今回は、「伊万里 染錦 ぐい吞(5客組)」の紹介です。
これも、昭和55年に(今から40年前に)買ったものです。
当時は、随分と熱心に古伊万里のコレクションに努めていたことが伺われ、我ながら感心します(笑)。
これまた、何度も言っていますが、当時は、江戸中期以前の伊万里のみを「古伊万里」と言い、それ以後の伊万里は十把ひとからげで「幕末物」と言われ、「古伊万里」の仲間入りが出来ませんでした。
しかも、今でこそ、柿右衛門は「伊万里 柿右衛門様式」、古九谷は「伊万里 古九谷様式」、鍋島は「伊万里 鍋島様式」というように、柿右衛門や古九谷や鍋島は伊万里の一様式となり、伊万里の仲間入りをしていますが、当時は、柿右衛門は柿右衛門であり、古九谷は古九谷であり、鍋島は鍋島であって、伊万里とは全くの別物として扱われていました。
そうなりますと、本当の「古伊万里」というものは、市場には、「型物伊万里」以外にはほとんど存在しなかったんですよね。
しかし、当時、だんだんと古伊万里ブームが忍び寄ってきました。そんな状況では、そのブームに対応出来なくなるわけですね(-_-;)
そうこうしているうち、伊万里の研究も進んできて、それまで十把ひとからげで「幕末物」と言われていた伊万里も、江戸中期に近いもの、江戸後期に属するもの、本当に幕末に近いものと細分されるようになります。
そして、遂には、江戸時代あれば全て「古伊万里」といわれるようになり、古伊万里ブームの需要に応えられるようになったわけです。
そうは言っても、当時は、現在の「古伊万里」から、柿右衛門、古九谷、鍋島というような優品を除いた、いわばカスのようなものだけが「古伊万里」だったわけですよね。そうなりますと、いきおい、江戸後期に属するものや本当に幕末に近いものであっても、古伊万里ブームに乗って、相場は高かったわけです。
そうした状況のなかで買ってきたのが、この「伊万里 染錦 ぐい吞(5客組)」なわけですね。ですから、値段的には、古伊万里ブームが去ってしまった今の方が安いと思います(-_-;)
伊万里 染錦 ぐい吞(5客組)
立面
見込み面
底面
花の咲いた樹木に吊り下げられたぼんぼり(?)を描いた面(全体で2個所)
(代表の1個)
窓枠内に鳥と草花を描いた面(全体で2個所)
代表の1個)
製作年代: 江戸時代後期
サ イ ズ : 口径;4.2cm 高さ;4.2cm 底径;2.3cm
小さなボディに、十二分の絵付け。サービス精神旺盛ですね。
実際には、どう使われていたのでしょう。
Drなら、ウィスキー用?
40年くらい前は、こんな伊万里が、意外と人気が高かったんですよね。
いかにも古伊万里という感じを与えるからでしょうか、、、。
今じゃ、派手過ぎて、人気がないんじゃないでしょうか、、、?
それじゃ、何故買ったかということになりますが、「伊万里にはこんなものもあるよ。しかも、人気があるんだよ」ということを示す参考品とするために買いました(^^;
私好みではないので、買ってきてすぐ押入れ行きで、40年ぶりの対面です(-_-;)
勿論、使用していません(-_-;)
今見ても、ちょっと小さ過ぎて、私には使いずらいですね(-_-;)