4月28日と29日の記事で、韓国の女性徒歩旅行家ハン・ビヤさんの韓国縦断記録「風の娘、わが地に立つ(바람의 딸, 우리 땅에 서다)」(1999年)について書きました。
彼女が韓半島の南端タンクッを発ったのが1999年3月3日。目的地の江原道統一展望台到着が4月26日でした。
で、私ヌルボが今読んでいるのが3月24日の慶尚北道の尚州にさしかかったあたりなので、ハン・ビヤさんより少し遅いペース。しかし、今後がんばれば彼女と同じ2ヵ月弱で完読できそうです。
これまで読んだ中でも農村風景等々いろいろ興味深い記述がありましたが、今回の記事では、3月21日の記録でハン・ビヤさんが書いている<韓国旅館風物紀行(한국 여관 방 풍물기행)>に絞って紹介します。
彼女は旅行中何度も一人暮らしのおばあさんの家や教会等にタダで泊めてもらったりしていますが、旅館(여관)もよく利用しています。この旅行中に彼女がどんなことで苦労したかというと、そんな毎日の宿のことだったそうです。
韓国で旅館といえば安宿のことで、ラブホも兼ねているためアヤシイ雰囲気が漂っているのがむしろふつうです。ハン・ビヤさんがこの一文の少し前で、「どんな旅館も不倫のニオイがする」と書いているのはそこに起因しています。その点を気にしなければ、予約の必要もないし、何よりも安いので、安価な旅行を旨とする旅行者には便利です。
韓国旅行のリピーターの皆さんにはおなじみですよね。
そんな皆さんが、韓国の旅館について、困ったこと怒ったこと、ヘンなこと笑っちゃうこと等々、きっとたくさんあると思います。
ハン・ビヤさんも、そんな韓国の旅館について、具体的な事例をいろいろあげながら、苦情めいた描写をしているのがこの<韓国旅館風物紀行>です。
読みやすくするため、私ヌルボが箇条書きにして文章を整理した上で以下列挙します。
①本論に入る前に、あらかじめ知っておくべきは、韓国で「パーク(파크)」とは公園とはなんの関係もないということである。
・・・たしかに、旅館やモーテルの名でパークがつく例は多いです。
②旅館の入口はノレパン(カラオケ店)や団欒酒店(→説明)、タバン(やや風俗っぽい喫茶店)、地下サウナ等と共用になっていて、旅館に入る客が他の所に用があると偽装できるようになっている。
・・・そういうワケがあったのか!
③カウンターは小さな窓口になっていて、照明は顔がわからないくらい暗い。2人で入っても1人が相手をすればOK。
・・・そうじゃない所がヌルボの場合は多かったですが・・・。
④料金は2人1室で2万5千ウォン。「御休憩(쉬어가는 것)」は1万5千ウォン。
・・・1999年でこの値段です。今の標準はいくらくらいかな? ハン・ビヤさんは、どこの旅館でも値切って、1万5千ウォンで泊まるケースが多い。
⑤部屋のドアを開けると化粧台(洗面台)があって、その上にティッシュの箱(곽 티슈)と大きなせっけん、安物のスキンクリームとローションが置いてあります。スキンクリームは緑色、ローションは白で完全に全国統一されている。
・・・スキンクリームのことは스킨(スキン)と書かれています! ということは、韓国人旅行者が日本のホテル等で「部屋にスキンクリームがないんですけど・・・」というつもりで「スキンが・・・」と言ったりして誤解を招いた事例があるのではないかなーと・・・。
⑥部屋の隅には18インチ程度のリモコンのないテレビがあり、小さめの冷蔵庫あるところもある。冷蔵庫の中にはミネラルウォーターのボトルが2本あるが、それが本当のミネラルウォーターなのか水道水なのかはよくわからない。冷蔵庫がない旅館では、主人がステンレスのトレーにやかんとコップ2つ、薄い手拭いを2枚載せて持ってくる。
・・・水のボトルのフタがすでに開けられていることはたまにある、というか・・・。確率的にはどんなもんだろうか・・・。
⑦たんすも欠かせない家具である。その中にはふとんが山のように積まれているが、どんなにきれいに見えても心に引っかかるふとんである。枕も高いの低いの、色や柄もさまざまだが、必ず髪の毛がくっついている。今まで例外はなかった。
・・・韓国の人も気にはなってるのですね。それがなぜ改善されないのかな?
⑧部屋にはさまざまなステッカーが貼ってあって、室内装飾になっている。「パークタバン」「美人タバン」等。ところで、なぜ「迅速に」コーヒーを注文しなければならないのか? 旅館内にもタバンのコーヒーと同じような自販機があるのに。これがかねがね聞いていた「チケット」?
