世相史に重点を置いた博物館なので、映画や音楽関係の展示はたくさんあります。また、私ヌルボの雑駁な知識あれこれも交えて書くととても1つ2つの記事では収まりません。そこで戦後の、ほとんど展示物に絞って1つの記事にまとめてしまおうと考えましたが、それでも写真が多すぎるので、映画と音楽は分けることにしました。それに戦後に限定といっても、4つある展示室のうち、第1展示室(1876~1945年)以外は全部戦後なんですけどね。
ということでまずは映画について時代順に見ていきます。
韓瀅模(ハン・ヒョンモ)監督(1917~99)の作品「성벽을 뚫고(城壁を破って)」(1949)のポスター。この映画は知りませんでした。<DAUM映画>(→コチラ)等によると、麗水・順天事件を1つのモチーフとした反共映画なのですが、主軸は、大学の同窓で1人がもう1人の妹の夫というごく親しい関係の2人の男の物語。一方は陸軍少尉となり、その義弟の方は共産主義者となってイデオロギー上の深刻な葛藤の末に悲劇が・・・という展開で、ずいぶんヒットした作品のようです。
鐘路3街のピカデリー劇場開館のお知らせ。1962年です。
ピカデリーは、1907年に開館した団成社に次ぐ長い歴史を持つ映画館で、右下隅に「旧半島」、挨拶文末尾に「鍾路三街(舊半島)」とあるのは何のことかと思ったら、→コチラの記事(韓国語)によると1953年(←1958年という記事もあり)会館した半島劇場(반도극장)が前身ということのようです。
※団成社は2008年不渡りを出し2010年臨時休館等を経て、今年3月12日裁判所の競売で575億ウォンで落札されたそうですが、はたして再び開館するのかどうか?
この大きな展示物に書かれた文字は「서울은 만원이다(ソウルは満員だ)」。元はといえば作家・李浩哲(イ・ホチョル)が1966年2月から「東亜日報」に連載した小説です。当時のどんどん人口が増え発展していくソウルを舞台に、地方から上京した女性が娼婦に転落して云々という内容ですが、当時の世相・社会を如実に反映した作品として読者の人気を博し、67年には映画化もされました。(文学史はもちろん、都市の発展史の上でも注目すべきこの原作本が現在<yes24>でも<教保文庫>でも品切れ中なのはなぜ?)
いろんな映画のポスターが貼られています。1番上左の「誤発弾」(1961)、その右の「魔の階段」(1964)から始まって最下段右端の「南部軍」(1990)まで、時代順に並べられていますね。(「南部軍」の左は何のポスターなんだろ?) 下の2段はほとんど観たことがありますが、上の方はタイトルも知らなかった作品がたくさんあります。「平壌맨발(平壌裸足)」(1980)も知りませんでした。戦前の話? 観てみたいな。
ところで、このポスターの展示よりもずーっと目立っているのがこれ。
このどでかい絵は、もちろん「風の丘を越えて 西便制〈ソピョンジェ〉」(1993)。内容的にも興行面でも、韓国映画史上画期的な名作です。DVDが入手困難で、アマゾンでは1~2万円くらいの値段がついています。私ヌルボ、ぜひオススメ! まだ観てないという方は、3日前にコメント(→コチラ)をいただきましたが、にいがた国際映画祭で6月20日(土)オープニングとして無料上映されるのでぜひどうぞ。
展示室で何作品かの名場面の動画が映されていましたが、そこにもこの「西便制」のあのシーンがありました。
※2012年12月博物館が開館した時の写真を→コチラやコネストの記事(→コチラ)で見ると、「西便制」ではなく「鯨取り」が大きく描かれていたんですね。
そもそも、4月にソウルに行った目的の1つは、韓国映像資料院でやっていた<韓国映画100選>の展示をもう1度見ることだったのですが結局行かずじまい。今になって公開しています。この展示については→コチラの過去記事参照。
しかし、1ヵ月以上経ったのにまだ旅行の記録が完結しないとは・・・。次が音楽編で、その後1回でなんとかしめくくらなくては・・・。
ということでまずは映画について時代順に見ていきます。
韓瀅模(ハン・ヒョンモ)監督(1917~99)の作品「성벽을 뚫고(城壁を破って)」(1949)のポスター。この映画は知りませんでした。<DAUM映画>(→コチラ)等によると、麗水・順天事件を1つのモチーフとした反共映画なのですが、主軸は、大学の同窓で1人がもう1人の妹の夫というごく親しい関係の2人の男の物語。一方は陸軍少尉となり、その義弟の方は共産主義者となってイデオロギー上の深刻な葛藤の末に悲劇が・・・という展開で、ずいぶんヒットした作品のようです。
鐘路3街のピカデリー劇場開館のお知らせ。1962年です。
ピカデリーは、1907年に開館した団成社に次ぐ長い歴史を持つ映画館で、右下隅に「旧半島」、挨拶文末尾に「鍾路三街(舊半島)」とあるのは何のことかと思ったら、→コチラの記事(韓国語)によると1953年(←1958年という記事もあり)会館した半島劇場(반도극장)が前身ということのようです。
※団成社は2008年不渡りを出し2010年臨時休館等を経て、今年3月12日裁判所の競売で575億ウォンで落札されたそうですが、はたして再び開館するのかどうか?
