夕食の後,父がEメール・チェックをするためにパソコンのある二階の仕事場に上がってゆくと,その後をタカシがイソイソと従い付いてくることがよくある。そして一緒に部屋に入ると,いかにも意味ありげにニヤニヤしながら隅の方に佇んでいる。胸にイチモツ手に荷物,娘ゴコロに下心,ってヤツである(何じゃそりゃ?)。要するに,父といえばパソコン,パソコンといえばインターネット,インターネットといえばオークション,というわけで,昨今のタカシはYahoo! Auction(通称ヤフオク)に妙に御執心なのだ。しかし終日のパソコン仕事を終えた父としては,さらに一緒に付き合っていてはいいかげん疲れてしまうので,勝手にやっていいよ,でも20分だけだよ! とタカシをひとりパソコンの前に座らせて退散してしまうことが多い。
タカシのほうもその辺は既に心得たもので,自分でホイホイとパソコンを操作してヤフオクのページを呼び出し,そこからさらに好みのオークションを探し当てている。だいたいは「ベイブレード」がお気に入りで,他に「GBアドバンス」や「ゲームキューブ」のソフトなどのカテゴリもよく覗いているようだ。そして,個々の出品物とその価格,入札者の数,のみならず出品者の履歴などまでをアレコレ値踏みしては自ら納得している。そのような次第で,最近の父のマイ・オークション・ページには,タカシがチェックを入れたウォッチ・リスト(着目商品)が結構混じっていたりする(やれやれ!)
そうそう,先日など「売り家」のカテゴリを見ていた。伊豆の10階建てのホテルが2億5千万円だって? 安~い! なんてね。
そんなタカシの様子をみて,アキラは「ねー,オニーチャン! いいかげん,オークション人生やめてよー!」などと時々苦言を呈する。いや,もっともな意見であります。
要するに,インターネット・オークションなるものは,巷間云われるところの市場原理至上主義の最も顕著なる事例であって,それに積極的に関与するという行為は,何というか,商品経済におけるトレンド・ウォッチングのようなものだ。ありとあらゆるモノの価値が(その善し悪しは別として)スピーディーかつリアルタイムに評価されては消えてゆく。まるで24時間営業・年中無休の人気投票の繰り返しである。それは,タカシのような子供にとっては「ハンメルの笛吹き」のように魅力的な行列として映じるのだろう。
ところで,そういうアキラだって,昨今ではドップリと「ゲーム人生」に漬かっているんだけどネ(やれやれ!)
タカシのほうもその辺は既に心得たもので,自分でホイホイとパソコンを操作してヤフオクのページを呼び出し,そこからさらに好みのオークションを探し当てている。だいたいは「ベイブレード」がお気に入りで,他に「GBアドバンス」や「ゲームキューブ」のソフトなどのカテゴリもよく覗いているようだ。そして,個々の出品物とその価格,入札者の数,のみならず出品者の履歴などまでをアレコレ値踏みしては自ら納得している。そのような次第で,最近の父のマイ・オークション・ページには,タカシがチェックを入れたウォッチ・リスト(着目商品)が結構混じっていたりする(やれやれ!)
そうそう,先日など「売り家」のカテゴリを見ていた。伊豆の10階建てのホテルが2億5千万円だって? 安~い! なんてね。
そんなタカシの様子をみて,アキラは「ねー,オニーチャン! いいかげん,オークション人生やめてよー!」などと時々苦言を呈する。いや,もっともな意見であります。
要するに,インターネット・オークションなるものは,巷間云われるところの市場原理至上主義の最も顕著なる事例であって,それに積極的に関与するという行為は,何というか,商品経済におけるトレンド・ウォッチングのようなものだ。ありとあらゆるモノの価値が(その善し悪しは別として)スピーディーかつリアルタイムに評価されては消えてゆく。まるで24時間営業・年中無休の人気投票の繰り返しである。それは,タカシのような子供にとっては「ハンメルの笛吹き」のように魅力的な行列として映じるのだろう。
ところで,そういうアキラだって,昨今ではドップリと「ゲーム人生」に漬かっているんだけどネ(やれやれ!)