私ヌルボ、2010年1月から毎年センター試験の韓国語の問題に挑戦してきました。自分の韓国語学習及び問題分析のためです。
また、それらについて毎年ブログ記事を書いてきました。あ、昨年は載せなかったか。
一応、各記事は次の通りです。内容は見出しでおよそ見当がつく、かな?
・2010年→<センター試験韓国語の平均点148点。 難易度はかなり高いが・・・>
・2011年→<修能の「日本語」-正解がわからないぞ~ センター試験の「韓国語」-むずかしいぞ~>
・2012年[その1]→<センター試験の韓国語の難易度について - 難しいのか? 簡単なのか? これは難しいぞ・・・>
・2012年[その2]→<センター試験の韓国語の難易度について[2] - 韓国人が苦手な問題も出題されているとか・・・>
・2013年[その1]→<やっぱりゼロから始めた高校生にはむずかしい問題レベル>
・2013年[その2]→<発音問題は重箱の隅から2題だけ>
そして今回もやってみました。問題&正答は→コチラからダウンロードできます。
出題傾向や難易度はこれまでと大きくは変わらないのですが、年々むずかしくなる傾向はまだ続いているようです。
ヌルボの韓国語レベルについては、以前次のように書きました。
「正直に申しますと、韓国語能力試験の方は5級(最低1級から最高6級まである)の真ん中くらい、ハングル検定試験(最低5級から最高1級まで)は準2級合格という、つまり<上級の下>といった程度。」 ←これが6年ほど前(?)で、以後少しはレベルアップはしているはずですが最高レベルはまだまだといったところ。一応韓国語の本は(わからない単語はあっても)読めるし、TVニュース等の内容はほぼわかります。
で、過去数年間のセンター試験韓国語の得点は大体160点くらい。すなわち正答率8割といったところでした。ところが今回は7割がやっとでした。
どうも近年は韓国語能力試験だと3級、ハングル検定だと4級程度の中級の下レベル」が自信を持って答えられるような問題がほとんどないように思います。
しかし、私ヌルボが今回言いたいのは、問題の難易度もさることながら、問題を解くおもしろさについてです。
タイトルには「問題を解く楽しさがぜ~んぜんない」と書きましたが、それどころか「怒りさえ覚えた」というのがホントのところ。(笑)
べつに出来がよくなかったから言うわけではありません。パズルは簡単すぎてもつまらないし、逆に難解でもおもしろいパズルはいろいろあります。それと同じ、かな?
たとえば、韓国版センター試験というべき修能試験(大学修学能力試験)の第二外国語中の日本語の問題と比べてみればよくわかります。
このように見映えが全然違います。センター試験の方はめんどうそうな長文だけをピックアップしたわけではありません。大きい問題が全5問あって、その第4問と第5問がこのような長文問題です。修能試験の方はこんな長文問題は全然ありません。
一見してわかるのは修能試験の方のイラストの多さ。センター試験には皆無です。そのイラストを2つ紹介します。
この修能試験「日本語」の問題については、→コチラの過去記事で少し紹介しました。
そこでは、出題傾向を次のようにまとめてみました。
[A]会話が多い。・・・上のイラスト(左)のような買い物の場面の他、日常の挨拶や医者との会話等、内容もさまざまです。
[B]韓国人が間違いやすい発音は必出。・・・母音の長短、清音と濁音の区別等で、毎年必ず出題されています。
[C]日本人の生活様式や、日本の伝統文化を説明・紹介するような問題文が多い。・・・これも毎年必ず出題されています。これまでも「寿司」「温泉」「こたつ」「タクシーの乗り方」等が取り上げられました。2015年度は「花見」と「駅弁」の問題です。
[D]日本の街などで見かける掲示物、広報等に関する問題が出る。・・・上のイラスト(右)の銭湯の注意書きのような日本の生活・社会に関係するもの。「のんだら のらない」というポスターもありました。前年は地下鉄の「ひらくドアにご注意!」という貼り紙についての出題でした。
[E]日本語会話というよりも、日本人の会話の特色についての問題文がある。・・・「日本人はよくあいづちをうつ」という問題文が2012年度にありました。(→コチラ。) 今回は「あいまいなことば」についてです。
そして、これら[A]~[E]の他に、日本のセンター試験や多くの語学検定試験と比較して特筆すべき特色は、昨年にも書きましたが「小説やエッセイ等の読解問題は皆無!」ということ。
つまりは実用性を重視しているということです。日常会話だけでなく、日本でよく見かける掲示物や、社会的なマナー等、日本への旅行や、仕事・留学等による日本での生活に役立つような内容になっています。
このような修能試験の日本語と正反対なのがセンター試験の韓国語。
言語を通じて韓国の生活・社会・文化を知ろうという視点が全然ありません。中級レベルの韓国語学習者でも初めて見るような単語はいくつもある一方、日常的によく使われるような言い回しは少ないようです。
長文問題の内容も、第4問はある日本人が韓国語に興味を持って学習するようになったきっかけについて。高校時代に来校した釜山の高校生に歓迎の言葉を述べたが通じなかったというものです。しかし、私ヌルボとしては韓国人が日本語に興味を持って学習するようになったきっかけの方が知りたいんじゃないかな?と思います。
そして第5問は睡眠について。調査によると日本の中高生の半数以上が5~7時間寝ているとか早起きは健康に良いとか・・・という話のどこがおもしろいというのかっ??