この大きな展示物に書かれた文字は「서울은 만원이다(ソウルは満員だ)」。元はといえば作家・李浩哲(イ・ホチョル)が1966年2月から「東亜日報」に連載した小説です。当時のどんどん人口が増え発展していくソウルを舞台に、地方から上京した女性が娼婦に転落して云々という内容ですが、当時の世相・社会を如実に反映した作品として読者の人気を博し、67年には映画化もされました。(文学史はもちろん、都市の発展史の上でも注目すべきこの原作本が現在<yes24>でも<教保文庫>でも品切れ中なのはなぜ?)
いろんな映画のポスターが貼られています。1番上左の「誤発弾」(1961)、その右の「魔の階段」(1964)から始まって最下段右端の「南部軍」(1990)まで、時代順に並べられていますね。(「南部軍」の左は何のポスターなんだろ?) 下の2段はほとんど観たことがありますが、上の方はタイトルも知らなかった作品がたくさんあります。「平壌맨발(平壌裸足)」(1980)も知りませんでした。戦前の話? 観てみたいな。
ところで、このポスターの展示よりもずーっと目立っているのがこれ。
このどでかい絵は、もちろん「風の丘を越えて 西便制〈ソピョンジェ〉」(1993)。内容的にも興行面でも、韓国映画史上画期的な名作です。DVDが入手困難で、アマゾンでは1~2万円くらいの値段がついています。私ヌルボ、ぜひオススメ! まだ観てないという方は、3日前にコメント(→コチラ)をいただきましたが、にいがた国際映画祭で6月20日(土)オープニングとして無料上映されるのでぜひどうぞ。
展示室で何作品かの名場面の動画が映されていましたが、そこにもこの「西便制」のあのシーンがありました。
※2012年12月博物館が開館した時の写真を→コチラやコネストの記事(→コチラ)で見ると、「西便制」ではなく「鯨取り」が大きく描かれていたんですね。
そもそも、4月にソウルに行った目的の1つは、韓国映像資料院でやっていた<韓国映画100選>の展示をもう1度見ることだったのですが結局行かずじまい。今になって公開しています。この展示については→コチラの過去記事参照。
しかし、1ヵ月以上経ったのにまだ旅行の記録が完結しないとは・・・。次が音楽編で、その後1回でなんとかしめくくらなくては・・・。
おそらく、この記事をご覧になってご来場くださる方もいらっしゃるだろうと思います。
ちなみに、新潟県立万代島美術館では「日韓近代美術家のまなざしー「朝鮮」で描く」が開催中ですので、6月20日(土)は午前中にこちらを鑑賞されて、午後は映画祭にご来場いただければ、充実した一日となること請け合いです。
韓国映像資料院には以前「ウリハッキョ」の上映会に行ったのですが、残念ながら所蔵資料や展示などを見ないまま帰って来てしまいました。
韓国歴史博物館の展示もとても興味深く、ぜひ一度行ってみたいと思います。
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
日本では、「マジンガーZの剽窃じゃないか」と取沙汰されることの多いテコンVですが、それでも多くの韓国少年の心を捉えたのは作品自体の力でしょうか? って、ちゃんと見たことはありませんが(マジンガーZも)・・・・。
たまたま3日前の「朝鮮日報」に<世界の頂点に立った「テコンV世代」>という記事が載っていました。カリフォルニア州ポモナ市で開かれた災害対応ロボットのコンテストで韓国のKAISTチームが優勝しましたが、その主力が幼い頃にテコンVを見て育った世代とのことです。