エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

今日の大気は暖かい

2010年02月24日 | 日記
今朝、発見した春の訪れ。
昼前から気温は上がって暖かいのである。

いまも、ぼくは腕まくりでこのブログを書いている。
飲み物は「アイス・オーレ」である。

朝、駅に向かう途中に見つけたのである。
この小さな庭は、住まう人が居なくなった空き家の前にある。
かつては、お住まいになっていたおばあさんが綺麗に手入れをなさっていた。

その遺産のような可愛い花である。



ハナニラである。
この小さな庭は日当たりがとても良い。
早々と花を見せてくれるのである。



咲いていたのは、この二輪であった。
それでも嬉しい。

今度の散歩では、ハナニラが群生している一画を訪ねてみようと思っている。
青い葉を従えて、咲いているだろうか?

楽しみが増えたのである。

このハナニラの先に、少しだけ香りを残した花があった。



蝋梅である。
もう殆ど樹に残っていないけれど、この枝とあと数本に花が残っている。
樹に残っていても、汚くなってしまった花がある。

そうはいっても、最後を迎える花たちもついこの間までは芳香を放ち咲き誇っていたのである。
だから、汚くなったのではなくて「しめやかな花の終わり」であると言うべきであるのか!

人もそうである。
最後は、しめやかであらねば・・・と思う。
年相応の終わり方を迎えるのは難しいのである。




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冬の薔薇に!

2010年02月23日 | 日記
冬の薔薇は、妖しく咲き誇る。



分け入って行きたい衝動を覚えるのである。
花弁の厚みこそが、薔薇の神秘であると言っても良い。



この白さと滑らかな触感は、女神の肌のように輝いて迫ってくる。
汚れ無き白さは冒(おか)してはならないのだ。



黄色は、眼や脳の疲れを癒してくれる。
中国では「黄」は淫靡であったり不健康の色とされているのだけれど、けっしてそうでは無いと思う。



日焼けした女性の肌には、黄色のTシャツが良く似合うし、金色のネックレスやブレスレットが良く似合うのである。
それは、健康の代名詞でもある。



様々な色が冬の薔薇を彩っている。
ぼくは、温室でこの写真を撮ったのである。

美神はぼくの上に降臨したと錯覚してしまった。
美神は、奔放であってぼく一人のものではないのだと自覚しなければならないのか!





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時間という静謐(せいひつ)

2010年02月23日 | 日記



       静 謐


     音もなく舞う
     水に吸いこまれるように
     落ちていく
     落ちて溶け
     もとの姿に戻っていく
     結晶も霧消する
     クラスターが摩耗するでも無く

     時間という静謐が
     過ぎ去っていく

     音を消して舞い降りる
     舞う姿で
     空間を乱すことはない
     乱すのは
     時間の滞留だ

     時間が過ぎ去るのは
     錯覚だ
     雪が降り積むと
     時間が滞る

     静謐は時間が規定し
     時間が組み立てる
     堅牢な
     空間のなかに
     ある



ぼくは、雪の風景が好きだ。
少なくなった降雪が懐かしくもある。





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ジュウガツザクラと多行松

2010年02月22日 | 日記
いま咲いている桜は、代表格としてカワズザクラ、次いで寒緋桜、寒桜と言って良いと思う。
しかし、着いている花の数こそ少ないけれど「ジュウガツザクラ」も楚々として控えめに咲いている姿が微笑ましいのである。



枝によっては、一輪しか咲かせていない。
その風情はたおやかである。



こうした咲き方も良いものである。
満開こそが桜!と思っている節があるけれど、咲き方に棹差(さおさ)す生き様もあって良いではないか。

次に珍しい松である。
「多行松」という。
タギョウショウである。



形が面白いではないか。
まるで巨大なキノコである。

この樹の陰も面白い。
冬枯れの芝生に自分の姿を投影している。



この多行松の下から空を見上げると、鮮烈な松の青が鮮やかである。



誰がデザインしたのだろう?
というほど面白い。

こうして覗く空は楽しいのである。
ぼくは空と雲が織り成すデッサンが大好きなのだ。
空と雲には、無尽蔵にキャンバスを提供したいのである。




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もう一回「六義園」の雪

2010年02月22日 | 日記
昨日は暖かかったですね。
今日からは当分暖かいのだ!と天気予報が伝えています。

そうだと良いですね。
「春まだ浅く・・・!」であります。

昨日に続いて、もう一度雪の六義園です。



亭(あずまや)の丸窓から、雪景色を伺うのは風流である。



この庭園は池を中心に回廊が整備されている。
池も見る角度で趣きがかわって風雅である。



とりわけ、雪の庭園は何とも言えない景色が出現する。

雪が水に落ち、溶ける・・・。
雪が舞う。

輪廻転生、生々流転。

時空の存在が訝(いぶか)しくさえ思われる佇(たたず)まいである。

渡りの鴨が一羽、悠々と池を滑っている。



この雪の中で、中国人の一団がはしゃいでいた。
日本の造園技術は優れているけれど。中国の造園もスケールが大きくて優れている。

今度、機会があったら中国の庭園を紹介したいものである。



この坂道の奥には、雑木林があって野趣豊かな雰囲気を伝えている。
あまり手を入れていない風にみえるけれど、確かに人の手が入っている。

人の手を感じさせない野趣は見事なのである。



この栞戸(しおりど)の向こうに声をかけて、もし許されるならお抹茶の一服でもいただければ幸いである。

しかし、今日は雪の日。
訪なう者もいないのであろう。

手前までは人の足跡があるけれど、戸の向こうには足跡一つ無いのである。




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