鍋島白磁菱形豆皿の紹介です。
表面
斜め上から見た表面
裏面
斜め上か見た裏面
小さな小さなお皿です。まさに、豆皿ですね。
でも、腐っても鯛ならぬ、腐っても鍋島、小さくとも鍋島です!
小さな小さなお皿なんですが、気品があり、格調高く、凛とした気高さを漂わせています。
これを売っていた古美術店の店主は、「製作年代は18世紀でしょう」ということでした。
ということは、盛期鍋島という意味で売っていたわけですね。
鍋島の場合は、資料が乏しいものですから、製作年代の特定が難しいですよね。経験と勘がものを言います。
私も、盛期鍋島であろうとして買ってきました。
この豆皿を盛期鍋島として買ってきた根拠の一つが、目で見た感じよりも、手取りが重かったからです。「あれっ!」と思うほどでした。
それは、造形的にみて、口縁から高台に向かうにつれて、だんだんと厚く作られているからです。そのことは、親指と人差し指の間に器を挟んでなぞっていきますと分かります。鍋島の造形的な特徴ですね。
なお、口縁に簡単な陽刻を施し、単調さを脱却させ、いかにも、「私は鍋島です。その辺の器とはちがうんです。将軍が使っていた器なんです」と主張しているようにも思われます(^^;
ところで、この豆皿には、高台側面に染付の櫛目文が描かれていますから、厳密には「白磁」とは言えないわけですが、図録等によりますと、その程度の染付の場合は「白磁」とされていますので、ここでも、一応、それらに倣い、「白磁」としました。
製作年代:18世紀
サ イ ズ : 口径(長径)11.0cm,(短径)8.0cm;高さ2.8cm;高台径3.6cm
古伊万里の白磁でも難しいのに、白磁の鍋島なんて、私にはとても歯が立ちません。
磁器通は、白磁に始まって、白磁に終わる(^.^)
入れ歯で噛みついて、なんとか銜えても、今度は、手も足も出ません(><)
かろうじて、全身で抑え込み、この豆皿を手に入れました(笑)。
この手の皿こそ実物を見ないと分からない。最高の土で最高の場所で焼かれた品物です。絵付けがあろうと無かろうと物が違うと思います。Dr.K様がこれを見つけられた時はさぞかし興奮された事と思います。有難うございます。
「この業者は、なかなか鍋島に明るいな」と思い、それも信用材料として買ったわけです。
ただ、現実には、他の盛期鍋島は5寸くらいの大きさのものが多く、値段も高く、これが一番小さく、一番安かったので買いました(-_-;)
夢のない話で、すみません(-_-;)
釉薬感も素晴らしいですね!
盛期鍋島は美術館以外では見ることのできないものだと思って来ました。
ドクターさんのコレクションのクオリティの高さはさすがです。
ただ、偽物も多いですし、値段も高いですしで、なかなか思い切れないですね。
鍋島は、江戸時代、大名たちは、茶道具として扱っていたわけではなく、食器として扱っていたわけで、そんなに大切にされたわけではないですから、ひょっこり、市場に出てくる可能性がありますよね。