ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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ウメギの思い出

2009-08-23 22:13:27 | 北朝鮮のもろもろ
 ウメギ(우메기)もふつうの辞書には載っていない言葉です。

 私ヌルボの初めての外国旅行の行く先はどこだったかというと・・・
 ヒントは、「新潟から船に乗って行きました」。
 すると、「韓国」「中国」「ロシア」等々、けっこういろんな答えが返ってきます。「フィリピン」とかもありました。「ロシア」は、実際に新潟から船が出ているので、当たらずといえども遠からず。最近、束草(ソクチョ)~新潟~トロイツァ(中国・吉林省の琿春(フンチュン)に近いロシアの町)という航路が開かれたとのことです。
※「国際定期航路INTERNATIONAL LINES」のサイトはおすすめ。

 ・・・・で、正解は北朝鮮なんですね。このサイトの訪問者の皆さんは正答の方が多いのではと思います。

 パスポートの北朝鮮例外条項がなくなった1991年だから、もう18年経ちました。金日成の時代に終止符(마침표.マッチムピョ)が打たれる前に見ておきたいと思い、ぬわんと、8日間で約30万円(!)という代金を支払って(涙)行ってきたというわけです。

 もうずいぶん前のことになりましたが、今でもいろんなことが印象に残っています。今後、小分けにして紹介していこうと思います。

 まず食べ物の話。先日、ある在日の人に「1991年に<共和国>に行ったんですよ」と言ったら、「経済的に厳しい時に行かれたんですねえ」とのこと。※北朝鮮及び「北」系の人は北朝鮮のことを<共和国>と言います。私ヌルボは迎合的に相手により使い分けてる。
 飢餓の状況が深刻化したのはもっと後だったのでは?とも思いますが、たしかに食料事情の厳しさは(アチラの基準では)大名旅行のわれわれの料理からもうかがわれました。

  ***  カレーライスの味も忘れがたいが・・・・  ***
 
 高麗時代の古都開城(ケソン)に行った時出されたカレーライスは忘れられません。「日本の方はカレーライスがお好きだと聞いたので作りました」というその味は、なんというか、キョーレツで・・・。特にご飯は色からしてネズミ色。カビ臭いというか・・・。一匙でやめるのも失礼と思い、二匙目まではなんとか食べたのですが、それが限度でした。
 ただ救いは食後の菓子。(当時は知らなかった)伝統菓子の薬菓(ヤックァ)の一種なんでしょう。けっこう美味しくて、「イゴッ、ムオラゴハムニッカ?(これ、何といいますか?)」とたどたどしく聞いたら、食堂のアガシがニッコリ微笑みながら「<ウメギ>ラゴハムニダ」と教えてくれました。
 平壌に戻って、ディナーの時に隣の人(政府関係者?)にウメギの話をしたら彼はウメギを知らず、ウェイターを呼んで「ウメギを知ってるか?」と尋ねたところ、「魚じゃないか、と言ってる」などとトンチンカンなやりとりが続きました。
     

 冒頭で「ふつうの辞書には載っていない言葉」と書きましたが、韓国語でネット検索すると、韓国の料理サイト中などにはちゃんと紹介されていました。
 そればかりか、日本語の「ウメギ」でもヒットするではないですか!
 NHK-BSで2008年放送した「アジア・クロスロード」という番組では、その作り方も紹介してるんですねえ。(韓国のサイトでは焼酎を用いているが、コチラはマッコリです。)
 あの当時、平壌の人も知らなかったウメギを、今NHKで、ねえ・・・・

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