平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

16cmバックロードホーン~ミカエル・シニア

2013-12-28 20:50:50 | スピーカー工作
 フィリップスの古典的な16cmユニットを使ったバックロードホーンが片方だけ完成しました。名付けてミカエル・シニア。


バッフル幅が148mm→180mmに広がっただけで奥行きと高さはミカエルと同じ

 構想は随分と前なのですが、設計が終わったのは今年の6月。16cmユニット用にはガブリエルを設計して作ってもらったことがあるのですが、こちらはマグネットが強力なFE163En-S用の大型バックロードホーンです。性格は随分と異なります。

 ガブリエルは幅だけでなく奥行きも大きく、板厚も15mmで重量もあります。本格的なモニターとして使えるもので、繊細感とパワーが両立しています。しかし、今回のフィリップスのユニットはマグネットも小さく、古臭いダブルコーンで高域も伸びきってはいません。また、エッジが波型のコルゲーションエッジで、同じ波型エッジのFE163En-Sと同じく細かい音がよく出ます。


周囲のウレタンがボロボロ

 昔の三菱の放送局モニターもそうですが、このユニットもエッジがコーン紙と一体成型で、コーンから放射される音がエッジで跳ね返らず、自然に減衰する長所があります。これにより、歪が少なく、聴いていて疲れない自然な音が再生されるのです。ただ、近代的なユニットに比べると、どうしても明瞭度などでは負けます。

 左チャンネルだけですが、実際に聴いてみた感じでは、ピアノはハンマークラヴィーアに化けるし、モダンバイオリンも古楽器に化ける感じがします。テノールは少し引っ込みがちですが雰囲気はよく出て、チェロやギターはきつさのない自然な響きです。少し指向性が強いので、ユニットの正面から外れると高域が不足します。でも、想像していたのよりはずっと良い音です。さすがはフィリップス。

 困ったことに置き場所がないので、自分で使うのは無理そうですが、ソニーのV-FETアンプの柔らかく優しい音とのマッチングが良いので、このセットで使って欲しいところです。年明けにはもう片方も完成ですね。

 なお、試みのミカエルを作りたいという読者が増えて、追加で板を注文して来ました。そういえば、試みのミカエルに使える三角断面の隅木を送っていなかったので、来年には隅木を追加で送ろうと思います。組み立ては暫し待つように。

    エフライム工房 平御幸
コメント (2)
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