今回は、「伊万里 染錦玉取獅子文中鉢」の紹介です。
ここのところ古伊万里の紹介が多くなりました。それは、最近、歴史小説をあまり読まなくなりましたので、その時間を、ブログの更新にあてているからです(^^;
ところで、この中鉢は、昭和53年に骨董店から買ったものですが、当時は、相変わらず、疵物を買って勉強していたことが分かります(^^;
この中鉢には、胴に10cmほどのニューがあるんです(-_-;)
それはともかく、その中鉢というものは、次のようなものです。
内側面
見込みの玉取獅子文の部分
見込み周辺の花文の部分(花文は全部で2個所)
見込み周辺の山水文の部分(山水文は全部で2個所)
側面の花文の部分(花文は全部で2個所)
側面の山水文の部分(山水文は全部で2個所)
底面
ご覧のように、この中鉢は、なかなか時代もあり、華やかさの中にも落ち着きがあり、見所もありで、どうしてどうして、「幕末物」として十把一絡げには出来ない風格を備えています。「元禄・享保」に近いものでしょう。
当時は、大きな疵が無かったなら、きっと、買う気になれないほど高かったものと思われます。当時、最小の経費で最大の効果をあげようと、少ない経費の中で、必死になって古伊万里を勉強していたことが忍ばれます。私にとっては、懐かしい思い出の中鉢ではあります(^^;
なお、この中鉢につきましては、今では止めてしまっている拙ホームページの「古伊万里への誘い」でも既に紹介しており、その中で、次のように書いています。
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<古伊万里ギャラリー60「古伊万里様式染錦玉取獅子文中鉢」> 平成15年4月1日登載
相当に使用されたらしく、擦り傷多く、金彩もほとんど剥れている。あげくの果てに、ブチ割れである。よくもまあ捨てられもせずに留まったものよと、その運の強さに感心する。
私のような物好きがいなかったら、とっくにあの世行きだ(もっとも、器物の世界のあの世行きというのはどんな状態なのだろうか? 破片だって考古資料としては現役だから、器物の世界にはあの世というのはないのかもしれない?)。
それはともかく、この鉢にはなんとなく落ち着きがある。渋いのである。国内向けに作られたのであろうか。大・中・小の三点セットの中の真ん中のものであろう。
そう思うと、この鉢は、かつて、いったい誰にどのように使われていたのだろうかとの想像をたくましくする。以前、大名や豪商等の食卓を飾っていたのかな~~などと思うと、感無量だ!
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製作年代: 江戸時代中期
サ イ ズ : 口径;15.2cm 高さ;6.5cm 高台径;7.8cm