浅草の木材バカ四代

東京下町・浅草の材木屋。四代目社長日記

スティーブマックイーンが材木屋だったら

2023-02-13 00:00:00 | 木の話題

先週もちょっと書いたのですが、1月29日は私の大事な人の命日でした。

去年、94歳でお亡くなりになりました。

見た目がスティーブマックイーンに似ていて、カッコよかった。

子供の頃から可愛がってもらっていました。

小学校の時の夏休みの自由課題は、佐久間木材の林場に落ちている無垢の端材を使って、一緒にいろんなものをつくりました。

4年生くらいの時、潜水艦をつくろうと挑戦したことがあります。

あれは何の木だったでしょうか…。

彫刻刀で地道に削り、塗装して、モーターをつけて…。

実際に潜っていくかどうかを試せる水槽がなかったので、結局ちゃんと潜る潜水艦ができたかどうか怪しいものでしたが、私は大満足でした。

 

ある日の日曜日、やはり林場で遊んでもらっていたら、通りがかりの人が木材を買いに来ました。

適当なサイズの端材を見つけて、「これ頂戴」というのに対し、値札が付いていないのに瞬時に「300円でいいよ」と。

その時、私はどうやって値段をつけたのか不思議に思いました。

木材は立米単価で値段を付けます。

算盤や暗算が得意だったスティーブマックイーンです。

今思うと、その端材の体積を計算し、その樹種の立米単価をかけて、さらにその利用価値を計算して値段を出したのだと思います。

その数分の出来事を、なぜか今でもよく覚えています。

頭がよくて、手先が器用で、物知りで、楽しいスティーブマックイーン。

私の憧れのスティーブマックイーンでした。

安らかにお眠りください。

コメント
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