セルジュ・レジアニ,さまざまな個性から構成された「人生の秋」

2001年07月31日 | 歌っているのは?
 少し前,インターネットのAmazon.co.jpから,洋楽CDを扱い始めたとの連絡を受けた。パソコン仕事の合間の息抜きに,どれどれ,とばかりにそのHPをちょいと覗いて検索してみると,我が食指をそそるものが何点か見出されたので,結局,セルジュ・レジアニ Serges ReggianiのCDなんぞを5枚いっぺんに注文してしまった。何しろ,安い! いずれも1枚967円(消費税は別途)で,まとめれば送料は無料,さらに全体の500円引きときた。しかし,なんでこんなに安いのだろう?

 これじゃぁまるで貧民の友「ブック・オフ」並みではないか。ハルバル海の彼方の米国やらフランス国やらイタリア国やらから,たかだか数枚のCDが極東の片隅に住まう私の元へと極めて安価に,かつ安直に届けられるというこの不可思議さ。ひるがえって我が国のポピュラー音楽産業においては,北は北海道から南は九州,沖縄まで全国各地に棲息する数多の音楽大好きニーチャン・ネーチャン達から吸い上げた莫大な収益金を,さて一体どこに還元しているんだ? 

 注文したCDのうち3枚が昨日届いた。歌詞カードが付属していないのが少々残念であったけれど,何,付いていたところで,どうせ大してわかりゃしないんだから。

 初めて聴く曲がたくさんある。しかしいずれも,私にとってはずっと昔から馴染み深い,いかにも「レジアニ節」の曲調であり,ディクションであり,声色であり,歌いっぷりである。その心地よさは何とも言葉にはいいあらわせない。アリス・ドナのしっとりと懐かしいメロディー,ジャン・ルー・ダバディーの洒落たフレーズ,アラン・ゴラゲールの風雅,ミッシェル・ルグランの才気,そのようなさまざまな個性から構成された「人生の秋」とでも言うべき音楽世界の中を飄々と浮遊するように流れてゆくレジアニのセンチメンタルな語り,それらのいかにも幸せな邂逅の数々に立ち会えることの喜びに,しばし時を忘れ暑さを忘れた夏の午後でありました。

 それにしても,今年の夏は,あー忙しい (>_<)
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