25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

掘ってみないと見えない世界の支配

2019年11月06日 | 文学 思想
 iOS とAndroid のスマートフォンやタブレットの製品製造は、彼らが工場うぃもって製造するわけではない。かれらは従来の二次産業である製造業ではないことはすでに多くの人が知っていることだ。アップル(iOS)は自分の工場で製品を作るのではない。部品を発注して、それを集めて組み立てることもアップルはやらない。別の海外の会社がやる。工場を持たない新しいビジネスモデルを作ったわけだ。この話は別として、例えば Google や Apple を運営していくときに、商品製造ではなく、Google(Android)のパソコンの中身のことを少し考える機会を得た。
 Google は翻訳ソフトを作り、地図を作り、アプリを作るプログラムツールもすべて無料で提供している。20年前は単なる検索会社で、しかもヤフーのようにホームページをアップする審査が厳しいわけではなく、どんなものでも無料で検索エンジンを提供していった。このような会社の主力スタッフは幾層かに分かれているように思える。
 1.大構想者の層
 2.大から小までアイデアを出す層
 3.プログラマーの層
 4.パソコンに向かい打ち込んでいく層
 5.規律に従って客をサポートする層
 6.他事務的な層

 2.3は同人物ということも考えられるが、日々、なんらかの知恵が出され、よいとなったらそれが取り入れられ、プログラマーが動き、そこでもアイデアが生み出される。やっている本人は世界を支配していることに気がついていないのかもしれない。ぼくらは「更新」という情報を受ける。世界での支配がはっきりしているから、こちとらはそれに従うしかなく、下手な日本語翻訳の解説文にも文句も言えず、ああでもない、こうでもないと探ってやっていくしかない。その支配を受けないというのが中国である。14億人の人口を抱えておれば、Android や iOS に対抗するものはできる。さらに5Gがあれば、超高速、大容量で通信ができ、スマートフォンとタブレットも5G仕様となる。中国は三番目のプラットフォーマーとして、進出しようとしている。中国市場に入りたい人々は中国版を使わざるを得なくなる。

 ぼくはこれまでアップルやグーグルのやっていることが、つまりは世界を二分した支配とは考えてもいなかった。単なるITの世界でうまくやって、リードしているものとくらいしか思ってこなかった。ところがAndroid を使って便利なアプリを作ってみようとすると、そこには膨大に、練りに練られた戦略が見えてくる。そしてすべてはその戦略の中に入り込んでやるしかなく、それは便利でもあるが冷たくもあり、ごそっとお金を吸い上げるシステムになっている。このまま進んでいくと、この世界もただ言われたことをこなすだけのプログラマーはAIに変わり、アイデアを出す者だけがAIを使っていくのかもしれない。

 GAFA になぜマイクロソフトがついていないのか不思議だが、マイクロソフトも含めて、これらの存在は今後物議を醸し出すことだろう。 無駄と便利が入り混じったパソコン、スマホ、タブレットの世界。毎日格闘していて、便利さも巨大な悪のようにも思えてくる。コンピュータはシンプルに便利なものではなかったか。今は超複雑になっている。人間がいろいろなトラブルを起こし、ハッキングし、違法行為をやり、となるから複雑化しているのである。