2011年の初頭に購入したパイオニアのプリアンプC-90a。ようやく修理が実現しました。症状は左チャンネルから音が出ないこと。パイオニアでは伝統的にコントロールアンプと呼ぶので、型番もCから始まります。ちなみにパワーアンプはメインアンプと呼んでMで始まります。
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修理後のC-90a
修理内容は、出力付近のリレー交換と、バランスの洗浄と再ハンダ。バランスの基板は真上から微かに見えるので、周辺のケーブルを焦がさないようにハンダゴテを突っ込んで終わり。一箇所だけケーブルの被覆が焦げました。多用されている12VDCリレーはディスコンですが、サトー電気にさえ在庫がある安物汎用品で代替出来ます。
修理をためらった理由ですが、画像を見てもらえば分かるように、内部結線が悪魔のハラワタ状態。昔に流行った、ビデオ入力付きのAVプリアンプです。今のように5.1チャンネルではないし、入出力もデジタルではありませんが、ビデオデッキやレーザーディスクを繋いでテレビを観るマニア向けの製品です。
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C-90aの中身
僕はAVアンプを否定していますが、その理由は中身を見てもらえば一目瞭然。二枚目の画像はLP再生のフォノイコライザーですが、オペアンプを多用したもので、DENONのPRA2000の2割程度のパーツ。三枚目のフラットアンプ(左側。中央は回路前後の干渉を防ぐバッファアンプ)も、作動入力ではなく上下対称回路で組んだのでスカスカです。中身だけなら中級品。ルックスと機能は高級品という位置付けです。
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フォノイコライザー MCカートリッジ用のトランスが見える
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スカスカなフラットアンプ
使われている電解コンデンサーもニチコンのミューズ系が多く、エルナーのシルミック系は見当たらず。高級そうなフィルムコンデンサーも岡谷のVコンが2個だけみたいです。正直言って、修理の途中で情熱が冷めるような感じがしました。
音はヘッドフォンからしか聴いていませんが、普通というか、悪くもないですが特別なところのない中庸な感じ。不必要な映像入出力系やビデオアンプを取り除けば7~8万円程度の内容だと思います。バブル末期の空虚さが感じられる、そういう意味では時代を彩るアンプです。さて、誰が手を挙げるか。ミカエルクラスのスピーカー用ですね。
4月20日 追加
自作のオールFETアンプの修理が終わったのでC-90aに繋いでみました。スピーカーはダイヤトーンの30センチモニターに使われた、PW-125というウーファーに、オンキョーのホーントゥイーターを岡谷の6.8μF(マイクロファラッド)のVⅢコンデンサーで低域カットして繋いだもの。耐入力の関係でホーンの下限で喧しくなりますが、微調整している暇はないのでこのまま。
自作アンプは高域が伸びきっていて、透明で繊細で軽やかで聴き疲れしません。C-90aでも劣化は少なかったので、前回の評価は取り消します。10万円台のプリアンプとして通ります。トランスが大きいので低域の力感もあり、ややひ弱な自作アンプでもチャイコフスキーの『悲愴』を朗々と鳴らしました。フラットアンプの出力がトランジスタではなくFETなので、それでオールFETアンプと相性が良かったのかもしれません。
それにしても、電圧増幅部はステレオで30mAしか消費しないパワーアンプなのに、なぜ1Aで25Wの中出力MOS-FETが2度も続けて壊れるのか理解に苦しみます。実際、動作状態で触っても石は冷たいままなのに。
エフライム工房 平御幸
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修理後のC-90a
修理内容は、出力付近のリレー交換と、バランスの洗浄と再ハンダ。バランスの基板は真上から微かに見えるので、周辺のケーブルを焦がさないようにハンダゴテを突っ込んで終わり。一箇所だけケーブルの被覆が焦げました。多用されている12VDCリレーはディスコンですが、サトー電気にさえ在庫がある安物汎用品で代替出来ます。
