稀勢の里の横綱姿がよく似合う。どっしりとした体格だからなのだろう。綱で細く見える。一方日馬富士の場合、やけに綱が太く見える。
麻糸を米ぬかで解きほぐし、綱作りに一門の力士がでて、「ひー、ふー、みー」と掛け声を出しながら、綱を作っていく。土俵入りの練習がおこなわれる。
19年ぶりの日本出身の横綱だということで、ワイドショーはこのような明治神宮での横綱推挙状授与式、奉納土俵入りまでを丁寧に詳しく紹介している。深夜から見物客が明治神宮で並んで待っている。本当に待ちに待った新横綱誕生だった。
白鵬が速く勝負を決めようと、廻しもとらず、押し込んで行った。そこを粘り腰で残って、すくい投げを打った。廻しさえとっていたら白鵬の勝ちだったろう。
この運を、稀勢の里は「別の力が働いた」
と言った。白鵬は稀勢の里が優勝を逃し、横綱になるチャンスを失ったとき、「大関は強い。けれど、運命、宿命のようなものがまだないのでしょう」
というようなことを言った。まさに、白鵬が勢い込んで寄ったとき、稀勢の里に宿命の力が働いた。
さて、白鵬の問題。相撲協会は早く、白鵬に特別年寄りを国籍に関係なく与えるべきだ。これほど相撲界に貢献ぢた横綱おるまい。国籍云々などと言っていたら、それこそ大相撲界も度量が問われるだろう。