今回は、「染錦 草花文 三方割文 鶴首瓶」の紹介です。
器面を三つに分割した窓枠を設け、そこにそれぞれ同じ草花文様を描いています。
立面
窓枠と窓枠との間の面
口縁付近の拡大画像
底面
上の「立面」の写真からも分かりますように、全体のバランスが悪いように感じます。
口縁を少し欠いてしまったため、その疵をカバーするために、覆輪のような金属が付加されたように思えるわけです。そのために首の長さが少々短くなり、全体のバランスが崩れてしまったのではないかと思います。
実は、私は、この鶴首瓶を買った後、暫く経ってからのことですが、ある古美術店で、この鶴首瓶とほとんど同じ物を見ているんです。
その時、それは無疵のものでしたので口縁に覆輪のようなものはありませんでしたし、首の長さもこの鶴首瓶よりももう少し長く、全体のバランスも良かったように感じました。
そのように思って、もう一度、上の「口縁付近の拡大画像」をご覧いただきますと納得いただけるのではないかと思います。
生 産 地 : 肥前・有田
製作年代: 江戸時代中期
サ イ ズ : 高さ;21.2cm 口径;1.8cm 胴径;11.0cm 底径;7.0cm
なお、この鶴首瓶につきましては、かつての拙ホームページの「古伊万里への誘い」でも紹介したことがあります。参考までに、次に、その紹介文を再掲いたしますので、宜しかったらご覧ください。
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<古伊万里への誘い>
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*古伊万里ギャラリー42 古伊万里様式染錦草花文三方割文鶴首瓶(平成14年9月1日登載)
ヨーロッパに渡った古伊万里には、金属の装飾が加えられている例を多く見かけるであろう。高台部に台座のような金属を付けられたり、口縁部に蓋のようなものが取り付けられたりした例はよく見かけると思う。
甚だしい例では、沢山の古伊万里が金属で繋がれてシャンデリアにされたり、燭台にされたりしている。古伊万里が、シャンデリアや燭台の材料にされているのである。日本人からみたら、驚くべき発想であろう。
江戸時代、それらを作った陶工達は、まさか自分達の作った古伊万里達が、シャンデリアや燭台製作のための材料とされたなどとは思いもよらなかったのではなかろうか?
それはそれとして、この鶴首瓶であるが、この瓶の場合は、どうも、以上のような状況とはちがうようである。
首を少々欠いてしまったので、その傷をカバーするための、正に、カバーのためのものとして金属を付けられたようである。
江戸時代中期 高さ:21.2cm
だとすれば、口元を金属にして、何に使っていたのでしょう。
燭台?
そんな気にもなりますが(笑)
絵の色彩とか素敵ですね。
このような品があれば飾りたくなります。
周りを引き締めてくれそうです。♪
そして、やはり、口元に金属を付けたのは、ヨーロッパ人だろうと思います。
この補修をした後、何に使ったのでしょうね、、?
あちらの人の考えは想像を絶するものがありますものね、、(~_~;)
私も、無疵のこれとそっくりのものを見ていなければ気付かなかったと思います。
ちょっと短い程度です。1cm足らずかと思います。
私も、この色彩は気に入ってます。特に、首元の赤と緑の剣先文が気に入ってます(^-^*)
ヨーロッパでは、これをインテリアとして使っていたのだと思います。
マントルピースの上などに、一対で飾っていることが多いんです。