石材店の先を左に折れて山道に入っていき、
またすぐに右折れし、
集落や畑のあるのどか道を進む。
まずは14番「盛寿山常楽寺」の登場だ。
このあたりは、前に置かれてある
賽銭箱代わりの竹筒に
マジックで番号が書かれてあるのでわかりやすくていい。
ここまでもすべての霊場で
祈りを捧げてきたが、
ここは何番?という思いにとらわれがちであった。
しかしこれで安心してお祈りができるというものだ。
ひとつずつ写真を撮るとともに、
掌を合わせて丁寧に願い事を唱え続けた。
願いは秘密だけど、
八十八回も唱えると
本当に叶うような気がしてくるものだ。
ここは19番「橋池山立江寺」。
東大阪や西高野街道には、
この立江寺が勧請した「立江地蔵尊」
のあったことを思い出した。
少しでも関わりがあったところに出会うのは、
なんとなく楽しいものだ。
そしてここが24番「室戸山最御崎寺」
室戸岬の先端にあるお寺で、
訪ねてみるのを楽しみにしているお寺のひとつだ。
ここで徳島から高知の霊場に入ることになる。
こんな石碑が立っていた。
かすれた文字を解読してみると
「是ヨリ土佐」のようなことが書かれてある。
ここ28番の「法界山大日寺」あたりは、
仏が甲山を背にするように置かれている。
大神神社の御神体が三輪山であるように、
まるでこのあたりは甲山に抱かれて
見守られているようだ。
また時にはこういう岩で組まれた祠の中に
納まっている石仏もある。
これは38番「蹉陀山金剛福寺」
四国では前のお寺(37番)から
このお寺までの距離が、
約100キロと最も長いのだが、
ここでは20mほど歩けばたどり着く。
そして40番「平城山観自在寺」からは愛媛県だ。
そしてこの44番「菅生山大宝寺」でようやく半分。
ここで時間を見れば、
まだ巡り始めて1時間と経っていない。
ありがたいやら物足りないやら少し複雑だ。
この先で道は車道をまたぎ、
フェンスの間を抜けて行くように続いたりする。
道の左側には麓に神呪寺を抱える甲山がきれいに見え、
こちらにも思わず掌を合わしてしまう。
60番「石鉄山横峰寺」
ここは場所が圧巻で、
広い空と甲山を背にして堂々と座しておられた。
ここからは日当たりのよい場所が続く。
野ざらしの仏には少し辛いロケーションではあるが、
かえって清々しい。
ふたたびフェンスの間をすり抜けて進んでいき、
やがて香川県へとさしかかる。
69番「七宝山観音寺」の辺りで、
景色を眺めながら、食糧補給をした。
これ。
開山当時はこんなおにぎりなど
超贅沢だったんだろうな。
さあ食事後は、あと20足らずともう少し。
74番「医王山甲山寺」
このあたりでは、足が不自由そうな老夫婦を追い越した。
足を引きずりながらでも
四国霊場を巡れるという点で、
ここは本当にありがたい所だ。
ま、そういう趣旨で開かれたのだから、
当然といえば当然だけど・・。
この霊場を巡っている間、
間断なくお寺の鐘を打つ音が聞こえていた。
その正体は、第88番「医王山大窪寺」が置かれている、
「神呪寺」の鐘の音であった。
それが、もう間近に聴こえてくる。
道の突き当たりにある
87番「補陀落山長尾寺」
で祈りを捧げて、さあ、最後の霊場に向かおう。
神呪寺は「神の寺」として
1200年前に淳和天皇が建立した寺
といわれている。
甲山の山麓にあって、
眺めの素晴らしいところにある。
その本殿の一角に、88番が祀られている。
ここで、祈りを捧げてついに「結願」である。
全行程2時間弱の手ごろな巡礼であった。
でも確かに88回の祈願を済ませたと思うと
なんか力をもらったような気がする。
少し暖かくなったら、
首Dさんも一緒に歩けたらいいな
と心から思っている。
そのあと、標高309mの甲山“登山”もして、
とっても清々しい気持ちで帰宅したdoironなのでした。