=118 ~木の因数分解~(家具工房つなぎブログ)

南房総でサクラの家具を作っています。ショールーム&カフェに遊びにおいでください。

「習作が一番勉強になる」

2009年10月08日 | 【師の教え】田中語録
家具作りでは、いいもののそっくり真似をして作ってみること=習作が一番勉強になる。
ただし、そのまま売り物にしてはいけないことは当たり前。

(校長先生)
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「完成形から考えろ」

2009年09月24日 | 【師の教え】田中語録
いよいよ自主製作がスタートします。

各人が悪く言えば好き勝手なものを作りはじめるのですが、まずは最初に設計をしなければいけません。

その際に先生から一言。

「完成形から考えろ」

これは、設計や工程、作業方法などを作っていく順番通りに考えるのではなく、逆に完成形や最も難しい工程からブレイクダウンして考えろということです。
こうすることで、作業がスムーズになったり問題を予め把握することができるのです。
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「ちょっとした手間隙をかけろ」

2009年09月16日 | 【師の教え】田中語録
本日の塗装の時間、校長先生のお言葉です。

塗装の前段階として、素地調整、つまり紙やすりによる研磨がのちのちの塗装の出来具合に大きな影響を与えます。
そのためにみんな必死に紙やすりをかけていますが、実は必死にやればやるほど平らな面が傾いてしまったりしてだれてしまいます。

それを防止するために、研磨する材よりも少し狭い幅の木っ端に紙やすりをまいて削ると平らに削れるそうです。

この「木っ端を探して巻く」
という一手間が、いい製品を作るには大事だということです。


家具を買ってくださる方の中には、目の肥えた方もいらっしゃれば、家具に対して、言葉は悪いですが素人の方もいらっしゃいます。

たまたま、家具を買ってくださる方が素人であればあまり細かいところは指摘されないかもしれませんが、製品を作るときは、いつもあくまで「プロのお客様に見ていただく」気持ちでやらなければ上達しないとも教えていただきました。

常に高みを目指していきましょう。
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「迷ったらウレタン」

2009年09月10日 | 【師の教え】田中語録
今週から塗装の授業が始まり、校長先生の授業を受けています。

本日は、各種塗料の特性についてご講義頂きました。

天然塗料の漆に始まり、ラッカー、ウレタン、カシュー・・・・これに着色料も加わり、それらを木材やその用途によって組み合わせていくので、バリエーションはかなり豊富です。
その分、覚えることも大変ですが、
校長先生が最後におっしゃったこと、

「迷ったときはウレタン」

なんでもウレタンは、

・耐水性○
・耐磨耗性○
・目やせ、肉持ち性○
・無害性○(乾いたあとの話であり、また完全に無害というわけではない)

といったいくつものメリットを備えているからです。

ただ、ウレタンには「後から修理の時などはがしにくい」というデメリットもあるそうです。


いずれにせよ、塗装の基本工程を押さえながら「自分の得意技」という安定した自信のある方法を確立することが大事だそうです。

明日は塗装実習です。


◆写真は、家にある「ワトコのオイルフィニッシュ用のオイル」
新木場の株式会社北三様を訪れたときに試供品の小瓶を多数頂きました。
ただいま実験中です。
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「浮浪者になるぞ」 (自主制作のテーマ)

2009年09月09日 | 【師の教え】田中語録
自主制作の準備が始まり、昨日から先生と面談をして自分の製作テーマと製作物を決めていく作業が始まっています。

ここは木工作家やデザイナーを養成する場所でなく、つまり「作品」でなく「製品」を作ることを学ぶ場所なので、「何を作りたいか」でなく、「何を作るためにどんな技術を学ぶか」をテーマにしてほしいと、先生から冒頭に指示がありました。

