25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

アメリカの憂鬱

2017年01月20日 | 社会・経済・政治

 トランプ大統領が誕生した。彼はアメリカの複雑さを体現しているに違いない。黒人、ヒスパニックの増加につれ白人の数が減っていく。その白人の危機感。富を独占するものと、そうでない貧困層。製造業の衰退、貿易の不均衡と感じる人々。教育の格差を感じる人々。もうこれ以上の移民はごめんだ、と思う人々。

  きっとアメリカは病んでいて、かつての自由、人権、平等というものが崩れかかっているのかもしれない。あるいは次の時代の産みの苦しみの最中なのかもしれない。独裁を許さないアメリカ合衆国である。この国の大きさ、寛容さは、いつの間にか、資本主義の最先端的な様相を現すようになってきた。

 イギリスは完全に移民を拒否し、経済的にEUから離脱した。ドイツが再び標的にされているように感じる。

なんだか奇妙になってきた。保護主義傾向が強まりそうである。

 アメリカは中東に関わらなくてもランプ大統領はシェールオイルで自活できる。世界も最大産油国である。強気にでようと思えばいくらでも強気になれる。

 オバマ元大統領は言葉で理想を語ったが、上下議員での民主党が過半数をとれなかったことで現実は苦労した。起伏はあるものの、理念が明確であったオバマ元大統領が示した方向にアメリカは結局は進むのではないかと思われる。それはアメリカがもはや世界の警察官ではなく、大きな政府による社会民主的な自由と平等と人権の保護なのかもしれない。

 日本は多角的、全方位外交をやってもらいたい。アメリカ追従が現実的だと言う人が多いだろうが、凛と独立していただきたい。