スーちゃんが落ち着いているのを見計らい
昨年大和三山を歩いたあの日、
コースのすぐ近くにあったにもかかわらず、
時間の関係で寄りそびれていた
「橿原考古学研究所付属博物館」
に行ってきた。
橿原市は奈良県下で奈良市に次ぐ2番目の規模の市。
藤原宮などの史跡も数多くあるところなので、
さぞや立派な博物館だろうという期待はあった。
ただ目的は漠然としていて、
お目当ての展示物があるわけではない。
歩いている時に入った食堂で
隣に座った男性から
「ぜひとも行くといい」と、
もしかしたら博物館の回し者?
というくらいハゲしく勧められていたので
気にはなっていたところだ。
行ってみてその人が博物館に居たらおどろきやなあ、
と思いつつ昼前に車で家を出た。
先ずは昼食。
国道沿いの店に入った。
まだ松の内ということもあって
店内にはお正月ムードがそこはかとなく漂っていた。
そんなムードにほだされて、
ついつい頼んでしまったのが
「カニいくら飯」
うひょー、ぜいたくしてしまった。
ところが、やってきたご飯を見ると
カニは乗っているものの、イクラの姿がどこにもない。
あれ~、イクラさんは恥ずかしがりなのかなあ、
カニの陰にかくれているのかなあ、
出ておいでイクラちゃん!
と探してみたが行方不明である。
こ、これは今話題の「逆・異物混入」だあ。
これは言わねばならない。
しかも早期にである。
というのもイクラを食べてしまってから
「ないない」と騒ぐ変な客だと思われかねないからね。
店員を呼んで
「君、イクラ君はどこに行ったのかね?」
もしくはいやみたらしく
「イクラを入れてなかったらおイクラ?」
あるいはもう少しきつく
「イクラなんでもこれはないだろ」
などと言ってみようかと思ったが、
ここはぐっとおさえて
「イクラが混入していないんですけど・・・」
とクレームを言うと、陳謝しつつ
すぐさまイクラを乗せてきてくれた。
でも、お詫びのしるしに
イカとマグロとホタテも乗っけてほしかったなあ~
と少し期待外れではありましたが、
とりあえず一件落着である。
お腹がふくれたところで、早速博物館に向かった。
ガラガラの駐車場に車を停めて、
まずは外回りをチェック。
入り口周辺の外観がこれ。
多分中に入ると撮禁だろうから、
建物周りに展示されているものを存分に撮っておいた。
ほとんどが石棺のレプリカ。
一瞬、親父の柩を思い出した。
そんな中にひとつ、ひときわ目立つ大きな石が展示されている。
藤井寺で見つかった修羅の復元実験で用いられた石だそうだ。
これを運ぶのはさぞや大変だっただろう。
さて、この博物館のマスコット「イワミン」と
おなじみの奈良のマスコットに挨拶をして中に入っていこう。
まずは常設展。
ここには石器時代から奈良・飛鳥時代までの遺物が
時代ごとに展示されている。
石器、土偶、馬具と装飾が徐々に
精緻を極めていく様子がよくわかるものの
ほとんどが近所の弥生博物館と似通っていて、
あまり目新しさは感じなかった。
旭山動物園が、動物園のあり方を大きく変えたように、
この手の博物館も「見せ方」を是非もっと工夫してほしいもんだな。
撮禁と撮可の展示が入り混じっているのも、
あまり工夫を感じなかったな。
とりあえず並べておけ、みたいな感じではなく、
なにか方法がないものかねえ。
特別展は今年の干支にちなんで
「ヒツジ」
に関する展示であった。
12月20日から展示をしているようだから、
年末に来れば年賀状のヒントになったかもしれない。
もっとも今年は喪中なので
年賀状は作成しなかったけどね。
時の流れがビジュアル化されている博物館。
そんな展示を眺めながら、
あまりにありきたりだったので
気がついたら、いにしえに思いを馳せるというより
今年はあれをしよう、これをしようと
心のどこかで自分の行く末に思いを馳せていた
そんな一日でありました。