とは言っても、生徒が23名もいると、興味は人それぞれ、
和家具を作りたい人、その中でも階段箪笥を作りたい人、
小さな椅子を作りたい人、ベンチを作りたい人、
Yくんは、前面がカーブを描いた珍しい箪笥を作りたいと話したところ、
先生に「オブジェか、これは!」というツッコミを受けながらも、
どうにかOKが出そうな気配など、
いろいろなものができそうで楽しみです。

私のテーマは、
将来の独立を見据えて、
「最も売れるものと最も売れないものを作る」
です。

先生から提示された目標製作数は4つ。
その中で、最も売れるものと最も売れないものをいくつか作っていくということです。


「最も売れるもの」
とは、家具の中でも定番で、売れやすい家具です。
これは独立して職人として飯を食っていくためには、まず市場で安定した人気のある商品が作れなくては、やっていけないと思うからです。
デザインとかうんぬんの前に、必要性のある家具ということです。

一方で、「売れない家具」とは、
正確に言うと、あまり売れてないジャンルの家具ということです。
これは、よく売れる家具ばかり作っていても独自性は発揮できないので、
独立する以上、自社の独自性をどこかに見出さねばなりません。
それは今人気のないジャンル、あまり作っている人がいない分野にヒントがあるのではと思っています。

そういうわけで、
まず一つ目の製作物は、家具の定番の「箪笥」。
これは先生から箱物をひとつは作ってほしいという指示もあったためです。
しかし近年は箪笥は各家庭にいきわたり、もしくは収納も多い最近の新築も多いので、大きめの箪笥というよりは小さめの上に物が飾れるようなものにしたいと思います。

そして二つ目の製作物は、
「三面鏡、ドレッサー」
昔の家には三面鏡があったかもしれませんが、今はだんだんと減り便利になった洗面台ですましている人も多いのではないでしょうか?
(統計資料探したいですが・・・)
いずれにしても必需品の家具というものでない三面鏡を2番目にしました。
またこれには、椅子またはスツールもあわせて作る必要があるので、ちょうど椅子製作の経験も積むことができそうです。

それ以降は時間があったらの話なのであまり考えていません。

ちょうど伊那の訓練校が今年で終わりなので、木材の在庫を余らせないためにも、またなかなか大物の家具というのは作るチャンスがないと思っているので、とにかく大きな家具を作るなんてことにチャレンジしてもいいかなと思っています。

そんな感じで先生との面談は終わりかけたのですが、
最後に。

「で、お前は来年の4月からどうするんだ?」

「一旦は修行で就職を考えています」

と答えると、

「求人倍率厳しいからな、しっかり考えろ。
そうしねえと、浮浪者になるぞ」

というお言葉を頂きました。


そうです。気がつけばあと半年。
それまでに進路も決定しなければいけません。
自主制作と同時にそちらも気合をいれていきたいと思います。
後半戦は予想以上に忙しくなりそうです。


→「田中語録への思い」はこちらをご参照。
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「下手くそはどんどん下手になる」

2009年08月28日 | 【師の教え】田中語録
木工の世界は怖いです。
下手くそはどんどん下手になるのです。
やればやるほど上手な人とどんどん差がつくのです。

これはこういうことです。

今、整理箱を作っていますが、
その製作過程で、

墨を間違えた、
直線に切れなかった
直角が甘くなってしまった
鉋の耳が出ていて前板に傷がついてしまった

下手くそだとこんな失敗をいろいろとやってしまうのですが、
これらを修復しようとすると、
実は余計におかしくなっていくのです。

直角が少し狂っていたので、抽斗がうまく入らない。
片側を少し削ろう
そうすると、今度は反対側がゆがんで、
またそれを直すために、無理な力をかけたりして、
それがまたどこかに支障をきたす。

