松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

弓の素材としての櫨 その11

2007-08-12 19:29:53 | 和弓と櫨
以前お伝えしたエントリで、
弓には兵器以上の精神的な意味合いがあると書きました。
弓が邪気を払い、悪魔を恐れさせると考えられたため、
お守りとして破魔弓がありますし、
天皇家で子供が誕生すると「鳴弦の儀」が行われますね。

最近、朝青龍のニュースを見てるうちに、
はたと思い当たりました。

大相撲の弓取り式です。

大相撲が行われている期間、
TVで見る限り、取り組みの最後に力士が弓を振り回す間、
だんだんヒキの画像になっていき
土俵際に散乱した座布団があらわに見えて
観客がどんどん帰っている様子が映し出されます。
弓取り式をじっと見ている人は、あんまりいません。
毎回、あれはなんの意味があるんだろうと
不思議に思っていました。

しかし弓のことを学んだおかげで、
あの弓取り式には大きな意味があるんじゃないかと
改めて思うようになり、調べてみました。

弓取り式は、平安時代に行われた相撲節会で
勝った方の立ち会い役が矢を背負って舞を演じたのが
始まりとされています。

今日の原型ができたのは
寛政三年(1791)、徳川家斉の上覧相撲で、
土俵上で弓を受けた横綱谷風梶之助が
敬い奉り四方に振り回したことからです。

元々は千秋楽のみに行われていましたが
昭和27年五月場所から毎日行われるようになりました。

弓取りを行う力士は、結びの一番で東が勝てば東から
西が勝てば西から土俵に上がります。
↑これは全く知りませんでした。
次の場所から最後の弓取り式を見て
ぜひ確かめたいと思います。
でもカメラが映してくれたらの話ですけどね。

ちなみに弓を落とした場合、
手を土俵につくと負けとなり縁起が悪いので、
足の甲に弓を乗せて、足で弓を上に跳ね上げたところを
つかみ取ることになっているとか。
土俵の外に弓が飛んじゃったら、
呼び出しが拾って手渡すことになっています。
弓を落としたところも見てみたいもんですが、
これはそうそうに見られるもんじゃありませんね。

ところで、この大相撲には当然見るからに和弓が
使われています。
その和弓には、側木や関板として櫨が使われているのでしょうか。

おそらく使われているでしょうけど、
サクラやカエデなども使われているので
100%確証はありません。
そこで日本相撲協会に問い合わせて
弓取り式の弓に櫨が使われているのかどうかを
確かめてみることにしました。

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