それから、第3問は友人同士3人の会話文といっても、これまたほとんど長文読解問題。あえて全文載せます。
友人同士3人と、彼らの話に出てくる1人の計4人の間の関係は日本語に訳してもややこしくパズルみたいで、文章自体の難易度はそれほどでもないのに、読解力以外の能力も問うているみたい。おまけに4人の名前がジフン、ジョンヒ、ジホ、ジョンホとは! わざと紛らわしい名前をそろえたとしか思えません!
1月6日の<ライブドアニュース>に「センター試験の韓国語が意外に難しいと韓国ネットで話題」という見出しで韓国の掲示板を紹介した記事がありました。(→コチラ。) 「1番の問題から早速間違えた」「こんなビミョーな違いをどうやって勉強するっていうんだ?」「韓国の大学入試の日本語はもうちょっと問題に面白みがある」といった感想はヌルボとしては「さもありなん」です。
以上いろいろ文句を並べましたが、日本と韓国では事情が違うことは承知しています。
修能試験は受験者総数約60万人中「日本語」を8千人近くが受験するのに対して、センター試験は受験者総数50数万人中「韓国語」は200人足らずの「精鋭」しか受験しません。
修能試験の「日本語」が英語とは別枠の第2外国語中の1つであるのに対し、センター試験の「韓国語」は英語と同じ外国語の枠に入っています。
そして、センター試験の「韓国語」は一部で(?)「在日が有利ではないか」との声があったりして、作問者の側はなんとか平均点を低くしようと努めてきたようで、過去記事で書いたように韓国人がむしろ間違いやすい問題を作ったりもしたようです。
こんなことから、上記のようなおもしろくない、ただむずかしいだけの問題になったともいえるかもしれません。もっとも、昔ヌルボが学校で受けた英語の授業のほとんども英語圏諸国への興味をかきたてるようなものでもありませんでしたが・・・。(この頃はもっと楽しい授業・解くのが楽しい試験問題になってるのかな?)
また、それらについて毎年ブログ記事を書いてきました。あ、昨年は載せなかったか。
一応、各記事は次の通りです。内容は見出しでおよそ見当がつく、かな?
・2010年→<センター試験韓国語の平均点148点。 難易度はかなり高いが・・・>
・2011年→<修能の「日本語」-正解がわからないぞ~ センター試験の「韓国語」-むずかしいぞ~>
・2012年[その1]→<センター試験の韓国語の難易度について - 難しいのか? 簡単なのか? これは難しいぞ・・・>
・2012年[その2]→<センター試験の韓国語の難易度について[2] - 韓国人が苦手な問題も出題されているとか・・・>
・2013年[その1]→<やっぱりゼロから始めた高校生にはむずかしい問題レベル>
・2013年[その2]→<発音問題は重箱の隅から2題だけ>
そして今回もやってみました。問題&正答は→コチラからダウンロードできます。
出題傾向や難易度はこれまでと大きくは変わらないのですが、年々むずかしくなる傾向はまだ続いているようです。
ヌルボの韓国語レベルについては、以前次のように書きました。
「正直に申しますと、韓国語能力試験の方は5級(最低1級から最高6級まである)の真ん中くらい、ハングル検定試験(最低5級から最高1級まで)は準2級合格という、つまり<上級の下>といった程度。」 ←これが6年ほど前(?)で、以後少しはレベルアップはしているはずですが最高レベルはまだまだといったところ。一応韓国語の本は(わからない単語はあっても)読めるし、TVニュース等の内容はほぼわかります。
で、過去数年間のセンター試験韓国語の得点は大体160点くらい。すなわち正答率8割といったところでした。ところが今回は7割がやっとでした。
どうも近年は韓国語能力試験だと3級、ハングル検定だと4級程度の中級の下レベル」が自信を持って答えられるような問題がほとんどないように思います。
しかし、私ヌルボが今回言いたいのは、問題の難易度もさることながら、問題を解くおもしろさについてです。
タイトルには「問題を解く楽しさがぜ~んぜんない」と書きましたが、それどころか「怒りさえ覚えた」というのがホントのところ。(笑)
べつに出来がよくなかったから言うわけではありません。パズルは簡単すぎてもつまらないし、逆に難解でもおもしろいパズルはいろいろあります。それと同じ、かな?
