=118 ~木の因数分解~(家具工房つなぎブログ)

南房総でサクラの家具を作っています。ショールーム&カフェに遊びにおいでください。

studio SARI

2010年10月01日 | 【インタビュー】木の先人方
名古屋では、
この春から独立を始めている名古路くんの工房にお邪魔させていただきました。

工房の内装などを自分で行い、まさしくこれから本格稼動というところでした。
「木漆工品」というジャンルで勝負するこれからが楽しみです。

HPはまだ製作中でしたが、今後もチェックさせて頂きたいと思います。

→studio SARI HP

帰り際にお母様にお会いしました。
もともとは名古路くんの兄と私が大学のゼミ仲間という縁だったのですが、
その昔に一度名古路くん宅に泊めていただいた時のことを覚えてくれていらっしゃりました。
とてもおっとりした優しい話方で、
兄も名古路くんも、包み隠さず自身の知っていることをいろいろ教えてくれるいい人なんですが、
こうしたお母さんだったから、息子さんも優しく育ったのかなと思いました。

ありがとうございました。
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倉敷にて

2010年09月25日 | 【インタビュー】木の先人方
アーツ&クラフツビレッジの原田さんのご紹介で、倉敷で蔵を活用した家具ショップをされている守屋さんをお訪ねしました。

職人と使い手の顔の見える関係で成り立っていく生活を、
倉敷という舞台で構築していくことを目指し、
デザイナーという立場から家具だけでなく地域社会のデザインにも活躍されている守屋さんのように、
私も地元房総の地域社会に貢献していきたいと思います。

そして、
「社会の真ん中を向いて仕事をしたほうがいい。そのほうが影響力はより大きい」
という言葉を大事にしていきたいと思います。
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アーツ&クラフツビレッジ訪問

2010年09月24日 | 【インタビュー】木の先人方
岡山で有名な工房、アーツ&クラフツビレッジに伺わせて頂きました。

手紡ぎの作家である代表の原田さんが、お仕事の手を休めてお話してくださいました。

山の中にある廃校を活用して大変趣のある空間でモノづくりをされていて、きっとモノづくりとそれを生み出す環境には深い関連があるんだなーと思いました。



家具の作り手である長尾さんは、イギリスでの修行もされていてアーツ&クラフツを形にしていらっしゃいます。
普段使いの中から生まれる素朴な美を私も目指していきたいです。
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クラポの工房から見える常念岳

2010年01月09日 | 【インタビュー】木の先人方
安曇野にある人気家具工房のクラポは、
注文が多すぎて昨年末までオーダー受付一時休止していたくらいでしたが、
この1月から再開されました。
それでも納品までに5ヶ月です。

私が初めてクラポの家具を拝見させていただいたのは、
と言ってもネットですが・・・
昨年の5月くらいでしょうか。
松本近辺での工房見学先を探していたときでした。

偶然見たHPでしたが、
その洗練されたデザインに大変関心を持ちました。
その後、学校の先生からなども人気のある工房であることを改めて知ったのです。

早速現在のデザインに至るお話を伺ったのですが、
デザインはともかく、
独立して10年くらいは、無垢の家具よりはフラッシュの仕事のほうが多かったそうです。
「とにかく頂けた仕事がうれしくてなんでもやりましたね。続けていくために。」

そう代表の上野さんはおっしゃっていました。

独立の厳しさを知ると同時に、
こうやって夢を叶えた方のお話が聞けたことは私にとって大変な財産になりました。

上野さまありがとうございました。

→クラポHP
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ハートクラフトご訪問

2010年01月06日 | 【インタビュー】木の先人方
はじめての椅子作り
加藤 晴子
山海堂

このアイテムの詳細を見る


千葉県の実家に帰った際に、こちらの本の著者加藤さんの工房を訪ねてきました。

外房の海から少し内陸に入った田園の中にある素敵なご自宅と工房でした。
越されて3年とおっしゃっていましたが、庭には以前から生えていたのでしょう。何本もの立派な木が立っています。

工房の中には私が今まで訪問させていただいた工房のような昇降盤とか自動鉋とかそういったものが見当たりません。
お聞きすると外国製の昇降盤にも横切り盤にもなる機械を使い、
直角などはルーターやトリマーを最大限に駆使して作業を行っているそうです。
限られたスペースで仕方なくというようなお言葉でしたが、
空間や機械がなくても工夫次第でいろいろやり方はあるんだということを
教えて頂けました。
またそうした工夫によって、加藤さんはルーター使いになられたように、
自分の得意な武器を作ることが大事なんだなーと思いました。

