昨日6月19日は桜桃忌。私ヌルボの高校生時代は、文芸部の連中は大半が太宰にかぶれていた感じでした。今はどうなんでしょうね? マスコミでは恒例のように報道してますが・・・。私ヌルボは特に思い入れはないです。たまにトカトントンという音が聞こえないでもないですけどね(笑)。
しかし、6月19日で太宰治を思い浮かべる人と、6月15日で樺美智子を思い起こす人とはどちらが多いのでしょうか? (どちらも少ないって?)
その樺美智子さんが犠牲となった1960年6月の安保闘争のことは、ここでは略して、今のことを書くと、6月11日に全国各地で行われた反原発デモ。「週刊文春」6月23日号の<新聞不信>欄によると、各新聞で「極端に報じ方が分かれた」とのこと。「朝日新聞」が1面と38面で「主催者かと思うほど、好意的な報道」であったのに対し、「産経、読売に至っては、全くといっていいほど報じていない」そうです。記事は続けて、「しかし、二万人(主催者発表)が集まったデモ行進を無視するのはいかがなものか。もし批判的であれば、建設的な意見を呼びかけてこその新聞だろう」と書いているのは正論。
日本の2万人デモをちゃんと報じない「読売」は、なぜかその前日の韓国の、<ソウルのデモ、5千人規模に…大統領退陣訴え>という記事は載せているのは、どういうモノサシを使っているのでしょうか?
このソウルのデモは、大学の授業料(韓国では登録金(등록금) )をめぐるもので、「毎日新聞」の記事によると、韓国の国公立大の平均授業料は443万ウォン(約33万円)、私立大は768万6000ウォン(約56万6000円)だが、物価を考慮すれば米国に次いで高い水準だそうで、このため、アルバイトによる成績低下、学資ローンの返済滞納などが問題化し、「大学生の多重債務者、4年間で38倍」(朝鮮日報)という事態になっているとのこと。
※アメリカの借金に苦しむ学生の問題は堤未果「ルポ貧困大国アメリカⅡ」参照。これもひどいもんです。
韓国では、この大学授業料問題に対して、当ブログで何度も紹介している漫画家カンプルが闘争支援の漫画(下参照)を発表し、ネチズンの話題になっているそうです。大学3年の朴某君、奨学金を受け、アルバイトをしても授業料に足りず、1000万ウォンも借金をしているのだとか・・・。
<Innolife>の記事によると、検査院(「検事院」じゃないでしょ)が教育財政に対する監視に着手することにしたり、大学側も奨学金の拡大案を検討しているようですが、今後どういうことになるのか・・・。
さて、ここで私ヌルボがふと思ったのは、どうも6月はデモの季節なのかもしれない、ということ。
<韓国戦後史年表>などによれば、1964年6月3日、ソウルでは学生1万人に市民の一部も加わって日韓条約反対のデモが繰り広げられました。デモ隊は警察側のバリケ-ドを次々に突破して中央庁に乱入し、市内の警察派出所は学生や市民に占拠され、大統領官邸に向う学生は軍隊により阻止されるという事態に、政府は非常戒厳令を公布し1200名を逮捕したそうです。(「6.3事態」)
ちなみに、当時高麗大学校総学生会長代行だったのが李明博現大統領で、この闘争を主導した学生の1人。これにより国家内乱扇動の容疑で逮捕され、最高裁で懲役3年・執行猶予5年(西大門刑務所に3ヵ月服役)の判決を受けました。これにより彼は「民主化の一世代」といわれるようになったとのことです。
時代は下って1987年。ソウル五輪の前年の6月は<6月民主抗争>がありました。
この年1月、ソウル大言語学科の学生会長だった朴鍾哲(パク・ジョンチョル)が公安当局による拷問で殺されたことに対して抗議の声が高まり、6月9日の集会で戦闘警察による催涙弾で後頭部を撃たれた延世大の李韓烈(イ・ハニョル)は7月5日死亡します。
※彼については、さるブログに<1987年、李韓烈くんの葬列デモ(ビデオ付き)>という記事がありました。
その9日以降連日非常に多くの学生・市民が集会・デモを繰り広げ、20日には光州で20万人がデモに参加し、80年5月の「光州事態」が再現される決起大会が開かれたそうです。26日にはソウルで100万人の大集会。
結局盧泰愚大統領候補は、前日の全斗煥大統領との協議を経て、29日に大統領直接選挙制と言論の自由化を認めた「6.29民主化宣言」を発表し、ようやく事態は鎮静化します。
この経緯を<韓国戦後史年表>で日を追って読み進むと、いろんなことが想起されます。
またYouTubeで、当時のソウルの状況を見ることができるのですね。この記事をいろいろ調べながら書いていて、初めて見ました。
※日本の60年安保関係の動画もあります。
しかし、「6月はデモの季節」かな、と思ったのは、たまたま6月のデモだけ拾ったからでしょうか? あるいは実際にそうなのか? もしかして蒸し暑い天気と関係があるのか、などと考えると、話がどんどん逸れていってしまいそう・・・。
しかし、6月19日で太宰治を思い浮かべる人と、6月15日で樺美智子を思い起こす人とはどちらが多いのでしょうか? (どちらも少ないって?)
