餌金日記

金魚と川魚飼いの日常です、

日本の歴史が見える

2018-05-19 23:08:32 | アート・文化

「日本の風景を見つめて 須飼秀和 ふるさとの詩」と「小磯良平と吉原治良」に行って来ました。

「須飼-」新聞や会報などに寄せられた日本の風景画が色々来ていました。ここ知っているから近いけどここ見たことないとか、ここは全然知らなかったまで。でも知らなくても何だか懐かしい感じのするあたたかい風景画です。どこか谷内六郎さんを思い出させますが、もっと最近でもっと人が遠景になった感じです。ほんのちょっと昔の日本。こんなところあったあったの世界でした。

「小磯-」小磯さんと言えばデッサン力抜群の画力だし、吉原さんと言えば○です。代表作が全然違う絵なのに経歴が似ている。どちらも色々な挑戦をされています。小磯さんは最初から今でも古くないほどうまいし、キュビズムは丁寧すぎて全然崩れていません。吉原さんは変わる変わる。高橋由一からピカソになりマグリットに行ってミロになり白髪一雄になり禅のような油絵になりました。魚屋に行っては珍しい魚を買い魚を描き夜には夕飯になったというのが好きです。抽象画に鳥の絵がよく出て来る時期があります。魚の方が好きなんだけど、鳥はどこにいても違和感がないから鳥にしている。魚が飛んでいたらおかしいから。とあったのに笑いました。抽象画なんだから魚が飛ぼうが鳥が飛ぼうが構わないだろうに。妙に生真面目だったのだなと。戦時中小磯さんは抜群の描写力が買われて従軍画家となり、戦後記録画の経験を生かして群像表現に挑戦されていました。吉原さんは全然変えず抽象画を続けていました。友人と見ていてヒトラーが政権を取っていたら退廃芸術指定だっただろうねという話になりました。平和になって良かったです。こんな面白い物が見られるのだから。