眼前の壁 (おおぞらアスレチック)

1998年09月13日 | タカシ
 タカシが壁にぶち当たっている。何度も何度も挑戦しても一向にその先に進めず,真剣に,一心不乱に繰り返すのだが,それでも敵は非常に手ごわいようなのだ。時間だけは徒に経過してゆく(30分単位で)。その傍らでノートパソコンで家計簿なんぞを入力していた父は,暫くの間じっと固まって動かなくなってしまったタカシの様子をやや不審に思い,顔を覗きこんでみると,なんと目にいっぱい涙をためていた。

 「どうしても,出来ないの....」といって,とうとう涙をこらえきれずに,うるうると震えながら涙ポタポタ状態になっている。あらま。父は一寸パソコンの手を休め,タカシ励ましモードへと移る。

 「難しいことは,誰だってそう簡単には出来ないんだよ。そんなに簡単に出来たら,難しいことじゃなくなるしね。イズミケイタ君だって,カワセヒロキ君だって,たぶん,何回も何回も失敗して,それでもあきらめないでがんばったから,出来るようになったんだよ。タカシも,もっとがんばらなきゃ。泣いてばかりいたって,先には進めないよ....」

 タカシは涙をふいて,こっくりとうなずく。そして,ヒックヒックしながらも再び目の前の壁へと向かってゆく。それにしても,ほんとうに“負けず嫌いの泣き虫っ子”なんだから,タカシは。

 いえ,「スーパーマリオ64」の「レインボー・クルーズ」の「おおぞらアスレチック」の話なんですが。
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