「真・日本の歴史」 井沢元彦
・国内の異民族を支配した権力の頂点にいる天皇や取り巻きの貴族たちは、穢れ忌避信仰のもと、軍事・警察を嫌い、手放すようになるわけですが、こんなことができたのは、日本が世界中でも稀な孤立した島国であったという、地理的要因が大きく働いているのです。
・中央では、権力維持に絶対必要であるはずの軍事力、警察力を無視するという、他の国では絶対に成立しえない政権が生まれ、中央政府が国の治安維持を放棄したからこそ、穢れを厭わない人々によって、地方で武士団が形成される。つまり、まったく違う習慣を持った「二種類の日本人」が日本という国にいる。
☆☆☆★★
「賢者の書」 喜多川泰
・まずは理解することではない。そのまま受け入れること。それが学ぶということだ。
・何にでもなれるという自由を上手に使いこなせずに、そのチャンスの中に埋もれて、逆に苦しい人生を送っている者が世の中には多い。
・日頃、意識的にであれ、無意識であれ使っている言葉に人が引き寄せられたり、離れていったりする、つまり言葉は出会いや別れを生む。言葉が行動を生み、言葉によってある選択が生じ、決断が生まれる。人は言われたとおりの人間になる。
☆☆☆★★
「平凡という非凡」 芦田祐士
・思考停止していると、「みんながやっているから」「言われたとおりにやっているだけだから」といった具合に、作業内容に違和感を覚えていてもそれ以上考えることをやめてしまい、何も考えずにルーティン作業だけを続け、することがなくなっても指示があるまで手を止めて待ってしまう場合があります。
このような指示待ち人間ができあがってしまう背景には、何を言ってもとりあってもらえなかった、工夫してやってみたことを否定されたなど、「考えても仕方ない」と思ってしまう経験が重なっていることがあります。
☆☆★★★
「エブリシング・バブル」 エミン・ユルマズ
・日本のように人口が減少していく国では、AI化によって仕事が減っていくとしても、同時に人口も減っていくので、仕事の量と人口のバランスがうまく取れる可能性も考えられる。
☆☆★★★
「婿どの相逢席」 西條奈加
・商人は、客に喜ばれてこそ甲斐がある。
・涙もろい人は情が深く、顔に出さない者は薄情けだと思われがちだが、本当は違う。情をどう表に出すかはそれぞれで、同様に、情の深い浅いも外からは量りようがない。ただ、他者に対する行いのみが、その物差しとなり得る。
・夫婦でも親子でも、気持ちの掛け違いは、実に容易く起こり得る。誰よりも近くにいて、共に暮らすからこそ、あらそいの種は、無尽蔵にそこら中に落ちていて尽きることがない。それを毎日、丹念に拾っていくのが、家族を続けていくための秘訣かもしれない。
☆☆☆☆★
「ああ正負の法則」 美輪明宏
・何もしなくても悠々自適で生きていける、食料自給率100パーセント以上の国々と同じように、「休みましょう、怠けましょう、遊びましょう」と政治家のバカどもが休みをバカバカ増やしてしまったのです。
・自分が我慢強く、あきらめやすい人間だという点で自信のある人だけが結婚する資格があるのです。
・何ごとにも必ず正と負は共生しています。相手に対して不平不満だらけで、負だらけだと思っている場合、一度頭を冷やして、相手の正の部分を探してみることです。そして、その正と負の両方を天秤にかけて査定してみることをおすすめします。相手に対して我慢できるようになります。
☆☆☆★★
「最後は言い方」 L・デビット・マルケ
・私は今後、一切命令を与えない。その代わり、われわれの目的は何で、何を成し遂げようとしているかを伝える。
・中断を間違いやミスと呼ぶのはやめるべきだ。中断は中断でいい。
・相手の行動を具体的に言葉にし、その良し悪しの判断や評価は口にしない。とった行動を純粋に描写し、それによって何がよくなったかを伝えるだけでいい。
・パフォーマンスを向上させたいなら、相手がコントロールできること「努力」を労い、コントロールできないこと「成果」には触れないでおく。
・「優秀であろうとする自分」モードになったら、必死に守ろうとする。「もっとよくなりたい自分」は学習と成長を求める。
・ミスを避けようとしていると、何もしなければいいと思うようになり、「優秀であろうとする自分」から抜け出せなくなる。
☆☆★★★