チクチクと責められ…
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本当はね・・・

2005/03/04 16:15
言えないことがいっぱいあって、
こころの奥のほうに、
詰め込まれている・・・
言えないことには、
トゲがあるから、
こころは、いつだって
チクチクと責められている。
わたしには、こころの中身を
見せられる人がいないから、
痛くてつらくても、
なぐさめも
癒されることもない。
本当は、誰かに話を聞いて欲しい。
せめて、この痛みを知ってほしい。
by レンゲ
『本当はね。。。』より
デンマンさんは夕べあたしの悩みを聞いてくれませんでしたよね?
僕は聞きましたよ。僕はいつだってレンゲさんの悩み事を聞いているじゃありませんか。
でも、夕べ、あたしの悩みを真面目になって聞いてくれませんでしたわ。
聞きましたよ。ただ、レンゲさんの悩みの内容がちょっと夕べの状況では危険な内容だったから僕は“その事なら明日話しましょう”と言ったのですよ。レンゲさんの悩み事に僕は無関心なわけじゃないんですよ。僕は、上のレンゲさんの手記を読んでいましたからね、できるだけレンゲさんの心の支えになってあげたい。僕がレンゲさんの悩み事を聞いてあげることで、少しでもレンゲさんの心の痛みが和らぐなら、僕はいつだってレンゲさんの話の聞き役になりますよ。ただし、時と場合によっては話を続けることが出来ないこともありますよ。
それで、夕べ話を途中で止めてしまったのですか?
そうですよ。
どうしてですか?
レンゲさんだって分かっているはずですよ。僕はあれだけ一人で寝てくださいね、とお願いしたにもかかわらずレンゲさんはまた僕の部屋にやって来てしまった。今日も僕は寝不足で頭が半分ボ~としてますよ。これから昼寝しないと、仕事になりませんよ。
これからって。。。今からお昼寝するのですか?
そうですよ。いけませんか?
だって。。。だって。。。夕べ約束したではありませんか?
ん? 約束。。。?
そうですわ。“そのことなら明日話しましょう”とデンマンさんはおっしゃったのですわ。
でも、寝不足で僕はまともな思考をするような状態ではないんですよ。
つまり、約束を破るのですわね?
だから昼寝してから話しますよ。
そうやって延ばし延ばしにして、いつの間にか、はぐらかしてしまうのですわぁ~。今のデンマンさんは、あたしの事よりも、めれんげさんの事で気持ちがいっぱいなのですわぁ~。
やだなあああ。。。めれんげさんとレンゲさんの悩みは全く関係ないでしょう?
関係ありますわぁ~。デンマンさんはめれんげさんの事で気持ちが一杯になっているからあたしの事など、どうでもよいのですわぁ~。
そんなことはありませんよゥ。
いいえ。。。あたしの事などどうでもよいと思っていますわ。“寝不足だ、寝不足だ、頭が半分ボ~としている”とデンマンさんは言っているくせに、さっき肩越しに覗いたら、めれんげさんへの返信を書いていましたわぁ。“めれちゃん、めれちゃん、。。。僕はめれちゃんのことを言葉では言い表せないくらい愛しているよ”。。。こう言う事をいつものように恥ずかしげもなく書いていましたわぁ~。んもお~~
それもレンゲさんの誤解ですよ。僕は2,3日前にめれんげさんに書こうとしていた返信を書いていただけですよ。最近、僕はレンゲさんに引きずり回されて、他の人に書くべき返信も書く時間が無いんですよ。
いいえ、それもデンマンさんの苦し紛れの言い訳ですわ。あたしがデンマンさんに前もって話をせずに急にバンクーバーにやって来たことを未だに根に持ってあたしに冷たくしているのですわぁ~。
違いますよ。確かに、レンゲさんがバンクーバーに急にやって来たことで僕のスケジュールはかなり狂わされてしまっているんですよ。でもね、レンゲさんはこうしてすでにバンクーバーに居る。いつまでもこだわっていても仕方がありませんよ。だから、僕はもうレンゲさんに腹を立てていませんよ。しかし、この連日の寝不足がたたって頭がボ~としている事は確かなことですよ。
でも、デンマンさんは、そう言いながらも、ついさっきラブレターを書いていましたわぁ~。
だから、すでに2日遅れになっている返信を書いていたんですよ。
つまり、あたしとの約束は破っても、めれんげさんにはきちんと返信を書くのですわね?
やだなあああ。。。どうして、そのように恋敵(こいがたき)みたいなことを言うのですか?
だって。。。あたしがこれほど悩んでいる事をデンマンさんは聞いてくれないからですわぁ。
でもね、その話はすでに何度かレンゲさんと話したことですよ。同じ話を蒸し返されるのはちょっとうんざりしますよ。
あたしには言えない事がたくさんあって、心の奥の方に詰め込まれているんです。
誰にも悩みはありますよ。
でも、言えない事にはトゲがあるから、あたしの心は、いつだってチクチクと責められている。
レンゲさんばかりではありませんよ。
でも、あたしには心の中身を見せられる人が居ないから、痛くてもつらくても、なぐさめも癒されることもないんです。
清水君と話し合えばいいでしょう?
洋ちゃんには話せないからデンマンさんに聞いてもらおうと思ってバンクーバーにやって来たのですわ。
まさか、そのためだけでやって来た訳ではないでしょう?
そうですわ。あたしは何とかしようと思って。。。それで、デンマンさんならあたしの悩みを分かってくれると思ったから。。。あたしは、デンマンさんに話を聞いて欲しいのです。デンマンさんだけにはせめて、この心の痛みを知って欲しいと思って。。。
そう思われるのはうれしいけれどね、その話はもうレンゲさんと長々と話し合ったことですよ。
でも、あたしは未だに悩んでいるのですわぁ。
あれから、そろそろ1年になるんですよ。レンゲさんは清水君と満ち足りて愛し合っているじゃないですか?一体何が不満なんですか?
だから。。。だから。。。あたし。。。洋ちゃんと愛し合っているのに。。。未だに。。。未だに。。。イケないんですねん。。。
あのねぇ~。。。レンゲさんがそう言っても誰も信じませんよ。
デンマンさんは信じてくださいますよね?
僕はレンゲさんがウソをついているとは思いませんよ。でもね、レンゲさんが言うままを素直に信じる気にはなれないんですよ。
どうしてですの?あたしがウソをつかないことぐらいデンマンさんは良くご存知のはずですわぁ。
でもね、レンゲさんは平均的な女性と違って、充分以上の恋愛経験を持っている。
レンゲさんの愛と性の世界

