・・75,094 ・・・・・・11,311,753・・・・・・・82,446・・・・・・・・302
9(4)・・血沸く青春(韓国) ・・・・・・・・・・・・1/22・・・・・・・・・・・・・・61,314 ・・・・・・・1,646,415・・・・・・・11,482・・・・・・・・289
10(6)・・朝鮮美女三銃士(韓国) ・・・・・・1/29 ・・・・・・・・・・・・・17,766 ・・・・・・・・・473,332・・・・・・・・3,422・・・・・・・・196
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
1・2位が今回もハイレベルの争いの結果、「アナと雪の女王」が「怪しい彼女」を再逆転。累積でも800万人の大台は確実に超えますね。「怪しい彼女」も600万人に迫っています。
今回の新登場は4・5・6位の3作品です。
4位「アイ、フランケンシュタイン」は、200年前にフランケンシュタイン博士によって生み出され、その名を引き継いだ人造人間アダム・フランケンシュタイン(アーロン・エッカート)が、不死者の一族同士の長年の戦争に終止符を打つため、たった1人で戦うというという物語。人造人間といってもブキミ系ではなく、鍛えあげられた筋肉が魅力的!みたいです。日本公開は未定のようです。韓国題は「프랑켄슈타인:불멸의 영웅(フランケンシュタイン:不滅の英雄)」。
5位「もうひとつの約束」は上述しました。こうした映画がこの順位までくるとは、組合等の組織の力だけでもなさそうです。
6位「レゴ・ムービー」は、アメリカ・オーストラリア合作の3DCGアニメ。レゴとは、あのプラスチック製の組み立てブロック。平凡な男のエメットはレゴの世界を救う特別な存在であると誤解され、平和なレゴの世界を壊そうとするおしごと大王と闘うことになる・・・。予告編(→コチラ)
を見たら、たしかにレゴの世界だ・・・。韓国題は「레고 무비」。日本公開は3月21日です。
【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・インサイド・ルーウィン・デイヴィス・・・・1/29 ・・・・・・・・・・・・16,235 ・・・・・・・・・・・・・69,408 ・・・・・・・・・542・・・・・・・・・60
名もなき男の歌
2(3)・・アデル、ブルーは熱い色・・・・・・・・・・・1/16 ・・・・・・・・・・・・・3,077・・・・・・・・・・・・・・42,445・・・・・・・・・・325・・・・・・・・・29
3(新)・・ドリーマーズ・・・・・・・・・・・・・・・2005/3/25 ・・・・・・・・・・・・・2,281・・・・・・・・・・・・・・31,000・・・・・・・・・・207・・・・・・・・・14
4(2)・・そして父になる(日本)・・・・・・・・・・・・・12/19 ・・・・・・・・・・・・・1,968 ・・・・・・・・・・・・113,997・・・・・・・・・・864・・・・・・・・・15
5(新)・・熱いトタン屋根の猫・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・680・・・・・・・・・・・・・・・4,729 ・・・・・・・・・・・・9・・・・・・・・・・1
3・5位が新登場です。
3位「ドリーマーズ」は2003年のベルトルッチ監督作品の再上映です。韓国題は「몽상가들(夢想家たち)」。
5位「熱いトタン屋根の猫」は、エリザベス・テイラー、ポール・ニューマン等が出演した1858年のアメリカ映画の再上映。韓国題は「뜨거운 양철 지붕 위의 고양이」です。(トタンは「양철(洋鉄)」というのか。)