・・・ここらへんの深層の文化についてはよくわからず。
⑨「マンナ夜食25時間配達」「タボン夜食10~4時まで」等の夜食のステッカーも。この夜食は私(ハン・ビヤ)も利用したことがあるが、ふつうの食堂の倍も高いことを留意すべし。夜間には特別割増料金がついているようだ。
・・・私ヌルボは利用したことなし。
⑩ガムもなぜかたくさんくっついている。ふつうは入口や階段横にあるコンドームの自販機(2個入り500ウォン)が部屋ごとに備わっている所もある。
・・・ふうん。
⑪照明は名付ければ「肉屋の照明」。赤色が大部分である。壁一面が大型の鏡になっているのは最近できた新式ラブホテル。こんな所は駐車場にビニールのカーテンが垂れ下がっていて、目かくしをしている。そうそう、11時を過ぎるとテーゾクなビデオも放映している。
・・・必ず枕は2つ、ということをハン・ビヤさんが書いていないのは当たり前すぎることだから?
⑫風呂場には、石のように固い緑色のキューリせっけん(오이비누)と業務用竹塩ハミガキ、薄っぺらい手拭い2枚が置かれている。
・・・ヌルボにはせっけんの記憶なし。今はボディシャンプーがふつうでは?
⑬いちばん肝心な料金について。公式価格があるにはあるが、笑顔でうまく言えばまけてくれたりもする。私(ハン・ビヤ)はとりあえず1万5千円と言い張る。成功すればいいし、失敗しても損得なし。1日1万ウォンずつまけると2ヵ月で60万ウォン。主人もその値段でも空室よりはましということだ。
・・・彼女、なかなかシッカリしています。
⑭最後に追加。旅館の従業員が客をまっすぐに見ないといって不親切だと思わないで。彼らの勤務上の注意の第1条1項が「お客様と目を合わせない」なのである。
・・・これは皮肉というか、逆説なのかな?
これを一読して、あー。韓国人も同じような感想を持っているんだなー、と思いました。
私ヌルボにもいろいろ思い当たることがありますね。ただ、なにぶん旅館での宿泊日数の合計が約30日程度(?)とそんなに多いというほどでもないので、もっといろんな事例をご存知の方は大勢いらっしゃるはずです。
また、この<韓国旅館風物紀行>が書かれた時からもう14年も経っているので、料金をはじめ、その後変わっている点も多々あると思います。たとえば、テレビは大画面のものが多くなっているし、パソコンも備わっているのがふつうになってきているのではないでしょうか?
彼女が韓半島の南端タンクッを発ったのが1999年3月3日。目的地の江原道統一展望台到着が4月26日でした。
で、私ヌルボが今読んでいるのが3月24日の慶尚北道の尚州にさしかかったあたりなので、ハン・ビヤさんより少し遅いペース。しかし、今後がんばれば彼女と同じ2ヵ月弱で完読できそうです。
これまで読んだ中でも農村風景等々いろいろ興味深い記述がありましたが、今回の記事では、3月21日の記録でハン・ビヤさんが書いている<韓国旅館風物紀行(한국 여관 방 풍물기행)>に絞って紹介します。
彼女は旅行中何度も一人暮らしのおばあさんの家や教会等にタダで泊めてもらったりしていますが、旅館(여관)もよく利用しています。この旅行中に彼女がどんなことで苦労したかというと、そんな毎日の宿のことだったそうです。
韓国で旅館といえば安宿のことで、ラブホも兼ねているためアヤシイ雰囲気が漂っているのがむしろふつうです。ハン・ビヤさんがこの一文の少し前で、「どんな旅館も不倫のニオイがする」と書いているのはそこに起因しています。その点を気にしなければ、予約の必要もないし、何よりも安いので、安価な旅行を旨とする旅行者には便利です。
韓国旅行のリピーターの皆さんにはおなじみですよね。
そんな皆さんが、韓国の旅館について、困ったこと怒ったこと、ヘンなこと笑っちゃうこと等々、きっとたくさんあると思います。
ハン・ビヤさんも、そんな韓国の旅館について、具体的な事例をいろいろあげながら、苦情めいた描写をしているのがこの<韓国旅館風物紀行>です。
読みやすくするため、私ヌルボが箇条書きにして文章を整理した上で以下列挙します。
①本論に入る前に、あらかじめ知っておくべきは、韓国で「パーク(파크)」とは公園とはなんの関係もないということである。
・・・たしかに、旅館やモーテルの名でパークがつく例は多いです。
②旅館の入口はノレパン(カラオケ店)や団欒酒店(→説明)、タバン(やや風俗っぽい喫茶店)、地下サウナ等と共用になっていて、旅館に入る客が他の所に用があると偽装できるようになっている。
・・・そういうワケがあったのか!