修理をためらった理由ですが、画像を見てもらえば分かるように、内部結線が悪魔のハラワタ状態。昔に流行った、ビデオ入力付きのAVプリアンプです。今のように5.1チャンネルではないし、入出力もデジタルではありませんが、ビデオデッキやレーザーディスクを繋いでテレビを観るマニア向けの製品です。
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C-90aの中身
僕はAVアンプを否定していますが、その理由は中身を見てもらえば一目瞭然。二枚目の画像はLP再生のフォノイコライザーですが、オペアンプを多用したもので、DENONのPRA2000の2割程度のパーツ。三枚目のフラットアンプ(左側。中央は回路前後の干渉を防ぐバッファアンプ)も、作動入力ではなく上下対称回路で組んだのでスカスカです。中身だけなら中級品。ルックスと機能は高級品という位置付けです。
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フォノイコライザー MCカートリッジ用のトランスが見える
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スカスカなフラットアンプ
使われている電解コンデンサーもニチコンのミューズ系が多く、エルナーのシルミック系は見当たらず。高級そうなフィルムコンデンサーも岡谷のVコンが2個だけみたいです。正直言って、修理の途中で情熱が冷めるような感じがしました。
音はヘッドフォンからしか聴いていませんが、普通というか、悪くもないですが特別なところのない中庸な感じ。不必要な映像入出力系やビデオアンプを取り除けば7~8万円程度の内容だと思います。バブル末期の空虚さが感じられる、そういう意味では時代を彩るアンプです。さて、誰が手を挙げるか。ミカエルクラスのスピーカー用ですね。
4月20日 追加
自作のオールFETアンプの修理が終わったのでC-90aに繋いでみました。スピーカーはダイヤトーンの30センチモニターに使われた、PW-125というウーファーに、オンキョーのホーントゥイーターを岡谷の6.8μF(マイクロファラッド)のVⅢコンデンサーで低域カットして繋いだもの。耐入力の関係でホーンの下限で喧しくなりますが、微調整している暇はないのでこのまま。
自作アンプは高域が伸びきっていて、透明で繊細で軽やかで聴き疲れしません。C-90aでも劣化は少なかったので、前回の評価は取り消します。10万円台のプリアンプとして通ります。トランスが大きいので低域の力感もあり、ややひ弱な自作アンプでもチャイコフスキーの『悲愴』を朗々と鳴らしました。フラットアンプの出力がトランジスタではなくFETなので、それでオールFETアンプと相性が良かったのかもしれません。
それにしても、電圧増幅部はステレオで30mAしか消費しないパワーアンプなのに、なぜ1Aで25Wの中出力MOS-FETが2度も続けて壊れるのか理解に苦しみます。実際、動作状態で触っても石は冷たいままなのに。
エフライム工房 平御幸
C-90aを私も持っていますが、数年前から左右のバランスが気になっています。しばらくしないと「右」からの音が正常に出力されないことが「多々あります」。また、ノイズトラブルも気になっています・・・。要は、「経年劣化」に悩んでいるのです。
それは兎も角、このアンプをご自分で修理されているのでしょうか?すごいですね。また、「見かけゴージャス、中身中級」とは、これも「ショックなご意見」。私は、ここ10年以上、M-90aとの組み合わせで、パイオニアの「明るい音質」に惹かれていますので。修理のご依頼などを引き受けたことはありますでしょうか。(多分、ないとは思いますが)
C-90aに匹敵する「明るい音質」のアンプをご存知でしたら、教えて頂けないでしょうか。宜しくお願い致します。
その症状ならバランスの洗浄で直ると思います。リレー交換も必要。バランスやボリュームは接点復活剤ではなく、接点洗浄剤の噴霧なので簡単です。
リレー交換は安物の汎用品が代替で使えるので、ハンダ付けできれば誰にでもできます。
