今回紹介するものは、私の古伊万里コレクション第1号となるもので、私にとっては記念すべきものです。
これは、昭和49年に買ったものですから、今から46年も前のことになります。思えば、私の古伊万里コレクションも随分と長いこと続いているな~と感無量になります(^-^;
もっとも、私は、陶磁器のコレクションに関しては、古伊万里のコレクションから始めたわけではありません。
この油壷を買うに至った2年ほど前から陶磁器に興味を抱くようになり、最初は、旅行先や出張先で、気に入った現代物の陶磁器を買うようになったのが始まりです。
その後、我が家の近くの窯元に赴いては陶器を買い求めたり、だんだんと国内物だけではなく海外の物にも興味を抱き、遂には、国内外を問わず古い陶磁器にも興味を抱くようになりました。
そうしたなか、出会ったのがこの油壷です。
これは、骨董屋から買ったものですが、当時、1,000円でした(^-^;
ただ、見ての通り、口造りの五分の一ほどが欠け(その後、白セメントを使って自分で補修)、腰部には、ぐるりと太いニューが走っています(><)
で、その時、思ったものです。陶磁器は、疵など気にしなければ、良い物が安く買えるんだな~と(^-^;
でも、この油壷を手に入れた時点から古伊万里収集一直線になったわけではありません(笑)。
その後も、相変わらず、現代作家物とか、国内外の古い陶磁器を集めていました。しかし、そのうち、なんとなく、陶磁器の収集は古伊万里一本に絞られてきたようです。それは、多分、この油壷に影響を受けていたのかもしれません(^-^;
この油壷の素晴らしさに魅せられたんですね。
それは、既に止めてしまった拙ホームページの「古伊万里への誘い」の自己紹介文に、次のように書いていたことからも分かります(^-^;
<「古伊万里への誘い」の自己紹介文>
古伊万里医院院長のDr.Kと申します。
古伊万里の魅力の虜となってはや四十余年(*現時点からですと46年)、古伊万里とは何の由縁もない、この地球上の片隅の片田舎に住んでおります。
この片田舎から、遠く、古伊万里の地に憧れ、また、自分のコレクションに魂を乗り移らせては、望郷の念に胸を焦がすというような日々を送り、その思いを、時折、このホームページ等から発信しております。
下の写真は、昭和49年に購入したもので、私の古伊万里コレクション第1号の油壺です。その姿・形のよさ、口作りから首・肩・胴・腰にいたる均整のとれた、流れるような曲線の美しさ、無造作に描かれた、安定感と安心感を与える手馴れた文様の素晴らしさ・・・・・数え上げたらきりがありません。口作りの傷など補って余りあります。どうぞ、ゆっくりと鑑賞してやってください。
というようなことで、私とこの油壷との出会いは、オーバーな表現をしますと、運命的な出会いだったのかもしれません。
なお、その後、私は、油壷に関しては、これ以上のものに出会っておりません。コレクションは、多少の疵などにこだわってはいけないな~と思っております。ですから、私のコレクションには疵物が多いのです(-_-;)
正面
正面
底部の疵が見えるように底を浮かして撮影
正面から右に約45度回転させた面
正面から右に約90度回転させた面
腰部の疵が見えるように底を浮かして撮影
正面の反対面
正面の反対面
腰部の疵が見えるように底を浮かして撮影
底面
なお、この油壷は、口造りの五分の一ほどが欠け、腰部には大きなニューがありました。また、壺の中には大きな油の塊が入っていて、振るとカタカタと音がしました。でも、水は漏りませんでした。
妻も、この油壷は気に入ったようで、長年、一輪挿しとして愛用していましたが、或る時、ニューからパカリと割れ、中から油の塊が出現しました。
でも、その後も、ニュー部分を接着剤で貼り付け、水が漏らないように補修してあげましたので、いまでも一輪挿しとして活躍してくれております(^-^;
製作年代: 江戸時代前期
サ イ ズ : 口径;3.3cm 高さ;9.7cm 胴径;10.3cm 高台径;6.5cm