エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

デジブック 『馬鈴薯の花』

2012年05月26日 | ポエム
ジャガイモの花は、誰かに食べられるために花開かせるのである。
例えば豌豆、茄子、トマトの花などもそうだ。



食べられるために咲く花は美しい。




デジブック 『馬鈴薯の花』





時あたかも、金環日食と合わさった。
馬鈴薯の花の後に、天体ショーの俳句も付け加えたのである。



久しぶりに、からまつ同人の立花さんとのジョイントとなった。
楽しんで頂ければ嬉しい。




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  荒 野人

湯ノ湖という静謐

2012年05月25日 | ポエム
湯ノ湖は堰止湖である。
ダム湖では無い。
従って、例えば奥多摩湖の様なよそよそしさは無く、静謐であり自然に溶け込んだ佇まいを見せているのである。

辿りつくまでの関所。
一つは、佐野ラーメンである。



大盛りを注文すれば、海苔に佐野ラーメンと書いてある。
しっかりとした海苔である。



普通盛りだと、この海苔。
差別化がしっかりしている・・・けれど、この差別化は頂けないではないか!

関所のその2。



戦場ヶ原だ。
戦場ヶ原を貫く道路は、ロマンチック街道である。



この道路を何処までも進めば日光の奥座敷に辿り着くのである。



ドライブとしては最高に楽しい。
雲も林も、いまだ全てが枯れている。



春はまだ浅い。
だがしかし、林の向こうに湖面が見え始める。







  霞み刷く山肌滑る湖の朝  野人


  雲乱れ深山の朝の水温し  野人







静謐を字で書いたような湖である。



この湯ノ湖は四季折々に美しいのである。
四季を踏破したことはないけれど「四季折々に美しい」と確信させる。



ホテルの部屋から望む湯の湖だけれど、木々が邪魔をして完全に見せない。
それが誠に慎ましやかに感じられるのは何故だろうか。

今夜はここに投宿する、という心のゆとりだろうか。





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  荒 野人



なんだかな・・・

2012年05月24日 | ポエム
過日、バリトン歌手ディスカウの逝去を語ったのだけれど・・・。
今日は、日本のオペラに多大な貢献があった畑中良輔氏が亡くなったのである。
彼も又、卓越したバリトン歌手であった。

ぼくの時代が、どんどん終わっていく。

畑中氏は、リリックな声を持ち、その音楽的解釈力の探さと卓越した演技力は、デビュー当時より高い評価を受けてきた。
特にオペラではモーツァルト歌手として第一線に立ち、「魔笛」のパパゲーノ、「フィガロの結婚」のフィガロをはじめ、モーツァルトのオペラの本邦初演の主役のすべてをつとめたのであった。

ぼくは、声楽に夢中だった時期の思い出が深いのである。



コールユーブンゲンを歌っていた頃の事である。
キチンとサラって、その日の分を歌ってない時が多々あったものだった。
その時には、畑中良輔氏のソノ・シートを聴いて付け刃でレッッスンに行ったものであった。
今どきの若者には、馴染みの無い言葉「ソノ・シート」である。

ソノ・シートは、通常のレコードと異なり、極めて薄く容易に曲げることができる程度に柔らかいため、雑誌の付録や印刷された台紙などに透明な盤を貼り付けたメッセージカード等に利用されたものであった。

因みに、この本はぼくの歌っていた教則本と同じものである。



これはコンコーネという教則本である。
これは流石にソノ・シートは無かった。

このコンコーネは畑中氏の編纂となっている。

懐かしい教則本である。





  なんだかなと言って汗ふく我が世代  野人





畑中良輔氏の逝去を悼み、謹んで哀悼の誠を捧げるものである。





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  荒 野人

とある絵画の個展

2012年05月24日 | ポエム
国立駅南口から徒歩1分。
国立のギャラリーで、絵画の個展が開催された。



金沢四郎氏の個展である。
ヨーロッパやアジアを歩いてデッサンされ、油絵として昇華された作品の展覧である。



会場内で写真などというのは無作法であろう、と推惟したのである。
これは案内状に印刷された作品である。
アイガーの姿である。

手前のお花畑が効いている。
斜面に点在する山小屋、バンガローの趣も絵画に色を添えた。



この作者は俳人でもある。
観察の深さが、きっと画風に転化しているのであろうと推測できた。

俳句とは、観察であり人間の成せる技であるからである。
ぼくは、この俳人と対面した事は無いけれど、ぼくの所属する「からまつ俳句会」の同人であり選者も務める達人である。

俳号は「風花」さん。
金沢風花さんである。
会場に、デッサンがコピーされて置いてあった。

その一枚ごとに俳句が書き記されている。
旅の楽しみ方の深さが感じられたのであった。

数十点の作品のうち、ぼくが気に入ったのは会場に入って左側に展示されていた数枚のうち、一本の桜の樹を描いた作品であった。
満開の桜が描かれており、満開の桜花の一部がぼかされている。
風が描かれているのであると推測し、鑑賞させて戴いた。

それは、見事な風であった。

会場を辞して、駅周辺を少しだけ歩いた。



この駅には「ブランコ通り」がある。
洒落た名前である。
気の効いた雑貨やらを鬻ぐ店があった。

帰宅する途次、みかんの花が咲いている風景に出合った。






  うたかたの気配のごとき蜜柑の花  野人






良く晴れた日であったけれど、油絵を鑑賞した後に味わう感性の揺らぎが「うたかた」という語彙を紡いだのであった。



空は澄みきっていたのである。







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  荒 野人

戦場ヶ原から湯の湖温泉へ

2012年05月23日 | ポエム
湯の湖温泉は、まさに日光の奥座敷である。
春まだ浅い寒気に包まれているのである。
その分、大気は澄んでいて美味い。



龍頭の滝を通って、戦場ヶ原に向かう。
快適なドライブである。



龍頭の滝周辺は桜が咲き初め春の兆しに溢れているのである。
日光を下ったとしたら、こんな風に桜は見る事が出来ない。

桜を二度見られるのは幸せである。



だがしかし、戦場ヶ原は「春まだ来」の気配である。



戦場ヶ原の緑と言えば、柳の若葉である。






   戦場ヶ原にて

  無辺なる山麓までも春浅く  野人






この木道を進んでみた。



春の気配を少しだけ感じられたのである。



下萌えの兆しがある。
この戦場ヶ原を過ぎ、湯滝の上が「湯ノ湖温泉」である。



これは湯滝の上である。
明日、改めて湯滝と湯ノ湖温泉を紹介したい。
今夜はその温泉に投宿するのである。





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  荒 野人