自分のところは修理待ちのアンプが何台もあるので、修理依頼に応じる時間はありません。
なお、プリアンプの推奨機種はDENONのPRA2000です。高級パワーアンプ並みのフラットアンプで、松戸の読者の愛用品です。明るい音という個性はないので、要するに本質的に良いアンプです。欠点はリレーが高価で入手先が限られていること。DC漏れがあること。
パワーアンプに何を使っているかで機器の相性が変わるので、基本的にMOS-FETアンプとバックロードホーンを使っていない人へのアドバイスは難しいですね。
適切なご意見に感服致しました。自分でもできるはずの軽度のトラブルということで、今後、もう少し勉強してみたいと思いました。
やはり、PRA2000ですか。バブルの頃に、C-90aとM-90aのセットを購入したのですが、PRA2000の購入も検討したのですが、何分、見かけの「ゴージャス」さに負けてしまいました。SPはDENONのSC-R99です。こちらも今年、エッジがぼろぼろになっていたので、修理に出しました。多少、音の切れが落ちたような気がしますが、私の「耳の衰え」の方が問題でしょう。
それにしても貴重なご意見有難うございます。平さんのBlogを今後、読ませて頂きたいと思いますので、宜しくお願い致します。
なるほど、M-90aとDENONのSC-R99ですか。SC-R99は聴いたことはありませんが、ユニットは金がかかっていますが弱点はネットワークだと思います。
一つ下のSC-R88の画像では、電解コンデンサーにスチロールコンデンサーをパラっています。おそらくはSC-R99も基本的に同じではないかと。
アンプと同じようにネットワークの電解コンデンサーも劣化しますから、これは交換したほうが良いと思います。できれば容量の大きいものでも、電解ではなくフィルムコンデンサーにしたいところ。スペース的に収まればの話ですけど。
スピーカーの音はエッジに左右されます。修理後は最低でも半年はエージングに時間がかかり、三年くらいでベストになると思います。
人気のセーム皮エッジは重いので、能率が下がったり音が鈍くなったりします。元々が厚いウレタンエッジなどからセーム皮に変更したのなら効果はあるかもしれませんが、僕はセーム皮には概ね否定的です。
エッジは紙や布にダンプ剤を塗ったものの方が微小信号を損ないません。音が鈍くなるウレタンエッジにも僕はダメ出しですから。ユニットはダンパーで支えているものが多く、コーンが前傾しないのなら、エッジの代わりに脱脂綿で塞いだほうが良い音です。ウーファーには無理そうですが。
しかし、「6畳下貼り」の安アパートに高さ90cm・奥行き45cmのSPを置いて聞くのは、「シンドイ」ものでした。目の前に、「大林選手」並のノッポがいるわけですから、大音量にのけぞること・・・しばし、参りました。
SP位までなら自作が可能でしたが、アンプ制作となると考えただけでも「尻込み」するほかありませんでした。確かに、ご指摘の通り、SPのエージングを待ちたいものです。 平さんが、どんな分野の音楽を聞かれるか存じ上げませんが、私は「素人のクラシックファン」です。現在は、デサイの『夢遊病の女』をよく聞いています。昔の長岡さんだったら「試聴用のCD」に考慮してくれたかもしれません。(ワーグナーの『指輪』外版を「試聴用」に薦めてくれたひとでしたから。)
ともあれ、私のような「素人の雑談」に付き合って頂いて有難うございます。
C-90aは回路図が入手できます。海外のサイトでダウンロード。ファイル名は↓
Pioneer C90 Service.pdf
http://akdatabase.org/AKview/albums/userpics/10004/Pioneer%20C90%20Service.pdf
30分で音が出なくなるのならリレーではなくてトランジスタの劣化も考えられます。古いアンプなので、増幅率=hFEを調べて全交換がベスト。電解コンデンサーも交換すべきです (^ω^)
その値段だと修理工房ではなさそう (^^;;
修理工房は最高級コンデンサーを取り外して劣悪なコンデンサーに付け替えるので要注意です。どこに頼むにしろ、取り外した部品は添付してもらうほうが良いです。C-90aもディスコンで手に入らない太陽通信の緑色のフィルムコンデンサを多用していますから (・。・)