今回は、「伊万里 染付東屋山水文小皿」の紹介です。
この小皿は、昭和52年に手に入れたものですが、何故か4枚です(-_-;) 多分、数が5枚になると、五客揃いとなり、値段も高くなるので、半端な数の4枚だけあったもののすべてを買ったからでしょう。
当時、正式な(?)古伊万里は元禄・享保以前のものとされ、それ以後のものは幕末物とされて相手にされず、値段も安く出回っていました。
当時の私は、古伊万里コレクターとしては駆け出しで、とても、とても、正式な(?)古伊万里である、いわゆる筋物の古伊万里などは買えなかったものですから、このような幕末物を買ってきては、古伊万里の勉強をしていたわけですね。
そんなことで、本来なら、このような物を、わざわざこのブログで紹介するのはおこがましいのですが、当時、どのようなものが市場に出回っていたのかを知るうえでは、多少は参考になるのかなと考え、紹介することとした次第です。
この小皿は、今でも、よく、骨董雑誌などに登場しますし、現に、骨董市などにも登場してきますね。
この小皿は、当時は幕末物と言われていたわけですが、正に、その名の通り、幕末に近い頃に作られたものと思われます。1820~1860年代頃にかけて作られたものと思われます。
また、当時、かなりの人気があったとみえ、長年にわたって数多く作られたのでしょうね。今でも骨董市などに登場するくらいですから、、、。
今回、ここに紹介するに際し、我が家には、4枚しかないことに気付きましたので、今度、もう1枚買ってきて5枚とし、是非、五客組にしようと思います(^-^;
表面
裏面
表面(4枚の代表)
裏面(4枚の代表)
製作年代: 江戸時代後期(1820~1860年代)
サ イ ズ : 口径;10.1cm 高台径;5.9cm
追記(令和2年8月5日)
久しぶりに、「伊万里 志田窯の染付皿 ー江戸後・末期の作風をみるー」(小木一良・横粂 均・青木克巳著 里文出版 平成6年10月25日発行)を読み返しました。
そこには、志田窯の製品には次のような特徴があることをが書かれていました。
① 染付の発色効果を上げるため、素地に白化粧(エンゴベー)を施している場合が多いこと。
② 主文様のみを絵画調に大胆に描き、主文様の他に他の文様を添えない場合が多いこと。
その特徴に照らし合わせますと、この小皿には上記の①と②の特徴が見られますので、志田窯の製品であるように思われます。