加藤さん、お正月明け早々にお邪魔させて頂き
本当にありがとうございました。

→ハートクラフトHP
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伊那技専先輩にお会いする

2009年12月23日 | 【インタビュー】木の先人方
先週、伊那技専の先輩を訪ねる機会がありました。

昨年、東京のイベントでお知り合いになれたのですが、
学校のすぐそばに住んでいらっしゃるとは露知らず、
灯台下暗しというか
ようやく訪問させて頂くことができました。


Yさんは、
学校卒業後、学校のインストラクターもされ、
その後、なんとカナダ留学。
しかもただの留学ではありません、もちろん木工留学です。

カナダで学ばれたことと日本の違いを聞いてみると、
「鉋」
でした。

日本の鉋はもともと大工道具からきている影響でしょうか。かなり大きい。
一方、Yさんの手作りの鉋は、日本のものとは形が全然違い、
幅が狭く高いグリップで、とにかく持ちやすそう。
下端が平らなところも大きな違いだとか。


また、この後作ろうと思っている椅子についてアドバイスを求めたところ、
「何も考えず、ザチェア作ってみたらどう」
という言葉を頂き、それがありがたかったです。

椅子をデザインするなんてまだまだ。
それよりも名作中の名作といわれるザチェアを、何も考えずまず真似するところからはじめることはきっと大きな勉強になるでしょう。

他にも機械についても、具体的なお話を頂き、
本当にありがとうございました。

またうかがわせてください。
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必需品の時代になる (前田木藝工房/アトリエ・エムフォオ訪問)

2009年11月29日 | 【インタビュー】木の先人方
本日は、前田木藝工房/アトリエ・エムフォオの工房見学会に参加させて頂きました。

松本城のお堀から東に向かい、つづら折りの山道も越えた山のなかに、大変魅力的な建物として工房&母屋がありました。
景色がよければ松本市街を一望できるようでしたが、本日は雪でも降ってきそうな天気だったのが残念でした。(写真)

こちらの工房は有名ですのでご存知の方も多いかと思いますが、伊豆から東京に出て当代指折りの指物師となったお祖父さんを持つ前田純一さんと、息子さんの前田大作さんの工房です。
そのため、指物という日本の伝統工芸を徹底的に追求しながら、一方で純一さんは木と金属の融合、大作さんはカラマツという素材を使った新しい家具づくりに挑戦されてきました。

私は「工房信州の家」のモデルルームで、鉄の脚のついたテーブルを直接拝見したことがありますが、木と鉄、一見すると正反対のようなこの2つの素材が実に融和して見えました。
この理由は、純一さんの「錆びるもの、土に返るものを使う」という言葉が説明してくれています。木と鉄、それらはともに自然のもの、そこいらに放っておいても地球に害のないもの、すなわち土に返るものだったのです。
そのため金属のなかでもステンレスなどの錆びない素材は使われないそうです。

しかし、指物師でありながら、
木以外の素材を扱ったり、最適な方法を純粋に考えたためにネジを使った組み立てなどにも取り組んだ結果、昔はほうぼうから非難の声もあったようです。
でも、継続し実績を残すことで世の中は認めてくれるのだと思います。

前田木藝工房/アトリエ・エムフォオのコンセプトは、
「生活とともに」
です。
生活必需品を作る、生活必需品しか作らない、つまり不要なものは作らないということです。
単なる飾りになったら道具でない、
必要だからこそ美しい
ということでしょうか。

そして、これからの時代、つまりモノが行き渡ってしまった現代のあとには、
「本当に必要なもの、必需品しか売れない時代」
になるとおっしゃっていました。

これからの時代の私たちにとっての必需品とは何か?
難しいですが、それは自分で考えなけければいけませんね。

その他にも母屋のストーブを囲んでいろいろ有意義なお話を伺いました。
ありがとうございました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以下は参加者の質問・応答内容を私なりにまとめたものです。
表現など至らぬ点がありましたらお詫び申し上げます。

Q:カラマツの家具に取り組んでおられますが、今後の展望はどうでしょうか?
A:有望だと思います。日本はもともと針葉樹文化で、建物でも家具でもスギ、ヒノキ等で作っていた時代が長かった。近代に入り西洋の文化の流入とともに家具の分野では広葉樹の利用が広がったが、いずれまた針葉樹の文化に戻ってくると思う。針葉樹で作られた家具はやわらかく傷つきやすいと言われるが、「傷つきやすいからこそいたわって使う」というユーザーの心配りも必要になってくると思う。モノに対する考え方や本物を見ることができるというユーザーの伝統というものも存在すると思う。それも育てていかなければいけない。
また広葉樹資源の減少とともにいやでも国内の針葉樹に目が向けられるのではないかと考えている。

