平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

パイオニア プリアンプ C-90aの修理

2014-04-19 02:16:57 | アンプ製作と修理
 2011年の初頭に購入したパイオニアのプリアンプC-90a。ようやく修理が実現しました。症状は左チャンネルから音が出ないこと。パイオニアでは伝統的にコントロールアンプと呼ぶので、型番もCから始まります。ちなみにパワーアンプはメインアンプと呼んでMで始まります。


修理後のC-90a

 修理内容は、出力付近のリレー交換と、バランスの洗浄と再ハンダ。バランスの基板は真上から微かに見えるので、周辺のケーブルを焦がさないようにハンダゴテを突っ込んで終わり。一箇所だけケーブルの被覆が焦げました。多用されている12VDCリレーはディスコンですが、サトー電気にさえ在庫がある安物汎用品で代替出来ます。

 修理をためらった理由ですが、画像を見てもらえば分かるように、内部結線が悪魔のハラワタ状態。昔に流行った、ビデオ入力付きのAVプリアンプです。今のように5.1チャンネルではないし、入出力もデジタルではありませんが、ビデオデッキやレーザーディスクを繋いでテレビを観るマニア向けの製品です。


C-90aの中身

 僕はAVアンプを否定していますが、その理由は中身を見てもらえば一目瞭然。二枚目の画像はLP再生のフォノイコライザーですが、オペアンプを多用したもので、DENONのPRA2000の2割程度のパーツ。三枚目のフラットアンプ(左側。中央は回路前後の干渉を防ぐバッファアンプ)も、作動入力ではなく上下対称回路で組んだのでスカスカです。中身だけなら中級品。ルックスと機能は高級品という位置付けです。


フォノイコライザー MCカートリッジ用のトランスが見える


スカスカなフラットアンプ

 使われている電解コンデンサーもニチコンのミューズ系が多く、エルナーのシルミック系は見当たらず。高級そうなフィルムコンデンサーも岡谷のVコンが2個だけみたいです。正直言って、修理の途中で情熱が冷めるような感じがしました。

 音はヘッドフォンからしか聴いていませんが、普通というか、悪くもないですが特別なところのない中庸な感じ。不必要な映像入出力系やビデオアンプを取り除けば7~8万円程度の内容だと思います。バブル末期の空虚さが感じられる、そういう意味では時代を彩るアンプです。さて、誰が手を挙げるか。ミカエルクラスのスピーカー用ですね。

4月20日 追加

 自作のオールFETアンプの修理が終わったのでC-90aに繋いでみました。スピーカーはダイヤトーンの30センチモニターに使われた、PW-125というウーファーに、オンキョーのホーントゥイーターを岡谷の6.8μF(マイクロファラッド)のVⅢコンデンサーで低域カットして繋いだもの。耐入力の関係でホーンの下限で喧しくなりますが、微調整している暇はないのでこのまま。

 自作アンプは高域が伸びきっていて、透明で繊細で軽やかで聴き疲れしません。C-90aでも劣化は少なかったので、前回の評価は取り消します。10万円台のプリアンプとして通ります。トランスが大きいので低域の力感もあり、ややひ弱な自作アンプでもチャイコフスキーの『悲愴』を朗々と鳴らしました。フラットアンプの出力がトランジスタではなくFETなので、それでオールFETアンプと相性が良かったのかもしれません。

 それにしても、電圧増幅部はステレオで30mAしか消費しないパワーアンプなのに、なぜ1Aで25Wの中出力MOS-FETが2度も続けて壊れるのか理解に苦しみます。実際、動作状態で触っても石は冷たいままなのに。


    エフライム工房 平御幸
コメント (15)
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