エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

空を見上げている

2012年08月19日 | ポエム
ここのところ、毎日空を見上げている。
旅心が疼(うず)いてならないのである。


 旅に病んで夢は枯野をかけ廻る  芭蕉


芭蕉翁の人生観が横溢した俳句である。
芭蕉の諦観とでも言えようか。

旅を棲家とした芭蕉らしい句である。



「月日は百代の過客にして、行きかう年もまた旅人なり。」
「奥の細道」の書き出しである。
発句は、

 草の戸も住み替わる代ぞ雛の家

である。

ぼくは雨上がりの午後に雲の峰を眺めて回った。







「旅心疼いてならぬ秋の空」


「雲の峰生々流転の旅に出る」







今日の雨はゲリラ豪雨となった。
洗濯物を取り込んでいる間に、部屋に吹き込んだ雨は、畳を濡らし、机上を濡らした。



モクモク、あるいはまたムクムクと雲は湧いてきて、入道雲となった。
この入道雲の下では豪雨と雷が轟いているのだろうか?



それにしてもおかしな天気が続いている。



そろそろ旅に出ないと、ぼくは閉塞という状況に絡めとられ細胞が死んでしまいそうである。



     荒 野人