Dr.K の日記

日々の出来事を中心に、時々、好きな古伊万里について語ります。

天啓赤絵 草文 小皿(5枚組)

2022年11月29日 18時06分09秒 | その他の古陶磁

 今回は、「天啓赤絵 草文 小皿(5枚組)」の紹介です。

 この「小皿」も、地元の地方都市のデパートの催事場で開かれた骨董市で、昭和60年(1985年)に、今から37年前に、買ったものです。

 ところで、この「小皿」を手に入れるに際しては、ちょっとした思い出があります。

 それは、私が「これは幾らですか?」と聞きましたら、店主が「3,000円ですよ」と答えたんです。私としては、まさか、5枚全部で3,000円ということはないだろうけれど、もしかして、5枚全部で3,000円かもしれないと思ったものですから、念のため、「5枚全部で3,000円ですか?」と再度聞きましたら、店主が「そうですよ」と返答したわけです。

 確かに、文様としては「草文」だけしか描いてないですから、面白みには欠けますが、なんとて、値段が魅力です(^-^*) それで、値下げ交渉などすることなく、即刻買い上げ、そそくさとその場を立ち去りました。「すみません、お客さん、値段を間違えました。いくらなんでも、その値段では売れません」などと呼び戻されないように、一目散に立ち去ったわけです(笑)。

 今考えてみても、多分、値段は間違いではなかったのだろうと思います。これは、私の掘り出しだったのだろうと思います。でも、長いことコレクションをしていますが、このような掘り出しは滅多にないことですね。

 

 

天啓赤絵 草文 小皿(5枚組)

 

5枚組の表面

上段左:小皿①  上段中:小皿②  上段右:小皿③

下段左:小皿④  下段右:小皿⑤

 

 文様としては「草文」だけした描かれていませんので、シンプルと言えばシンプル、面白みがないといえば面白みがないわけですが、この「草文」は、天啓赤絵に登場してくる典型的な文様の一つなんですよね。

 もっとも、天啓赤絵によく登場してくるといっても、多くの場合は、この「草文」の他に別な文様が追加されて描かれているようですね。しかし、天啓赤絵に登場してくる典型的な文様の一つには違いはないですよね。

 

 

5枚組の裏面

上段左:小皿①  上段中:小皿②  上段右:小皿③

下段左:小皿④  下段右:小皿⑤

小皿①、小皿②、小皿③の裏面は無文ですが、小皿④、小皿⑤の裏面には

口縁に2本の圏線と高台脇に1本の圏線が施されています。

 

 

小皿①

表面

 

 

口縁の一部の拡大

口縁の処理はぞんざいですが、目だった虫喰いは無いようです。

 

 

 

裏面

 

 

小皿②

表面

 

 

口縁の一部の拡大

口縁には窯疵は見られますが、目だった虫喰いは無いようです。

 

 

裏面

 

 

小皿③

表面

 

 

口縁の一部の拡大

口縁は薄造りで、虫喰いが見られます。

 

 

裏面

 

 

小皿④

表面

 

 

口縁の一部の拡大

口縁は比較的に丁寧な造りですが、浅い窯疵が1箇所あり、

そこには釉薬が掛かっています。

 

 

裏面

小皿①、小皿②、小皿③の裏面は無文ですが、この小皿の裏面には

口縁に2本の圏線と高台脇に1本の圏線が施されています。

 

 

小皿⑤

表面

 

 

口縁の一部の拡大

口縁は比較的に丁寧な造りですが、釉薬の掛け忘れなのか、

虫喰いなのか分からない箇所が2箇所ほど見られます。

 

 

裏面

小皿①、小皿②、小皿③の裏面は無文ですが、小皿④とこの小皿の裏面には

口縁に2本の圏線と高台脇に1本の圏線が施されています。

 

 

裏面の拡大

高台内には窯疵が見られます。

 

 

生 産 地 : 中国・景徳鎮(民窯)

製作年代: 中国・明末~清初

サ イ ズ : 口径13.5~14.0cm  底径7.5~8.0cm

      (各小皿には個体差があるため)