Dr.K の日記

日々の出来事を中心に、時々、好きな古伊万里について語ります。

伊万里 染錦 ぐい吞

2020年09月03日 15時24分46秒 | 古伊万里

 今回は、「伊万里 染錦 ぐい吞(5客組)」の紹介です。

 これも、昭和55年に(今から40年前に)買ったものです。

 当時は、随分と熱心に古伊万里のコレクションに努めていたことが伺われ、我ながら感心します(笑)。

 これまた、何度も言っていますが、当時は、江戸中期以前の伊万里のみを「古伊万里」と言い、それ以後の伊万里は十把ひとからげで「幕末物」と言われ、「古伊万里」の仲間入りが出来ませんでした。

 しかも、今でこそ、柿右衛門は「伊万里 柿右衛門様式」、古九谷は「伊万里 古九谷様式」、鍋島は「伊万里 鍋島様式」というように、柿右衛門や古九谷や鍋島は伊万里の一様式となり、伊万里の仲間入りをしていますが、当時は、柿右衛門は柿右衛門であり、古九谷は古九谷であり、鍋島は鍋島であって、伊万里とは全くの別物として扱われていました。

 そうなりますと、本当の「古伊万里」というものは、市場には、「型物伊万里」以外にはほとんど存在しなかったんですよね。

 しかし、当時、だんだんと古伊万里ブームが忍び寄ってきました。そんな状況では、そのブームに対応出来なくなるわけですね(-_-;)

 そうこうしているうち、伊万里の研究も進んできて、それまで十把ひとからげで「幕末物」と言われていた伊万里も、江戸中期に近いもの、江戸後期に属するもの、本当に幕末に近いものと細分されるようになります。

 そして、遂には、江戸時代あれば全て「古伊万里」といわれるようになり、古伊万里ブームの需要に応えられるようになったわけです。

 そうは言っても、当時は、現在の「古伊万里」から、柿右衛門、古九谷、鍋島というような優品を除いた、いわばカスのようなものだけが「古伊万里」だったわけですよね。そうなりますと、いきおい、江戸後期に属するものや本当に幕末に近いものであっても、古伊万里ブームに乗って、相場は高かったわけです。

 そうした状況のなかで買ってきたのが、この「伊万里 染錦 ぐい吞(5客組)」なわけですね。ですから、値段的には、古伊万里ブームが去ってしまった今の方が安いと思います(-_-;)

 

 

伊万里 染錦 ぐい吞(5客組)

 

立面

 

 

見込み面

 

 

底面

 

 

花の咲いた樹木に吊り下げられたぼんぼり(?)を描いた面(全体で2個所)

(代表の1個)

 

 

窓枠内に鳥と草花を描いた面(全体で2個所)

代表の1個)

 

 

製作年代: 江戸時代後期

サ イ ズ : 口径;4.2cm  高さ;4.2cm  底径;2.3cm


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Dr.Kさんへ (遅生)
2020-09-03 16:32:58
これまた、かわいらしい覗きですね。
小さなボディに、十二分の絵付け。サービス精神旺盛ですね。
実際には、どう使われていたのでしょう。
Drなら、ウィスキー用?
返信する
遅生さんへ (Dr.K)
2020-09-03 19:42:13
小さなボデイに、よくもまぁ沢山描き込みましたよね。しかも、キンキラキンで!
40年くらい前は、こんな伊万里が、意外と人気が高かったんですよね。
いかにも古伊万里という感じを与えるからでしょうか、、、。
今じゃ、派手過ぎて、人気がないんじゃないでしょうか、、、?
それじゃ、何故買ったかということになりますが、「伊万里にはこんなものもあるよ。しかも、人気があるんだよ」ということを示す参考品とするために買いました(^^;


私好みではないので、買ってきてすぐ押入れ行きで、40年ぶりの対面です(-_-;)
勿論、使用していません(-_-;)
今見ても、ちょっと小さ過ぎて、私には使いずらいですね(-_-;)
返信する

コメントを投稿