たとえば、韓国版センター試験というべき修能試験(大学修学能力試験)の第二外国語中の日本語の問題と比べてみればよくわかります。
2015年1月・センター試験「韓国語」より | 2014年11月[韓国]修能試験「日本語」より |
このように見映えが全然違います。センター試験の方はめんどうそうな長文だけをピックアップしたわけではありません。大きい問題が全5問あって、その第4問と第5問がこのような長文問題です。修能試験の方はこんな長文問題は全然ありません。
一見してわかるのは修能試験の方のイラストの多さ。センター試験には皆無です。そのイラストを2つ紹介します。
この修能試験「日本語」の問題については、→コチラの過去記事で少し紹介しました。
そこでは、出題傾向を次のようにまとめてみました。
[A]会話が多い。・・・上のイラスト(左)のような買い物の場面の他、日常の挨拶や医者との会話等、内容もさまざまです。
[B]韓国人が間違いやすい発音は必出。・・・母音の長短、清音と濁音の区別等で、毎年必ず出題されています。
[C]日本人の生活様式や、日本の伝統文化を説明・紹介するような問題文が多い。・・・これも毎年必ず出題されています。これまでも「寿司」「温泉」「こたつ」「タクシーの乗り方」等が取り上げられました。2015年度は「花見」と「駅弁」の問題です。
[D]日本の街などで見かける掲示物、広報等に関する問題が出る。・・・上のイラスト(右)の銭湯の注意書きのような日本の生活・社会に関係するもの。「のんだら のらない」というポスターもありました。前年は地下鉄の「ひらくドアにご注意!」という貼り紙についての出題でした。
[E]日本語会話というよりも、日本人の会話の特色についての問題文がある。・・・「日本人はよくあいづちをうつ」という問題文が2012年度にありました。(→コチラ。) 今回は「あいまいなことば」についてです。
そして、これら[A]~[E]の他に、日本のセンター試験や多くの語学検定試験と比較して特筆すべき特色は、昨年にも書きましたが「小説やエッセイ等の読解問題は皆無!」ということ。
つまりは実用性を重視しているということです。日常会話だけでなく、日本でよく見かける掲示物や、社会的なマナー等、日本への旅行や、仕事・留学等による日本での生活に役立つような内容になっています。
このような修能試験の日本語と正反対なのがセンター試験の韓国語。
言語を通じて韓国の生活・社会・文化を知ろうという視点が全然ありません。中級レベルの韓国語学習者でも初めて見るような単語はいくつもある一方、日常的によく使われるような言い回しは少ないようです。
長文問題の内容も、第4問はある日本人が韓国語に興味を持って学習するようになったきっかけについて。高校時代に来校した釜山の高校生に歓迎の言葉を述べたが通じなかったというものです。しかし、私ヌルボとしては韓国人が日本語に興味を持って学習するようになったきっかけの方が知りたいんじゃないかな?と思います。
そして第5問は睡眠について。調査によると日本の中高生の半数以上が5~7時間寝ているとか早起きは健康に良いとか・・・という話のどこがおもしろいというのかっ??
それから、第3問は友人同士3人の会話文といっても、これまたほとんど長文読解問題。あえて全文載せます。
友人同士3人と、彼らの話に出てくる1人の計4人の間の関係は日本語に訳してもややこしくパズルみたいで、文章自体の難易度はそれほどでもないのに、読解力以外の能力も問うているみたい。おまけに4人の名前がジフン、ジョンヒ、ジホ、ジョンホとは! わざと紛らわしい名前をそろえたとしか思えません!
1月6日の<ライブドアニュース>に「センター試験の韓国語が意外に難しいと韓国ネットで話題」という見出しで韓国の掲示板を紹介した記事がありました。(→コチラ。) 「1番の問題から早速間違えた」「こんなビミョーな違いをどうやって勉強するっていうんだ?」「韓国の大学入試の日本語はもうちょっと問題に面白みがある」といった感想はヌルボとしては「さもありなん」です。
以上いろいろ文句を並べましたが、日本と韓国では事情が違うことは承知しています。
修能試験は受験者総数約60万人中「日本語」を8千人近くが受験するのに対して、センター試験は受験者総数50数万人中「韓国語」は200人足らずの「精鋭」しか受験しません。
修能試験の「日本語」が英語とは別枠の第2外国語中の1つであるのに対し、センター試験の「韓国語」は英語と同じ外国語の枠に入っています。
そして、センター試験の「韓国語」は一部で(?)「在日が有利ではないか」との声があったりして、作問者の側はなんとか平均点を低くしようと努めてきたようで、過去記事で書いたように韓国人がむしろ間違いやすい問題を作ったりもしたようです。
こんなことから、上記のようなおもしろくない、ただむずかしいだけの問題になったともいえるかもしれません。もっとも、昔ヌルボが学校で受けた英語の授業のほとんども英語圏諸国への興味をかきたてるようなものでもありませんでしたが・・・。(この頃はもっと楽しい授業・解くのが楽しい試験問題になってるのかな?)
