ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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北朝鮮がらみの話となると論理が矛盾or破綻する一部の(?)人権活動家の言説

2015-07-05 22:17:12 | 北朝鮮のもろもろ
 1つ前の記事に続いて北朝鮮関係。
 7月3日「北朝鮮、拉致被害者の調査報告「延期」を連絡」というニュースが伝えられました。昨4日が調査開始から1年目という日でした。
 当初は「今度こそは・・・」と期待をかけた人たちもいたでしょうが、結局は案の定の成り行きとなりました。
 よく「韓国は日本との間の取り決めを一方的に無視してしまう」という批判がありますが、北朝鮮はその上を行っています。
 日朝間に限らず、たとえば米朝枠組み合意の経緯等を見てもまさにその通りで、94年の合意に基づいて供与された重油にしても結局は食い逃げ。
 その他韓国との間でも約束不履行、食い逃げの事例はいろいろあり、最近モスクワで開かれた対ドイツ戦勝70周年記念式典(5月9日開催)への金正恩訪露ドタキャンなどは国際常識には反していても北朝鮮としては「なんということはない」ネタでしょう。
 ※「約束」がどれだけ重視されるかは、その社会の歴史や政治・経済・文化との関連がありそうです。とくに「契約」の遵守が前提となる商業。

 ところが、この拉致問題についてもなんとも「不可解」な見方をする人がいるものだなあと思ったことがありました。
 少し古くなりましたが、昨年12月のこのニュースです。(元は→コチラ。)

   在日朝鮮人の人権尊重を アムネスティ調査員が講演
 国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」のアーノルド・ファン調査員が16日、東京都内で講演し、「日本が在日朝鮮人の人権を尊重して模範を示すことが拉致問題の解決につながる」との認識を示した。(以下略)


 私ヌルボ、このニュースをよんで唖然としました。
 いろいろ検索してみると、この講演に参加した方のブログ記事がみつかりました。(→コチラ。)

 それによると、「人権報告書の説明」に続いて「日本に期待する役割」についての話があり、「拉致問題解決に対して在日朝鮮人の人権問題の解決が急務である」とし、「①在日朝鮮人のヘイトスピーチや差別への対策 ②朝鮮学校への高校無償化制度からの除外は差別を広げる」との説明があったそうです
 この後<日本に期待する役割>に関して何人かの質問があったがアムネスティ側は司会の女性、受付の男性、事務局長が浮き足立ち、「この件は今日の主題ではないので!」と北朝鮮からの脱国者の発言を途中でさえぎって、さっさと報告会は閉会された。(拍手なし)
 ・・・とのことです。

 この新聞報道に対しては<2ちゃんねる>等でも当然のように恰好の「笑いもの」のネタとして取り上げられました。(→コチラ。)
 「なんで拉致被害者の側が加害者側のご機嫌をとらなくっちゃならないの?」というのは2ちゃんねるファンならずとも多くの日本人が抱く当然の疑問でしょう。
 常識的に考えて、在日朝鮮人に対する差別があったとしても、それは拉致問題とは全く別個の問題です。

 この2ちゃんねるのカキコミの中に次のようなものがありました。

 アムネスティ日本ってこんな呆れた団体ですよwwwwww
 2006年にアムネスティ日本の総会において北朝鮮の人権・拉致問題への積極的な取り組みを求める決議案が提出されたが否決された。
 アムネスティ日本が主催する人権パレードに際し、北朝鮮の人権問題に取り組む団体が持参した金正日の似顔絵や「朝鮮のヒトラー 金正日に裁きを」というプラカードを撤去するようアムネスティ側が要求した。
 1997年3月に拉致被害者の家族がアムネスティ日本を訪ねて協力を要請した際に、「調査には相手国の受け入れが必要」と答えた。
 アムネスティが北朝鮮の人権問題に消極的である理由をアムネスティ本部の東アジア担当調査官ラジブ・ナラヤンに直接質したところ、ナラヤンは「アムネスティとしては北朝鮮の人権問題間に関しては慎重にアプローチ すべきであるという判断が立ち、それを日本のアムネスティも支持した」と答えた。
 アムネスティ日本はほとんど北朝鮮の工作機関みたいなものですwww


 ・・・ここで明らかにしておきますと、私ヌルボはアムネスティの会員です。本ブログでも、以前<北朝鮮の強制収容所についてのアムネスティのアクション>について書いたこともありました。(→コチラ。)
 で、上記の2ちゃんねるのカキコミについては、「2006年にアムネスティ日本の総会において北朝鮮の人権・拉致問題への積極的な取り組みを求める決議案が提出されたが否決された」というのは事実です。が、その後再び「北朝鮮の人権問題に日本支部は積極的に取り組むべし」という決議案が可決されて今日に至っています。
 したがって、このアーノルド・ファン調査員の講演についてはアムネスティに対する誤解・偏見を増幅させるものとして憤っているというのが正直なところです。ヌルボが身近に接している会員の間にもこの講演の内容に賛同する人はいません。日本の会員全体の中には何%か(??)いるかもしれませんが・・・。
 しかし、北朝鮮のこととなると、人権運動に関わっている人たちの中にも日頃の言説とはずいぶんと違った語り口になってしまう人はあいかわらず大勢いるのは残念なことです。最近あまり読んでませんが、「週刊金曜日」はその後どうなんだろ?
 ※「その後」というのは、具体的には2010年の過去記事「北朝鮮政府だけは擁護する<人権派>って・・・・」(→コチラ)以降ということ。
 1つ前の記事で書いたようなこと、その他もろもろ、政府自体が国の内外で「ありとあらゆる」と言っても過言ではない悪事を犯し続け、世界の国々の中でも人権状況が最悪のランクに位置付けられているこの国に今もなお「思い入れ」を抱いている人たちの現実認識は一体どうなっているのだか・・・。皆さん、本来的には「善良」な人たちだとは思うんですけどねー。(人間が「善良」か否か?ということと、現実認識が正しいか否か?ということは全然関連がないことではありますが・・・。)

 ※そもそも、北朝鮮当局がどれほど在日の人権問題に関心を持っているのでしょうか? ホントに関心があるなら、とっくに自国の住民の人権状況の改善に取り組んでいるはずなのに・・・。

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