③カウンターは小さな窓口になっていて、照明は顔がわからないくらい暗い。2人で入っても1人が相手をすればOK。
・・・そうじゃない所がヌルボの場合は多かったですが・・・。
④料金は2人1室で2万5千ウォン。「御休憩(쉬어가는 것)」は1万5千ウォン。
・・・1999年でこの値段です。今の標準はいくらくらいかな? ハン・ビヤさんは、どこの旅館でも値切って、1万5千ウォンで泊まるケースが多い。
⑤部屋のドアを開けると化粧台(洗面台)があって、その上にティッシュの箱(곽 티슈)と大きなせっけん、安物のスキンクリームとローションが置いてあります。スキンクリームは緑色、ローションは白で完全に全国統一されている。
・・・スキンクリームのことは스킨(スキン)と書かれています! ということは、韓国人旅行者が日本のホテル等で「部屋にスキンクリームがないんですけど・・・」というつもりで「スキンが・・・」と言ったりして誤解を招いた事例があるのではないかなーと・・・。
⑥部屋の隅には18インチ程度のリモコンのないテレビがあり、小さめの冷蔵庫あるところもある。冷蔵庫の中にはミネラルウォーターのボトルが2本あるが、それが本当のミネラルウォーターなのか水道水なのかはよくわからない。冷蔵庫がない旅館では、主人がステンレスのトレーにやかんとコップ2つ、薄い手拭いを2枚載せて持ってくる。
・・・水のボトルのフタがすでに開けられていることはたまにある、というか・・・。確率的にはどんなもんだろうか・・・。
⑦たんすも欠かせない家具である。その中にはふとんが山のように積まれているが、どんなにきれいに見えても心に引っかかるふとんである。枕も高いの低いの、色や柄もさまざまだが、必ず髪の毛がくっついている。今まで例外はなかった。
・・・韓国の人も気にはなってるのですね。それがなぜ改善されないのかな?
⑧部屋にはさまざまなステッカーが貼ってあって、室内装飾になっている。「パークタバン」「美人タバン」等。ところで、なぜ「迅速に」コーヒーを注文しなければならないのか? 旅館内にもタバンのコーヒーと同じような自販機があるのに。これがかねがね聞いていた「チケット」?
・・・ここらへんの深層の文化についてはよくわからず。
⑨「マンナ夜食25時間配達」「タボン夜食10~4時まで」等の夜食のステッカーも。この夜食は私(ハン・ビヤ)も利用したことがあるが、ふつうの食堂の倍も高いことを留意すべし。夜間には特別割増料金がついているようだ。
・・・私ヌルボは利用したことなし。
⑩ガムもなぜかたくさんくっついている。ふつうは入口や階段横にあるコンドームの自販機(2個入り500ウォン)が部屋ごとに備わっている所もある。
・・・ふうん。
⑪照明は名付ければ「肉屋の照明」。赤色が大部分である。壁一面が大型の鏡になっているのは最近できた新式ラブホテル。こんな所は駐車場にビニールのカーテンが垂れ下がっていて、目かくしをしている。そうそう、11時を過ぎるとテーゾクなビデオも放映している。
・・・必ず枕は2つ、ということをハン・ビヤさんが書いていないのは当たり前すぎることだから?
⑫風呂場には、石のように固い緑色のキューリせっけん(오이비누)と業務用竹塩ハミガキ、薄っぺらい手拭い2枚が置かれている。
・・・ヌルボにはせっけんの記憶なし。今はボディシャンプーがふつうでは?
⑬いちばん肝心な料金について。公式価格があるにはあるが、笑顔でうまく言えばまけてくれたりもする。私(ハン・ビヤ)はとりあえず1万5千円と言い張る。成功すればいいし、失敗しても損得なし。1日1万ウォンずつまけると2ヵ月で60万ウォン。主人もその値段でも空室よりはましということだ。
・・・彼女、なかなかシッカリしています。
⑭最後に追加。旅館の従業員が客をまっすぐに見ないといって不親切だと思わないで。彼らの勤務上の注意の第1条1項が「お客様と目を合わせない」なのである。
・・・これは皮肉というか、逆説なのかな?
これを一読して、あー。韓国人も同じような感想を持っているんだなー、と思いました。
私ヌルボにもいろいろ思い当たることがありますね。ただ、なにぶん旅館での宿泊日数の合計が約30日程度(?)とそんなに多いというほどでもないので、もっといろんな事例をご存知の方は大勢いらっしゃるはずです。
また、この<韓国旅館風物紀行>が書かれた時からもう14年も経っているので、料金をはじめ、その後変わっている点も多々あると思います。たとえば、テレビは大画面のものが多くなっているし、パソコンも備わっているのがふつうになってきているのではないでしょうか?
だんだんとレベルアップはしているのでしょうね。
韓国では男2人が1つベッドで寝るのもあいかわらずなのでしょうか? (私も学生時代友人の下宿を訪ねた時はそうだったですが・・・。)
これはほとんど思い当たるわー。