その樺美智子さんが犠牲となった1960年6月の安保闘争のことは、ここでは略して、今のことを書くと、6月11日に全国各地で行われた反原発デモ。「週刊文春」6月23日号の<新聞不信>欄によると、各新聞で「極端に報じ方が分かれた」とのこと。「朝日新聞」が1面と38面で「主催者かと思うほど、好意的な報道」であったのに対し、「産経、読売に至っては、全くといっていいほど報じていない」そうです。記事は続けて、「しかし、二万人(主催者発表)が集まったデモ行進を無視するのはいかがなものか。もし批判的であれば、建設的な意見を呼びかけてこその新聞だろう」と書いているのは正論。
日本の2万人デモをちゃんと報じない「読売」は、なぜかその前日の韓国の、<ソウルのデモ、5千人規模に…大統領退陣訴え>という記事は載せているのは、どういうモノサシを使っているのでしょうか?
このソウルのデモは、大学の授業料(韓国では登録金(등록금) )をめぐるもので、「毎日新聞」の記事によると、韓国の国公立大の平均授業料は443万ウォン(約33万円)、私立大は768万6000ウォン(約56万6000円)だが、物価を考慮すれば米国に次いで高い水準だそうで、このため、アルバイトによる成績低下、学資ローンの返済滞納などが問題化し、「大学生の多重債務者、4年間で38倍」(朝鮮日報)という事態になっているとのこと。
※アメリカの借金に苦しむ学生の問題は堤未果「ルポ貧困大国アメリカⅡ」参照。これもひどいもんです。
韓国では、この大学授業料問題に対して、当ブログで何度も紹介している漫画家カンプルが闘争支援の漫画(下参照)を発表し、ネチズンの話題になっているそうです。大学3年の朴某君、奨学金を受け、アルバイトをしても授業料に足りず、1000万ウォンも借金をしているのだとか・・・。
【光州事件の犠牲者の遺児たちが成長して「仇」の全斗煥を狙う漫画「26年」を書いたカンプル、反権力の旗幟鮮明。】
<Innolife>の記事によると、検査院(「検事院」じゃないでしょ)が教育財政に対する監視に着手することにしたり、大学側も奨学金の拡大案を検討しているようですが、今後どういうことになるのか・・・。
さて、ここで私ヌルボがふと思ったのは、どうも6月はデモの季節なのかもしれない、ということ。
<韓国戦後史年表>などによれば、1964年6月3日、ソウルでは学生1万人に市民の一部も加わって日韓条約反対のデモが繰り広げられました。デモ隊は警察側のバリケ-ドを次々に突破して中央庁に乱入し、市内の警察派出所は学生や市民に占拠され、大統領官邸に向う学生は軍隊により阻止されるという事態に、政府は非常戒厳令を公布し1200名を逮捕したそうです。(「6.3事態」)
ちなみに、当時高麗大学校総学生会長代行だったのが李明博現大統領で、この闘争を主導した学生の1人。これにより国家内乱扇動の容疑で逮捕され、最高裁で懲役3年・執行猶予5年(西大門刑務所に3ヵ月服役)の判決を受けました。これにより彼は「民主化の一世代」といわれるようになったとのことです。
時代は下って1987年。ソウル五輪の前年の6月は<6月民主抗争>がありました。
この年1月、ソウル大言語学科の学生会長だった朴鍾哲(パク・ジョンチョル)が公安当局による拷問で殺されたことに対して抗議の声が高まり、6月9日の集会で戦闘警察による催涙弾で後頭部を撃たれた延世大の李韓烈(イ・ハニョル)は7月5日死亡します。
※彼については、さるブログに<1987年、李韓烈くんの葬列デモ(ビデオ付き)>という記事がありました。
その9日以降連日非常に多くの学生・市民が集会・デモを繰り広げ、20日には光州で20万人がデモに参加し、80年5月の「光州事態」が再現される決起大会が開かれたそうです。26日にはソウルで100万人の大集会。
結局盧泰愚大統領候補は、前日の全斗煥大統領との協議を経て、29日に大統領直接選挙制と言論の自由化を認めた「6.29民主化宣言」を発表し、ようやく事態は鎮静化します。
この経緯を<韓国戦後史年表>で日を追って読み進むと、いろんなことが想起されます。
またYouTubeで、当時のソウルの状況を見ることができるのですね。この記事をいろいろ調べながら書いていて、初めて見ました。
※日本の60年安保関係の動画もあります。
【市民たちが「愛国歌」(国歌)を歌っていますね。この動画は1/8で、8/8まで続きます。】
しかし、「6月はデモの季節」かな、と思ったのは、たまたま6月のデモだけ拾ったからでしょうか? あるいは実際にそうなのか? もしかして蒸し暑い天気と関係があるのか、などと考えると、話がどんどん逸れていってしまいそう・・・。
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