。。。
あなたにとって大学生活は慢性的な空虚感と退屈さが伴っていたんですよね。少なくともホステスの生活の方が楽しかったんですよ。楽しいという言葉が適切でないなら、レンゲさんの求めているものは、大学生活よりもホステス生活の方にたくさん見出すことが出来たんですよ。
あたしの求めているもの?。。。それは何ですか?
“幼児的なふれあい”ですよ。レンゲさんがホステス時代に“お客リスト”を作っていた。レンゲさんはクラブ・オアシスで働いていた30人の女性のうちでナンバーワンになったんですからね。レンゲさんがマジメに一生懸命ホステス業に励んでいたことが僕は理解できましたよ。どんな職業でもそうですが、トップになるためには、それなりの努力が必要ですよ。実際、“ちゃらちゃらして”いたら、ナンバーワンにはなれなかったと思いますよ。
。。。
“セックスから愛が生まれることもあります”とレンゲさんは言いました。覚えているでしょう?。。。セックスから愛が生まれる事は、極めてまれにはあるかもしれません。でもね、普通は逆ですよ。愛し合っている男と女がやがて結ばれる。そう思いませんか?ただし、レンゲさんが“セックスから愛が生まれる”事を体験したと言う事は僕には理解できますよ。でも、その愛はレンゲさんが求めていた愛ではなかったようですよね。
。。。
本当の愛を見つけていたなら、レンゲさんはベターハーフを見つけていたでしょう。でも、人生の伴侶をいまだに見つけていないですからね。しかも、レンゲさんは求めている愛を見つけることが出来そうにないと思ったから、ホステスの世界からきれいに足を洗ったんですよ。2度と戻らなかった。これからもレンゲさんは戻らないと思いますよ。
。。。
本当の愛があることをレンゲさんは信じている。信じきれないまでも信じようとしているレンゲさんが居る。しかし信じたいにもかかわらず、レンゲさんの目の前に現れる愛は、理想とする「愛の形」からはあまりにもかけ離れている。それでレンゲさんは絶望を感じないわけには行かない。これ以上どうにも出来ない愛に無力感を覚える。レンゲさんがホステスを辞めたのは、この事が真の理由だと僕は思っていますよ。
やはり、セックスから愛は生まれませんか?
だから、そういうことも極めてまれにはあるでしょう。でもね、これだけはハッキリ言えますよ。クラブに行く男たちは、そこで愛を探そうとしているわけではないんですよ。女の子と遊ぶために行くんですよ。だから、そこで仮に求める女の子を男が“釣った”としても、釣った魚にエサをやるようなことはしないものですよ。
遊びだけが目的だと言うのですね。
僕はそう思いますよ。レンゲさんだって、そう思ったからこそ、馬鹿馬鹿しくなって、ホステス業を廃業にしたはずでしょう?
分かりますか?
レンゲさんは頑張り屋の性格ですからね、ホステス業が本当にすばらしいと思うなら、あなたは自分のクラブを立ち上げる事の出来る人ですよ。しかし、あなたは結局、ホステス業を廃業した。大学にも戻らなかった。何をしたか。。。?ホステス時代の関係を引きずってしまったんですよ。
何もかもご破算にすることなんて出来ませんわ。

でも、椎名さんは可哀想な人なんですよ。
あなたと同様、不幸な家庭に育った。だから、同病相哀(あいあわ)れむような関係だったんですよね。でもね、レンゲさん自身が溺れようとしていたんですよ。そのレンゲさんが溺れかけていた椎名さんを助けようとした。それがレンゲさんの感じていた“愛”だった。しかし、溺れかけていた人が溺れようとしている人を助けようとして、結果的に二人とも溺れてゆく。僕にはそのように見えましたよ。
つまり、“不毛の愛”ですか?
『とこしえの愛って。。。 』より