エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

蝉落つ

2012年08月30日 | ポエム
久しぶりに、ウロコ雲の片鱗が空で描かれた。
カンカン照りで無かったからであろう。



こう連日真夏日が続くと、暑さに喘ぐと言うより、暑さを笑ってしまうしかないのである。
だがしかし、昨日は雲が多かったからであろうか、夕刻からは多少涼しくなってきたのであった。



こうした雲は嬉しい。
そうであるけれど、雲の混沌と言わざるを得ない。

スッキリと秋の雲とは言えないのである。
陽がトップリと暮れた頃に涼を求めて散歩に出かけたのである。







「この場所が終の棲家か蝉落つる」







蝉が落ちていた。
落ち蝉という季語は無いけれど、通常は晩夏を指すのだと思う。
からまつの立花さんに問い合わせたところ、晩夏だろうと仰っておられた。

でも、ぼくは初秋としたい気分である。

蝉は、道路の白線部分、街灯の下で息絶えていた。
先ほどまで、頑張って鳴いていたのであろうと気分が沈んだ。
とまれ、この暑さはセミにとっても想定外であったに違いない。

季節の残酷さも垣間見える今日この頃である。



     荒 野人

追伸 今日も暑くなりそうである。
   御同輩。
   くれぐれも無理なさいませんように。