Q:どういうことを大切にして設計を考えたらいいでしょうか?
A:まずは、お客さんが喜んでもらうことです。そしてそれだけでなく、木も喜び自分も楽しいこと。三方良しの考えですね。
またここでは、弟子が当番で料理を作っていますが、おいしい料理を作れない人はいい家具も作れません。料理をは食べる相手を考え、味、盛り付け、器を整える。この考え方、訓練が重要です。食べ残しがあったら何か問題があるはず、家具の売れ残りにも問題があると考えるといいと思います。
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「家具工房 吉田屋」 作れないものはない

2009年11月14日 | 【インタビュー】木の先人方
見てください、この高台から眺め。

家具工房 吉田屋さんからの眺望です。すばらしいですね。


本日は、クラスのOさんと、伊那市の長谷にある吉田さんを訪問させて頂きました。

吉田さんは華麗なマスコミ業界から木工家に転身されてはや12年あまり、今では木工とレストラン、畑仕事の3つをバランスよく組み合わせ生活されていらっしゃるそうです。

工房に入ると、吉田さんが事前におっしゃっていたとおり、おがくずの山でした。腰くらいまであって、もうすぐ機械がうまってしまいそうです(笑)
おがくずの始末は各工房ともいろいろと手立てを考えなければいけない、意外にも重要な問題のようです。

それ以外にも、小生はずけずけと細かな質問までさせて頂き、それに対し吉田さんは包み隠さずお話いただき、木工家として独立するにあたり大変貴重なお話を伺えました。
本当にありがとうございました。

なかでも、私が一番「そうだ」と思ったことがあります。

それはこの工房を建てたお話です。

そう、この工房は吉田さんご自身で建てたしまったそうなんです。

ツーバイフォーの本を買って読み、ホームセンターで材木を買ってきて、いざ!
って感じで。

「えぇ~ ホントですか」

と私。

この広さくらいだと材料は三桁万円いかずに済むそうです。

もちろん、吉田さんの能力と努力があってこそ完成したと思いますが、

「作れないものはない」

という、ものづくりの原点みたいなものを再度気づかせて頂きました。

私も将来の独立の際の資金については、頭を悩ませていましたが、
いろいろ具体的な情報や数字を教えていただき、大変現実感が湧いてきました。
そして、
「金がないなら、自分で作れ」
ということを意識しました。

吉田さん、本当に本日はありがとうございました。


◆家具工房 吉田屋

◆雑穀&地元野菜のレストラン「野のもの」 奥さんがメインで開いているレストラン

◆書籍「日々雑穀」 吉田さん夫妻の書籍ができました

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メジャーリーグを目指せるか

2009年11月01日 | 【インタビュー】木の先人方
先日訪問させて頂いた工房の社長が言っておられた言葉です。
そちらの工房はキッチンがメインです。

「自分の好きな机とかイスとか作って食べていけるのは、野球に例えればメジャーリーガー、そこまでいかなくてもプロ野球の選手になるくらいのことだと思う。」

社長は確率の話ということでおっしゃって頂いたのですが、
私はその話を聞いて、
自分が家具職人でやっていくには、それくらいの覚悟が必要だということを認識しました。

「覚悟」

ハッとしましたね。
今まで「木工で食っていくにはきつい」という話はたくさん聞き、なんとなくは自分でもわかっているつもりですが、
「じゃあ、どれくらいきついか」ということは、なかなか具体的には表現できません。
または、「オリジナルなものを作って競争しない」
なんていう安易な発想も頭の片隅にあるかもしれません。

でも現実はそんなに甘くはないでしょう。
競争して競争して、メジャーリーガーを目指す。
そんな覚悟と高い目標も持たなければいけないかもしれません。

自分自身に問いかけてみましょう。
「お前はメジャーリーガーを目指せるか」
コメント (2)
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清水工芸さま

2009年10月19日 | 【インタビュー】木の先人方
宮内庁にも商品をお納めしている清水工芸さまは、ホテルや店舗の据付家具のほかに椅子の製作においても長い歴史と高い評価のある会社です。

初代社長自身が椅子職人であったことから、社内では椅子の製作だけでも木工と張りなど部門があるそうです。

最近、家具というカテゴリーを離れて「椅子」というものがブームであり、作り手も増えてるかなと思っていた私ですが、清水社長いわく本物の作り手というものはそれほど多くない。これからますます本物が必要とされる時期が来るでしょうとおっしゃっていました。

清水社長、ありがとうございました。

◆株式会社清水工芸

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