エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

67年目の原爆忌

2012年08月06日 | ポエム
今日は原爆投下から67年の夏である。

体調が悪いと言っていられない。
奇しくも、ここ東京では雨がそぼ降っている。

原爆投下、黒い雨が降った。
井伏鱒二氏は小説「黒い雨」を発表している。

ここまで書いて、外で雨の音が激しくなってきた。
涼風が、レース越しに部屋に入り込んできている。







「ヒロシマの夾竹桃咲けり原爆忌」


「原爆忌巡りくる日の鐘の音」







人のなせる業として、未来永劫に糾弾されるのである。
8時15分、テレビから聞こえる鐘の音とともにぼくは黙祷を捧げた。

若かった頃、何度となく訪れた広島の地に想いを馳せた。
何時だって、熱い日であった。

とりわけ、夕刻になると海風が止んで「蒸し風呂」のようであった。
「夕凪(ゆうなぎ)」で風がパタリと止むのである。

原爆ドームのある平和記念公園は、元安川と太田川に挟まれている。
ぼくはその畔を彷徨い歩いたのであった。



歴史は刻まれていく。
原爆の悲劇を風化させてはならないのである。




    荒野人