そんな悪循環に陥り、
手を加えれば加えるほど、下手くそな出来になってしまうのです。


しかし先生は付け加えられました。

「でも下手くそが少しづつでも上達して、ある一定ラインを超えれば、そこからは逆に反比例して上手になっていく。」


これは何も木工の話だけではなく、実は世の中のいろいろなことに当てはまると思います。

たとえば、
頑張っている人と怠けている人、
その差は頑張っている人が進んだ分だけつくのではありません。
それにプラスして、
怠けている人が後退した分も差が開くのです。
間違ってはいけないのは、
怠けている人は、現状に止まっていると勘違いすることです。
現状に止まっていることなんてありえません。
前に進まぬかぎり、確実に後退している。
そう考えたほうが自然のようです。


とにかく一定ラインをめざしてがんばりましょう。
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「ふりをするな」

2009年08月22日 | 【師の教え】田中語録
(写真は来週からの出張を前に黒板に残した先生のメッセージ)


「やったふりをしてるんじゃねえ」

本日は、整理箱の支輪という部分を本体に組み立てる前に、支輪をつけてしまうと塗装のためのサンドペーパーをかけづらくなる箇所をあらかじめ研磨しておく作業について先生を注意を受けました。

木目や木の方向に沿ってサンドペーパーをムラなくかけておかなければいけないのですが、私は塗装の前に再度本仕上げをしようと多少いい加減にかんがえていたのかもしれません。
そのため、先生に指示されたやりなおしも、しっかりチェックせずに次の作業に移ろうとしたところ、先生が待ってましたとばかりに、

「やったふりをしてるんじゃねえ」

と再度注意を受けました。



考えるに、
この作業は必要だからあるわけで、けっしていい加減にしてはいけません。
およそ、
「後でやればいい」
という後回しの考えはけっしていいことにつながりません。

必要だからこそある作業、
そしてそのひとつひとつの作業の積み重ねがきちんとした製品につながると思います。

あえて大きな声で注意を頂いた先生に感謝です。

→「田中語録への思い」はこちらをご参照。

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「考えるな!」

2009年07月30日 | 【師の教え】田中語録
明日は終業式で、いよいよ一学期も終了。
本当にとても早いです。

明日は作業はできないので、実質本日が最終日です。

大急ぎで整理箱を組み立てましたが、
最後まで先生には怒られっぱなしでした。

「考えるな!」

「よく考えろ」とは言われることはありますが、「考えるな」です。

実は整理箱を組み立てている際、すり桟の取り付け方を誤ってしまったのです。
先生いわく
「しるしがしっかりついていないからだ。」

組み立てをするときは、何も考えなくていい。
何も考えなくてもわかるように、材料の上下左右、どこに打ち付ければいいのかがわかるようになっていなくてはいけない。
そういうわかりやすいしるしをはっきりと大きく書いておけ。(とくに素人は)
それがミスをしないことに繋がるということです。

(類義語は「勝手墨は100メートル先からでもわかるようにつけろ」です)

これから夏休みに入りますが、
私ももう一度「田中語録」を読んで、重要事項をおさらいしておこうと思います。




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「何かを変えなければ、変わんねえぞ」

2009年07月28日 | 【師の教え】田中語録
「調子こいて同じことやってんじゃねー。」
整理箱の横板の目違払いをしていたら注意を受けました。

鉋の刃の出方にしろ、鉋の台にしろ、力の入れ方、削る方向などなど、考えて何かを変えなければ、同じようにしか削れない。

当たり前のことですが、人間なかなか同じやり方を変えられないんですよね。

(終わり)

→「田中語録への思い」はこちらをご参照。
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「上手い下手じゃねぇ、どう生きるかだ」

2009年07月15日 | 【師の教え】田中語録
クラスメートと「ほぞ組みがうまくできなくて・・・」と言いながら、自分の作ったほぞ組みを卑下していると、「上手い下手じゃねぇ、どう生きるかだ」と、先生が私を珍しく?フォローしてくれました。
いきなりマジな真剣勝負な発言だったのでびっくりしました。
でもありがとうございました。

(終わり)

→「田中語録への思い」はこちらをご参照。
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