エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

原っぱのはじっこで秋を乞い願う

2010年09月14日 | 日記
蒸し暑い。
真夏日である。



昨日、ぼくは原っぱのはじっこで空に両手を突き上げ秋を乞い願ったのである。
こうした広い空間で、何かを祈願するのは気分の良いものである。





         原っぱの中へ

原っぱの秘密に
ぼくが憧れたのは
嬰児(みどりご)の時代であるのかもしれない
原っぱの草いきれや
小さな隠れ場のそこかしこに
生き物の気配が横溢して
生き物と共有する時間と空間が
そう
珠玉の存在になって
ぼくを成長させたのだ

生き物の気配だとか
時空の広さは
大人の感性では捉えきれない
不思議な形而下の夢だ

原っぱの秘密に
ぼくはいつだって憧れていた
母の胎内にあって
豊かな揺籃の刻印
リズムの中にあったとき
母の胸に顔を埋めて乳を貪っていたとき

あの嬰児の時代に
いまぼくは戻りたいと
切実に希求する
気配と空想の間(はざま)で
母の胎内は豊かに広がった
母の重みがぼくに迫ってくる
いまでも迫ってくるのだ
揺籃と呼吸のリズムの間で
ぼくは母の胎内

原っぱだと
思ったのだ

母の胎内にある
豊かで深い沈黙よ
色彩の無い
だがしかし極彩色で染め抜かれた
時空に

ぼくは両手を突きさして遊ぶ
珠玉の存在と




突き上げた手指の先に広がる空。
その空が本日をもってコペルニクス的に変わるというのだ。

太平洋高気圧が後退する。
そして大陸の高気圧が涼しい空気を運んでくるのだ。

本格的な秋がやってくる。






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                     荒野人