ただ、民族学校でみっちり韓国・朝鮮語を学んだ生徒と、日本の高校の第二外国語でゼロから学んだ生徒では差がついてしまうのでは? それが「在日特権」だというのはあまりに短絡的だと思いますが・・・。
もし分けるとするなら、民族や国籍等々ではなく、「○○語を母語としている者か否か?」を基準にするのが妥当ではないでしょうか? (帰国子女もの中にもずっと外国で生まれ育った人もいれば2、3年外国にいて戻ってきた人ではかなり差があるでしょうし・・・。)
「すごく詳しい記事」というのは、ちょっと読んだり聞いたりしただけで安直に主張したり誰かを批判したりというのができない性分なもので、物事の背景その他、私自身疑問に思ったこと好奇心を抱いたこと等を「調べて」「ノートに記録するように」書いているからです。決して元から知っているわけではありません。ちょっと前に書いた記事など、自分で読み返して「そうだったのか!」と思うこともしばしばです。(笑)
これからもヨロシク。
私の場合はもともと外国語の素質は(も?)不足しているようです。韓国語についていえば、頻出の紛らわしい活用形を覚えたり、あまり使わないような副詞・形容詞等の語彙を増やせば多少は点が取れるとは思うのですが、そこまでチミツな勉強は自分には向いていない(!)と居直ってますので・・・ ^^;)
「時間的に厳しいことを除けば、まだTOPIKの読解問題の方が内容的に楽しく読める」というのは私も同感です。
韓国生活を機に韓国語を本格的に始めて3年弱、昨年TOPIKで何とか6級を取ったものの、試験方法が変ってやさしくなったものですので余りありがたみがなく、また日常的に韓国語を使うことはほとんどないため、会話や語彙力などはまだまだという、中級に毛が生えた程度の実力です(ハングル検定は受けたこともなく、ホームページで受けられるお試し問題しかやったことがないので分りませんが、おそらく良くても2級程度ではないかと思います)。
今回、約1時間弱かけて解いてみましたが、結果は5問間違えて、200点満点で180点。解答は1度書いて見直さなかったのでケアレスミスもありましたが、間違えたのは基本的に知らない語彙が出てきた問題で、個人的には現行のTOPIKでも高級を持っていれば、解ける問題がほとんどだと感じました(恥かしながら、21番の「(嘘はいずれ)トゥルキゲ・デ(ドェ)・イッタ(들키게 돼 있다)」が、例文の「トゥルキギ・マリョニダ(들키기 마련이다)」と同じく「ばれるものだ」というニュアンスを持つことは今回初めて知りました)。
もっともこうした試験はコツさえつかめばそこそこの点数は取れてしまうので、実践力とはまた別物だと思っておりますが(実際私は会話だけでなく、韓国語の書籍や新聞などもすらすら読める訳ではなく、ニュースの聴き取りなどもまだまだ覚束ないレヴェルです)。
仏語(継続して勉強している訳ではないですが、初めて学んでから四半世紀!)は2問間違えて191点でしたが、30分ほどでさっさと終えてしまったため、もう少しじっくり解いていれば満点も充分取れたと思います(それくらい易しいということです)。
英語(やはり継続して勉強していませんが、初めて習ってから35年!)は実は一番自信がなかったのですが(時間も1時間たっぷりかかりました)、結果的には仏語と同じ191点でした。
学習年数と点数の比較からすると、やはり日本人にとっては韓国語が圧倒的に学びやすいということになるのでしょうけれども、そのこともあってか(?)、難易度で言えばこの3ヶ国語の中では一番難しいのではないかと思います。
ちなみに問題を解く楽しみは、韓仏英、どれも似たり寄ったりですかね~。お書きになられている通り、ちっとも面白くはありませんでした。
時間的に厳しいことを除けば、まだTOPIKの読解問題の方が内容的に楽しく読めるように思いました。
ともあれ、こうしてご紹介頂かなければ実際に問題を解いてみることなどなかったはずですので、改めてありがとうございました。