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「劇場版・銀魂」のことなど

2010-02-17 20:40:07 | days
さて、この辺で公開までかなり日が狭まってきた(でも4月だし)「劇場版 銀魂」のことなど。
といっても、ストーリーなんかじゃなくてキャラとその実在の人物についてのお話。

桂、まぁヅラのことですが。
彼は本物もああやって逃げ回ってるわけです。
有名なのは乞食に身を窶して幾松に助けられながら新撰組をかわして行く、と言うのが定番ですね。
実際、池田屋の時なんて逃げてきた仲間を藩邸に入れない決断をしたのは桂だとか、始めから池田屋襲撃を知っていて自分だけ逃げたとか、いろいろ言われてます。まぁ、当時藩邸は治外法権がありますから錠を閉める意味はなかったと思われるので前者はないと思ってます。
藩邸の外で自刃した吉田稔麿がいるのでそんな話が出たのかもしれませんが。

とにかくヅラは逃げます、地を這いつくばって、仲間の屍を越えて、逃げて逃げて生き残りました。
でも、桂がここまで逃げなければ維新後、長州が新政府の指針を握ることは出来なかったと思いますね。
だって、ヅラクラスはみんな死んじゃったから。
あの西郷が言ってるのよ。
「お国(長州)の久坂さんが生きていたらこの西郷、参議などと申して大きな顔は出来ません。」って。
敵対する(維新後は)薩摩の要人にここまで言われる久坂って本当にすごい人なんですよ。


坂本は海。
陸は慎太郎に任せてる、なんせ「陸援隊」って言うくらいだし。
自分は海を、船を操って商売にせいを出すわけです。
平たくいうと、ようは金儲けこそが国を潤わせるってことを知ってたんでしょうね。
富国強兵にはまず国が富まなくては話になりません。外国から値切り倒して武器を調達することで、龍馬はそういったことを身をもって知ってたんでしょう。

そして、高杉。
彼は若いときに上海を遊学してます。
そのときに、外国に統治される清を間のあたりにして日本も間違えばこうなる!と危機感を抱くんです。
日本が一度も植民地にならなかったのは高杉のこの遊学が発端だと思います。
盟友の山縣もきっとこのことは高杉から嫌になるほど聞かされていたから、
維新後あんなに強行に富国強兵を進めて言ったのではないかと考えられます。

山縣は悪者にされてますけど、彼は長州を溺愛していたんでしょうね。
だから、死んでいった仲間にあの世で合わす顔がないことだけはしたくないと言う気持ちが強い。
それが晩年は皇室にまで飛び火したのは残念な行動でしたけどね。
山縣は嫌われ者として最後は国葬で野辺送りされますが、実はちがうんだ、山縣はこんな人間だったんだと言うのを浅田次郎氏が、ピカレスクロマン「天切り松闇語り」の中で書いています。創作ですが号泣ものです。私が思う山縣そのものです。

話を戻して高杉なんですが・・・
「銀魂」の中で一番史実と変わらぬ姿で登場するのは高杉だけだと思います。
あの狂気は脚色されていないです。
まさに、高杉そのものだから。

容姿はちがいますけどね、高杉は幼い頃疱瘡にかかって死に掛けました。
いいとこの坊ちゃんなので助かりましたけど、顔にはひどい痘痕が残りましたし、馬顔で小男です。
龍馬や桂に比べると一見貧相に見えますし、とても国を動かした人物とは思えません。

それなのに、色街では超人気者です。萩で一番の器量良しと言われた雅子を娶っても家には寄り付かず、愛人のおうのを連れてやりたい放題。
死ぬ前も色街に行くために乗った籠の中で喀血して家に戻ったくらいです。


高杉は狂で人を動かし、踊らせ、感動させる。
狂うと言うことは人を本気にさせるんですね。あの時代は特に。
高杉は出来ないことは口にしないんです、どんなに無茶なことでも率先して動いて成し遂げる。
でも、その原動力は自分が獄に繋がれている間に起こった八・一八政変で仲間を根こそぎ殺されたことに尽きます。
藩士の子として隠れて松下村塾に通っていた自分を分け隔てなく仲間として迎えてくれた友人達の死は、高杉の胸に宿った改革の炎に油を注いだわけです。

松陰が江戸に護送されてからも金銭的余裕のあった高杉がいろいろと援助していますし、亡骸を引き取りにも行っています。
高杉の生涯の師は松陰だたひとりだったのです。
ただ、高杉はやり遂げてしまえばあとはどうでもいいという考えなので、もし維新まで生きたとしても新政府なんかに目もくれなかったでしょうね。
「世界の海援隊」と言った龍馬とは別の意味で懐の大きい男です。


ここに二年くらい「デスノ」並に文字が多い「銀魂」ですが、その文字の部分を空知がどんなふうにスクリーンに映すのか、楽しみです。