縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
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村上ファンドにインサイダー疑惑

2006-06-03 23:51:00 | お金の話
 村上ファンドの村上代表がニッポン放送株取引を巡りインサイダー取引疑惑を受けている。東京地検はライブドアの宮内被告や熊谷被告から相当確度の高い情報を入手したのであろう。立件の難しいインサイダー取引であるにも拘わらず、かつその辺の対策には抜かりのない村上氏が相手であるにも拘わらず、地検は立件に自信を持っているようだ。

 もし村上氏がライブドアによるニッポン放送株大量取得を事前に知った上で同社株を購入したのであれば、法で整斉と裁いて欲しい。
 しかし、もしこれが、わが国の会社組織のあり方を変えよう、既成概念を打ち破ろうとする村上氏を潰してしまえといった“出る杭を打つ”的な措置であれば、即刻止めて欲しいと思う。

 村上氏については、物を言う株主としての積極的な評価と、仕手筋と何ら変わらないじゃないかというマイナス評価とが交錯している。僕は、彼のやり方は姑息な気がしないではないが、彼の日本を変えようという行動は評価できると考えている。初めに彼のファンドに資金を提供したのが、規制改革に熱心な宮内会長のオリックスであったことからも、彼の考え、目的はしっかりしたものだと推察される。
 少し穿った見方かもしれないが、本件は、構造改革を旗印とした小泉首相の退任に併せ、宮内会長など変革を進める人達を一気に叩こうという守旧派の動きの一つでありはしないか。

 だが阪神電鉄を巡る一連の動きを見ると、村上ファンドに変化の兆しが見られるのも事実だ。以前は株主価値の最大化が目的であり経営権を取る事はしないと言っていたのに、阪神では経営権の取得を狙っている。短期的な利益獲得が狙いであった村上ファンドが自らの改革による長期的な利益極大化を目指すようになったのだろうか。
 これには阪神経営陣が無策で、あれよあれよという間に村上ファンドによる株式取得が進んでしまったという想定外の理由が大きいのかもしれない。あるいは、成功を重ねてきた村上ファンドに対して投資家からの要求が更にエスカレートし、氏が大きな賭けに出た結果なのかもしれない。

 こうしたファンドの変化と今回のインサイダー疑惑に何か関係はあるのだろうか。今後の捜査の推移を見守りたい。